名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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自白(新一×快斗)《1/2》
──────────────────


「というわけで、今日はこれを試すぞ」

部屋に入るなり工藤は言った。





「何が『というわけ』、 だよ」

手に持つ怪しげな小瓶を軽く振りながら工藤が続ける。

「この前の事件で特殊な薬品を調べてて、そこで手に入れたんだ」

「何の薬だよ…、いや言うな! どうせロクでもない───」

「自白剤さ」

自白剤?

「なんだ。自白剤か」

もしかして“媚薬”とか吐(ぬ)かすのかと思った。漫画じゃあるまいし、媚薬なんて信じてないけど。

「媚薬って言うと思ったか」

「思ってねーよ。自白剤なんかどうすんだよ」

「だから試す」

「誰に」

「オメーに決まってんだろ、快斗」

「はあ?!」

「宮野に頼んで速効性をプラスしてある」

「また…マッドサイエンティストがマッド探偵とつるむと、ロクなことしねーな」

「言うぞ宮野に」

「言わないで」

「だったら飲め」

「やだよ。テメーが飲めよ」

「ふーん、脛に傷持つ元コソドロは自白剤が怖いか、やっぱり」

「怖くねえよ。コソドロじゃねえし。怪盗だから」

「だったら飲め。質問してやるから」

「ふざけんな。もう秘密なんかねえよ」

「嘘つけ。まだオレに隠してる事があるだろう」

「しつけえな。ないってば。仮にあったって、薬なんかで吐くか」

「言ったな」

「とにかくフェアじゃねーぜ、俺にだけ変な薬飲ませるとか。飲むなら一緒に飲むか、どっちが飲むかの勝負だ」

「そうきたか」

俺がそう言うのも想定内とばかりに、工藤は余裕の笑みを浮かべた。

「薬は水溶性、宮野の話じゃほぼ無色、無味無臭だそうだ。どっちが飲むか、勝負の方法はお前に決めさせてやるぜ快斗。それなら公平だろ」




丸め込まれたような気がしないでもないけど、俺に飲ませようとした怪しい薬を工藤が自分で飲む羽目になったら間抜けすぎてオモシロイので乗ることにした。

「んじゃ始めるぜ。新しいミネラルウォーターの栓を開けて、二つのコップにそれぞれ1/3ほど注ぐ」

「テーブルマジックか。なるほど」

なるほど、とか余裕ぶっこいてる場合か。
俺に手段を任せた時点でオメーの負けは決まってんだ。

「ではその瓶を」

「ああ」

俺が促すと、工藤は蓋を開けた瓶を逆さにし、片方のコップに中身を全部を注いだ。大した量じゃない。

「…確かに色は無いな」

「水を足して、分量を均等にするんだろ」

「そう。ここからが腕の見せ所だ」

現役新進マジシャンのテーブルマジックを舐めんなよ。この勝負は絶対に俺のモンだ。
工藤が見ている前で素早く二つのコップを繰り返し左右に入れ替える。
滑らかに、中身が零れないよう。

「さすが手慣れてるな。だが、ちゃんと追えてるぜ」

「へっ。んじゃこれでどうだ!」


》》ぽん!《《


小さな煙幕を起こす。眼の前が一瞬見えなくなる程度の。

「あっ、仕掛け持ってやがったのか」

「当然。こんなこともあろうかと──」

ここに来る時は何されるかわからないから──というのは心の中でだけ呟いた。

「さあ、名探偵に選ばせて差し上げますよ、どちらになさいますか?」

自然と口調が怪盗っぽく──いや、マジシャンぽくなる。
悠然と、堂々と、鉄壁のポーカーフェイスで。

工藤が静止したのはほんの一瞬だった。

『本当にそちらのコップでよいですか?』と問いかける暇(いとま)もない。
俺が『あっ、おい』と声をかけた時にはすでにゴクゴクと手にしたコップの水を飲み干していた。

「飲んだぜ。おまえもこっち飲め」

「の、飲むけどさ。“間”ってもんがあるだろ」

「オレは早くおまえを抱きたいんだ。手間取らせやがって」

「・・・」絶句。

そりゃ、俺だって久々に工藤に逢いに来て工藤の部屋に入るからには一応はソノツモリで来たさ。だけど、あからさますぎねえ?

「さっさと飲め」

「いま飲むよ。怒んなよ」

工藤がイライラしだすとまじで良くない。
俺は慌ててコップの水を口に運んだ。
こっちは薬入ってないもんね。
ごく、ごく、…ごっくん!

「飲んだな」

「なんか変化感じるか? 工藤」

「快斗、自白剤を飲んだのはおまえだ」

「そんなわけあるか──」

(くらり)

エッ? 不意に視界がぼやける。

(まさか。そんなバカな)

ドキドキと心拍は鳴ってるのに、手足の感覚が遠くなって、立っていられなくなる。

「おっと。危ないぞ、ゆっくり」

ふわふわする。
どうやらベッドに横たえられたらしい。

なんだこれ。
そんなわけないのに。
自白剤飲んだのは俺なのか?
なぜ───。

「黒羽快斗。これからするオレの質問に正直に答えるんだ。いいな」







つづく
──────────────────




※ひーっ久しぶりのupなのに、やっぱりこんなでスミマセン! 新一に飲ませる案もあったんですが、やっぱりこの方向になりました。なぜならココはひたすら快斗くん受けブログだからです。ご容赦を。あまり間隔開けずに後編upしたいと思っていますが…。
後編は当然ながらR18になります。気が向いたら再訪くださいませ(_ _;)。


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