名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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ウエストサイド・ラブモーション《2/2》(新快前提 平次→快斗)

――――――――――――――――――

「他に誰か来るんじゃないの?」

「んなわけあるかい。二人きりや」


「こんな立派な座敷に? うそ」

「予想してたんちゃうんか」

俺は目の前に並んだ懐石に目もくれんと立ち上がり、怪訝な顔をする黒羽の横に移動した。

「…ふざけんなよな、服部」

「ふざけるわけあらへん。ほんならもらうで!!」

横から黒羽を座敷に押し倒した。

「ばか、何すんだっ」

「おとなしゅうしい」

俺を押し退けようとする黒羽の腕を掴んで避け、キスをする……が、顔を背けられた。ツレナイとこがまたたまらん。

「や、めろって、マジで!」

「抜け出してみい。おまえがキッドなら〝へ〟でもないやろ、そんくらい」

「めちゃくちゃ言うな!」

片腕で黒羽の肩と喉元を抑え込む。完全に上になって体重を乗せた。

「自分がキッドやて、正直言うたら放したってもええで」

何したって放す気はあらへんのやが一応言うたった。
黒羽が真剣な目で俺を牽制しよる。

「――どけ。服部」

「どけへんな。好きなモンは手に入れんと気がすまんタチや」

言いながら黒羽のジーンズのボタンを外し、ジッパーを下ろした。
それに気付いた黒羽がアッと声を出し目の色を変える。俺が本気やとようやっと理解したようや。

無言で激しく暴れ出した黒羽を抑えつけて頬や喉や耳やそこら中にキスした。黒羽の肘が俺のアゴに入る。目に星が散った。
はぁはぁと息を荒げる黒羽の瞳が震える。綺麗な目や。
はだけた黒羽のシャツの胸元が――息づく肌が俺のハートに火をつけた。ホンマのホンマのホンマにや。

「黒羽……」

俺は黒羽の唇を捉えてキスした。深く。長く。黒羽がうう、と苦しげな声を漏らしても、絶対放さんかった。

「……っ、ジイちゃん!!」

「?!」

なんや。ジイちゃんて。
俺はジジイやないで。

赤い顔した黒羽が俺から目を離し、違う方向を見つめている。

俺もそっちを振り向いた。




な、ん、で、や。




見たことない爺さんが障子を開けて立っとった。

「ど……どうされたのです、快斗坊ちゃま!」

「寺井ちゃーん!」

「こちらの方は……??」



ありえへん。マジでありえへん。



なんでや。なんでこんなジャマが。

しかも、黒羽を〝坊ちゃま〟やと――?

硬直した俺の腕を振り払って黒羽が体を起こす。

「よくここがわかったなぁ、ジイちゃん! こいつ大阪の友達で服部っていうんだ」

「あの……お店の人が忙しそうだったので、声をかけずに上がってきてしまったのですが……」

「うん、いいんだ! いま服部にマッサージしてもらってたんだよ」

オイオイ~。
マッサージて……無理あるんちゃうかァ。

すっかり気を削がれて俺も座り直した。どういうこっちゃねん。エエトコまできてたっちゅうに!

仕方あらへん。そそくさと身繕いする黒羽に訊く。

「誰や、このジイさん。〝かいとぼっちゃま〟いうたで」

「俺の父さんが世話になった人で……大阪にいるって連絡があったから会いに来たんだよ。ここで晩飯食うならジイちゃんも一緒にと思って呼んだんだ。このへん入り組んでるからちゃんと来られるか心配してたんだけど」

そーゆうことかい。黒羽のヤツ。

はじめから俺と二人きりにならんよう手を打ってたんや。クッソウやで。

「な…、服部、あと一人分料理頼めるかな。お代は払うよ、自分の分も」

「しゃーないのう。……おぼえとれ黒羽。次は」

不意打ちも辞さんからのゥ。と、苦笑いする黒羽に俺は呟いた。







――これでウマいこと逃げられた思うたら大間違いやで、黒羽。

もう一つの目的は達成しとる。

黒羽が自分で気が付きにくいところ――首筋のうなじに近いトコロに、ばっちりキスマークを付けたった。

つまり、怪盗キッドの衣装着てても見える位置や。予告通りキッドが現れれば報道もどエライ事になる。たとえ俺が直接この目で確かめられんでも、テレビ局やら警察やらが撮影したビデオを後からよーく見なおせばどっかに映っとる可能性がある。いや、必ず映るはずや。

覚悟しい、黒羽。
おまえがキッドかどうか、明日の夜には判るんやで。


俺は何事もなかったように黒羽と、黒羽を〝坊ちゃま〟と呼ぶ人の良さそうな爺さんと三人で上品な懐石料理をオイシクもろうた。

目が合った黒羽にアハハと引きつった笑顔を向けられ、それにめっちゃ穏やかに微笑み返しながら……俺は心の中でいろんな意味でのリベンジを誓っとった。






20120220


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※2月7日アップの『ウエストサイド・ショートストーリー』に続く内容でした。これはこれで一応オワリのつもりなんですが、この翌日どうなるかを書かないとなんだか完結してない感じになっちゃったので……なるべく書くように心がけておきます~(汗)。

※それから……(新快前提)で片思い続きの白馬くん同様、服部くんにも思うように快斗くんを襲わせきれません。やはり(新快前提)とは別枠で(平次×快斗)カテゴリを作らなきゃダメかなぁーと思案中です。とほほ。

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