名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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自白(新一×快斗)《2/2》R18
※手直し中
──────────────────



「頼まれた薬、用意したけど。本当に使うつもり?」

宮野は多少の憐憫をこめた声でオレに言った。



「──探偵が推理を放棄してどうするのって話よ、工藤くん」

「しかたねーだろ。快斗のヤロー、何訊いたってポーカーフェイスで完全スルーしやがる。江古田の様子は知りようがないし、推理の材料なんかない」

「相手に直接会ってみる、ってのは?」

「ヤツはロンドンだ。当分帰ってこない」

「なんだ、離れ離れじゃない。だったらそんなに思い詰めなくたって」

「別に…快斗が二股かけてるとか、そんなこと疑ってるんじゃない」

「じゃあ何なの。何をそんなに心配してるの?」

宮野は薬をオレに渡しながら最後に言った。

知ってしまって、あげく後悔することになったって知らないわよ───





快斗、おまえはオレを信じていた。

騙すのは怪盗だった自分の方で、探偵のオレが “自分を騙す” とは考えていなかったんだ。
だから罠に引っ掛かった。

最初から、オレはおまえを騙すつもりで待ち構えていたんだ。おまえの本当の心が知りたくて。

おまえが何を悔いているのか。

なぜそれを打ち明けてくれないのか。

それが──歯痒くて。







・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・







あれ、ココどこだっけ。


学校の屋上…?


ふわふわ、現実感がない。


夢かな。


やな事忘れたくて、思い出したくなくて、いつもココに来てたんだ。

だけどなかなか切り離せなくて。

苦しくて叫び出しそうになったとき───白馬がいたんだ。
いつの間にか、すぐ側に。

白馬は、多分気づいてた。
俺が敵にメチャメチャ傷めつけられて凹んでること。

工藤と気まずくなって、俺が工藤を避けてること。

なにか訊いてくるかもと身構えてたけど、白馬は俺に何も訊かなかった。
俺の警戒を察して、俺に近付きすぎないよう気遣ってくれてたんだ。
少し離れたところで。黙って。待っててくれた。
俺の傷が癒えてくるまで。

もし、あのとき白馬が俺を見守ってくれていなかったら。
俺はこんなふうに立ち直れてなかったかもしれない。

俺は白馬に助けられたんだ。


───白馬の気持ちは痛いほど解っていた。


解ってて、白馬の想いに俺は甘えていたんだ。

俺は狡かった。

工藤とはもう絶対逢わないと決めたはずなのに、工藤に逢いたくてたまらなかった。

そして、白馬も失いたくなかった──。

白馬に応えることができなくて…それがつらかった。

工藤が俺を待ってることも解っていた。

俺は手を両方に伸ばしたくて、でもどっちへも伸ばすことができずにいたんだ。

白馬はそれも解っていた。

俺が身動きできずにいる事に。

そして白馬は───俺の前から消えた。

胸に大穴が空いたような喪失感。

俺が白馬を去らせた。

だけど、これで工藤に逢いに行ける。そう思ってしまった。

白馬……ごめん。

白馬。

本当にごめん。謝りたい。

分かってる。
謝ったって赦されない。

謝るなんて、何様だよ、俺。

謝る資格なんかないんだ、俺には───。









・ ・ ・ ・ ・





「快斗」

「…工藤。あれ」

不意に夢から覚めた。

「あっ」

下肢が持ち上げられる。

裸だ。ベッドの上。

「うわっ」

奥を探られ、肌が粟立つ。

「く、工藤、ちょっと、まっ─── あぁっ!!」

ガン、といきなり深く貫かれ、衝撃に叫びをあげた。
なんでだ。
こうなるまでの記憶がない。

(工藤…?)

工藤の肌が熱い。
俺を抑えつける手の力が強い。

「あ、あ、ああっ!」

思考が…途切れる。

熱くて、切ない。

耳鳴りがする。ジンジンと痺れが高まり、感覚が極まっても解放されず、苦しくて俺は喘いだ。
激しい嵐に翻弄される
ただただ工藤の下でのたうち回るしかできない。
工藤の熱さに、体中が反応している。
恥ずかしいほど。

「工藤…っ…、ああ…!!」

大きく息を吸おうと開けた口を工藤の唇に塞がれた。
苦しかったが、懸命に工藤のキスに応える。

(………?)

なぜだろう。

なんだか…工藤も苦しがっているように──感じる。

これでもかと俺を貫き、揺さぶりながら、まるで苦痛に耐えているかのように───。











「…ああ、しんど。動けねえ」

「悪かった。つい」

「なにがつい、だよ」

工藤が目元を抑える。
泣いてるのかと一瞬ドキッとしたが、そうじゃなくてコンタクトレンズを外したようだ。

「なんでコンタクト? 視力落ちた?」

「いや。外すの忘れてた」

「……………あっ!」

「やっと気付いたか」

「え? もしかして、あの瓶に入ってたのは」

「そう。あれはただの水。薬はコップの内側に塗ってあったんだ」

「えっ、きたねえ! それじゃそのコンタクトレンズは」

「そう。薬を塗ったコップがどっちか判別する」

「え…、そ、それじゃ…」

「薬が塗ってない方のコップに瓶の水を入れたんだ。だから最初から逆だったわけ」

「がーん…、やり方は決めていいとか言って、誘導しやがったな。きたねえぞ…工藤!」

「フン。おまえが甘いんだ。怪盗引退して鈍ったな」

「うう」

快斗はようやく気怠そうに体を起こした。
オレが付けたキスマークやら抑えた手首が赤くなってて艶っぽい。今夜は帰さない。

「え、でもそれじゃあ、俺…なんか自白させられたの?」

「残念ながら何も」

「ハハッ、だろ?! なーんだ、たいした自白剤だな」

笑いながら快斗は安堵の表情をした。

「で、俺から何を訊き出そうとしたんだよ」

「フン。隠し部屋はその後どうしたのか、とか。引退したとか言って、実は何か計画してるんじゃないかって」

「ばーか、言うかよ、残念でした!」









白馬のことを聞き出したのは秘密だ。

快斗の白馬への想いが甦らないように。

快斗が自白した事は、オレだけの秘密にする。







20250316

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※このブログのわりと初期のシリーズで新快に白馬くんを絡めたお話があったんですが、そのパラレル後日譚的な内容になりました。実は快斗くんに何を自白させるかイロイロ迷ったんですが…結局私の自己満な展開になりました(-_-;)。

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