拍手御礼! どなた様か初期upの「補完~夢」に拍手ありがとうございました。自分では思い入れがある話でして…嬉しいです!!
月光リフレクション《蜜月1/2》(キッド×新一)R18
カテゴリ★インターセプト2
※一区切りするまで続けてしまいます…(+_+)。
新一視点にて。
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快斗はキッドのままの笑みを浮かべてオレを見た。
「名探偵…キッドとお呼び下さい。どうか今は」
ここにいるのが快斗だったら。
快斗が隙を見せれば逆に────などと、オレは往生際悪く考えたりしていた。
だが、キッドでは出来ない。
だってオレがこれまで抱き合ってきたのは快斗であって、キッドじゃない。
だけど、だけど、キッドは快斗だ。
解っている。なのに、何度も、どうしても考えてしまう。
快斗のはずなのに。
今オレを見詰めているのは……。
(わ…っ)
上着を脱がされ、タイを引き抜かれ、シャツのボタンも外されて…もう半裸だ。少しずつ身に着けたものを剥がれてゆく感覚が…なんというか、たまらない。
額や目元や頬に淡くキスされながら、壊れ物のように優しく扱われるのがこそばゆいのだ。
快斗なら…オレに触れているのが快斗だったら、照れくさくて、とてもじっとしてはいられないだろう。
そしてまたグルグルと同じ事を思い浮かべる。
(キッドと快斗は同じ…なのに)
耳元でキッドが小さく笑った。
「…ん、だよ」
「良い香りが。嬉しいです、名探偵」
髪に鼻を埋めるようにして囁かれ、オレはヒィーッとなる。〝良い香り〟って言われても…(>_<)!!
そりゃあ…寝ボケて醜態を晒したとはいえ、オレなりに覚悟して待ってたんだ。
快斗の申し出に応えようと…オレなりに。
しかし気恥ずかしさはもう限界だ。
我慢できなくなって体を起こそうとしたら、ぐいとキッドに肩を抑えられた。
「ダメです。じっとして」
キッドのもう片方の手がズボンのウエストに掛けられている。
はっと固まると、キッドにキスされて……体の力を抜くように促された。
うあ。
下肢が晒され、かろうじてシャツを羽織っただけの姿になる。素肌がシーツに触れる感覚に僅かに息を吐いた途端、腿を辿っていたキッドの手に突然臀部をきゅっと掴まれ、オレは思わず体を跳ねさせた。
「あっ」
じたばた足掻いているうちに脚を割られ、キッドに中へ入り込まれる。キッドを挟むように体を開いた自分の姿に、一気に肌が粟立った。
互いのすべてを知ったつもりでいたが、それはあくまでオレから目線でしかなかった。相手に体を委ねる立場に身を置くという事が、ここまで感覚を狂わせるとは思わなかった。
はっきり言って怖い。恥ずかしい。
想像はしていたが、想像どころじゃない。想像の何十倍も怖くて、何百倍も恥ずかしいっ!!
これまで快斗にこんな姿勢を平気で強いていた自分が信じられない。たとえ好きな相手にでも、自分の知らない自分の姿を暴かれる恐れに、芯から竦んでしまう。
─────キッドも、早く裸になってくれればよいのに。
そうすれば、どうしようもないこの羞恥も少しは薄れる。少しは。
「キッド…、は、やく…」
「急いではいけません。楽にして」
…ひいっ(@@)!!
キッドが俺の片脚を腕に掛けて持ち上げる。
腰が浮き、後ろが晒される感覚にビクビクとその場所が怯えるように戦慄くのが自分でも判った。
油断すると声が出てしまいそうだ。とんでもない悲鳴が。
潤すように液体が伝っている…。いつ指が挿れられるかと思うと体が強張って、呼吸すら引きつってしまう。
胸元にキスされ、やたら緊張している腹筋をそっと撫でられる。焦らされているようでつらい。いっそ早く貫いて、早く何も分からないようにしてほしい。
「キッド…頼むから、早く…!」
とうとうたまらずに訴えたが、キッドはそれには応えず、今度はその場所から離れてオレの前に指を添わせ始めた。
「─────ク…、ゥアア!」
ゾクゾクと異様な快感が這い上がり、オレはあっという間に追い詰められた。
キッドが体を屈め、唇を寄せてくる。
「ま、待て…っ、う、わ…!」
いくら身を捩っても逃れられない。
温かく纏わりつくもの─────それがキッドだと思うだけで気が遠くなる。
ただもうどうしようもなくて、オレはシーツを掻き集め、きつく握り締めて、全身を痺れさせた。
はあはあと、自分の吐く息の荒さをようやく意識した。
………?
何か…蠢くものが忍び込む。
芯を探り、中を炙るように……。
「…アッ!!」
違和感の正体に気付いて体を竦ませる。後ろをぎゅうっと締め付ける感覚に慌てて息を呑んだ。
痺れる。体が動かせない。
キッドにしっかりホールドされてしまっている。
「キ、キッド…!」
「名探偵、落ち着いて下さい。大丈夫ですから…ゆっくり力を抜いて」
「で…、で、できっか! ずりぃぞっ」
「おや。少しでもご負担を減らそうと、これでも苦心しているのですが…」
「ど、どこがだよ…、うあ!」
まんまと煽られるまま達してしまい、弛緩して茫然自失しているうちに後ろを拓かれ始めていたのだ。
キッドめ、なんつーことをっ。
!!
じわりと奥に〝届く〟感覚があって、ビクッと体が反応した。
唇を噛む。
なにか…やばい感覚が襲ってきそうな予感にゴクリと息を呑み、怯えるように身構える。
もし…また奥に触れられたら…きっと声をあげてしまう。そういう予感だ。
「楽にして…息を吐いて下さい」
「む、……」
だから、無理だって!
そんなに指を使うな! !
心の中だけでジタバタと騒ぐ。実際にはただ身を固くして、初めて覚える感覚に魘されウーウー呻いているだけだ。
キッドがオレを見て微笑み、体を伸ばしてキスをしてくる。
涙目のオレを懸命に宥めようとしている。
解ってるよ…。
〝初めて〟のオレを傷付けないよう、苦しめないよう、時間をかけてくれてるって事は。
だけど、今はそれがつらい。
もういいから、もう十分だから…!!
「名探偵…」
「キッ…ド…もう、もう…オレ、いいから、もう…!」
オレはキッドの頭を抱え込んで自分の頬を擦り付けるようにして訴えた。とても言葉には出来なかったが、キッドにそうと伝わったようだ。
「……わかりました。ではどうか、お許しを…名探偵」
キッドが体を起こす。
オレを見詰め、オレの体を支えるように手を着いて。
じいんと痺れて熱を持ったオレの後ろに、キッドが自分を押し当てる。
キッドが…。
ああ。
キッド─────!!
月光リフレクション《蜜月2/2》へつづく
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