名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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恋人以上・謎未満2(新一×快斗)

※ノロケ話です。飛ばしてください(汗)。
――――――――――――――――――

工藤は帰って来なかった。

俺は工藤のために作った料理を自分一人で泣きながら食べた。


言っとくが工藤が恋しくて泣いたんじゃない。自分のアホさ加減に呆れてだ。

チクショウ。何が二時間で戻るだよ。最初からあんなヤロウ待たないでさっさと帰ればよかったんだ。そうすればケータイ気にしながらどうしたんだろうとか心配したりしなくてすんだのに。

……たとえば救急の医者の奥さんとか、刑事の奥さんなんか、きっといつもこんな思いしてんだろうな~。世の奥方たちの気持ちにまでシンクロしてしまう(このへん微妙に罪悪感も伴うので余計にイタい)。

工藤の皿の料理、よっぽどゴミ箱にぶちまけてやろうかと思ったが、大人げないのでやめておいた。ふん。冷え切った料理見て少しは胸痛めやがれ。……なんにも感じねえかな。片付けんの面倒で舌打ちするだけかもな。くそ。

もう夜が明ける。帰ろう。
うたた寝しかしてないから目の下にクマまでできてる。今週はキッドになる予定ないからいいけど、怪盗の目の下にクマがあったらホントみっともないぜ。

もうやめよ。ここに来んの。バカみてぇだもん。

押し倒されて好き勝手に扱われるわ、待ちぼうけは喰らうわ。いいことなんか一つもない。
そーだよ。ちょいといい仲になったからって、なんで怪盗が探偵に尽くさなきゃなんねぇんだよ。

やめたやめた!

あばよっ、名探偵。
ま……たまには、どうしてもって泣きついてきた時には来てやらなくもないけど。とにかく俺はもう帰るぜ。

しゅん。

――それでも、なんか悲しい。
やっぱり泣きたい気持ちはかわらない。
走ってきて、ぎゅって抱きしめて――すぐ戻るから待ってろって……言ったのに。


玄関から出た。鍵を閉めて、怪盗のくせにこんなの持ってるからいけねーんだ、と気が付いた。
こんな鍵。捨ててやる。
ひょいと宙に浮かせて、落ちるところを腹立ち紛れに蹴っ飛ばした。
足先に伝わる小さいけど金属の固い感触が胸に突き刺さる。
立ち尽くしてまた泣いた。
……帰ろ。


「痛てえな。捨てることないだろ」

「…………」

近付く足音。

「門入った途端だぜ。よける暇もねえ」

「…………」

「ただいま」

「ただいまじゃねえ!」

「携帯水没させちまってさ。……ごめん」

顔を上げると目の前に工藤が立っていた。
目の下に俺より大きな黒いクマを作って。おまけに眉間が赤くなって少し血まで滲んでいる。

「持っててくれよ、鍵」

「いやだね」

そう言って俺は工藤に抱き付いた。

絶対にいやだ。もう一度つぶやいた俺の背を、工藤が強く抱きしめた。






20110213


――――――――――――――――――

結果甘イチャでした。お粗末様です…。(*_*;


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