名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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レモンパイ
カテゴリ★ファーストステージ
※コナンくん視点、短編。──────────────────


曖昧な依頼に曖昧な説明、そして直接事件とは関係無い愚痴の数々。

依頼主に直接会って話を聞いたおっちゃんも、さすがに訝しく感じたようだ。



───自作自演だな、おそらく。

ショッピングモールのフードコートで頻発していた一連の異物混入事件、その依頼者である店主を真っ先に洗うべきだと言うおっちゃんの珍しくマトモな意見に、オレも賛成だった。

勇んで駆け付けた少年探偵団だったが、話を終えたおっちゃんが即座に引き上げると言うので『ツマンナイ』とか『食い足りねえ』とか文句言いながら阿笠博士に引率されて帰って行った。


───じゃあ、どうするの? お父さん。

帰り道、レンタカーのハンドルを握るおっちゃんに助手席の蘭が訊いた。

───どうもしねえ。ありゃ不満や鬱憤をぶちまけたかっただけだ。取りあえずおれが愚痴を聞いてやったから多少は毒も抜けただろうさ。

───でも、もしまた事件が起きたら?

───まぁ可能性はゼロじゃねえが、そこまで度胸があるようなタマには見えなかったな。もちろん、ちゃんと釘は刺しといた。

───へええ~??どんなクギを刺したの、おじさん。

オレが先を促すと、前を向いたままおっちゃんは渋い声で続けた。

───食品への異物混入は意図的であれば器物毀損のほか暴行罪の成立が考えられる。決して罪は軽くない。懲役刑も十分有り得る、ってな。






・・・ ・・・ ・・・




「お帰り、コナンくん」

「快斗、来てたのか!」

いい匂い。レモンパイだ!!
リビングのソファから体を起こした快斗の胸に飛び込んだ。

「コナンくん、珍しく早かったな。事件もう片付いたのかよ」

「あー、まぁ、な。それよりオヤツ!作ってくれたんだろ。食べたい!」

「あれ、わかっちゃった? 換気したんだけどな」

グッと強く抱きしめられて快斗のシャツに顔が埋まる。甘酸っぱいレモンパイの香りと快斗の温もりに気持ちが和らぐ。

「………?」

なんか、ちょっと様子がおかしい。

「快斗? どした?」

なかなか快斗が力を緩めないので快斗の腕の中から自分でもがいて抜け出した。

「アハハ、ごめん。一人でいる間、つい余計なこと考えちゃってさ」

快斗の声がくぐもっている。泣いてたみたいに。

「余計なことって? 何を心配してんだよ」

「ううん。自分でもわかんねえ」

言った快斗の目がジワリと赤くなる。

「しょーがねえな」

ここで突っ込んでも快斗が本音を漏らすことはないだろう。漠然とした不安。そうしたものに囚われる瞬間はままあることだ。特にオレたちのように特殊な状況に置かれていれば。

ソファにぴょんと飛び乗ったオレは膝をぺちぺち叩いて快斗を促した。
快斗は少し困ったような照れたような顔をしたが、素直にカーペットに膝を着いてオレの膝に頭を預け、腕をオレの腰に回して息を付いた。

よしよし…と、跳ねた快斗の髪をふわふわと撫でてやる。
快斗はオレの膝の上でエヘヘと小さく笑うと、オレのお腹に頭を押しつけて大人しくなった。
こんな時は、コナンの姿でいるオレよりずっとでかい快斗がやけに頼りなく感じる…。

早く元の高校生のオレに戻りたい。
快斗と同じ背丈になって、正面からしっかり快斗を抱き締めてやりたい。

ほんのり漂うレモンパイの良い香りが、諸々の障害をいっとき忘れさせてくれた。

きっと大丈夫。
近い未来、きっとオレは元の姿に戻れるはずだ。

もう少し、待っててくれ快斗。

もう少し…。






20180225
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※遡るのが申し訳ないほど久々な カテゴリ★ファーストステージ のプチ更新でした((..;))。

●拍手御礼
「月光という名の真実」「ダブルムーン」「サカナ嫌い」「ルパン三世VS怪盗キッド」「告白~風に消えた怪盗~」「拘束LOVE」「朧ろ憶え」へ 拍手ありがとうございました(^_^)ノ


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