名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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待ち伏せ《1/2》(新快前提 平次→快斗)

※2012年2月に飛び飛びでアップした『ウエストサイド』シリーズ3編の後日談です。

――――――――――――――――――

学校帰り、幼なじみと川原の土手を歩いていた時だった。

前方にキャップを目深に被った若い男が行く手を阻むように立っていた。


「あっ、俺ちょっと寄り道してくから。明日な!」

なぁによー、もう。ほんっと落ち着きがないんだから~!

あきれ声の幼なじみを誤魔化して先に行かせ、少し間をおいて物陰からそっとさっきの男の様子を窺った。


―――誰もいない。


あれ? 勘違いかな。てっきり……。

「俺やで黒羽」

「あっ」

後ろから首に腕を巻き付けられ、鞄を持ってない方の腕を背に捕られて動きを封じられた。

「…ああー、やっぱ服部……。元気? なに? 今回は何の用で?」

「このヤロ。しらばっくれるんやないで。言うたやろ、次は不意打ちも辞さんと」

「何のことだよ」

「ソッチがそのつもりならええで。体に訊くまでや」

「…………」

冗談とも言い切れない口調に焦りを感じる。捕られた腕を捻りあげる力は〝本気〟だった。

「服部、痛てーよ」

「当たり前や。甘うしとっとら、自分逃げるやろが」

ちょうど住宅街から離れ、土手を散歩する人も途切れて辺りに人影はなかった。

「このままここで剥いたろか。その東屋の奥やったら道からは死角や」

「…………」

「大人しいのう。かまへんっちゅうことか。もろーても」

「……悪い冗談やめろよ」

「冗談思うてるんか。ほんならもうちょい俺が本気やいう事教えたる」

ずるずる東屋の奥へ引っ張り込まれる。
なんとか腕をほどこうとするが、武術の心得がある服部を振りほどくことがどうしてもできない。カバンを振り回したがダメだった。

「わっ」

突き飛ばされて東屋のベンチに倒れ込んだ。起き上がろうとしたがすぐにのし掛かられて喉元に服部の手が入った。

「ま、あまり簡単に種明かしされてもおもろない。ちょっと遊ばせてもろてからじっくり話訊こうやないか」

「服部、どけよっ」

「どくかい。……この前はようおちょくってくれよったな」

「べつに、俺はなにも」

喉を抑えられているので苦しい。
――どこかで、服部を甘く見ていた。軽んじているという意味ではなく、無闇に狼藉を働くような事はしないと――思っていた。そんな奴ではないと。

でも先日の大阪での一件で、俺は完全に服部を怒らせてしまっていた。




いつか、服部が来訪するだろうとは思っていた。
〝白を切り通す〟のか。切り通せるのか。

俺が〝怪盗キッド〟であることに服部も気付いている。
大阪駅での別れ際――なぜあんな事をしたんだろう。
服部の上着のフードに盗んだお宝を返すなんて……そんな事をしていなければ、まだ言い繕う余地があったかもしれないけれど。

俺自身が服部にどう対していいのか迷っている。自分自身のそんな曖昧な気持ちが自分を追い詰めていた。
この期に及んでなお――服部に抑えつけられていながら、どうすればよいのか、分からずにいた。






待ち伏せ《2/2》へつづく


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