名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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倒錯(新一×快斗)
※変則イチャ、新一視点にて(^^;)
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「お帰り、新一。遅かったな」

「おぅ…? えっ?!」

帰宅したオレは、エントランスで出迎えてくれた人物の姿を見て固まった。



「お、おまえは…?」

快斗だとばかり思っていたオレは、〝新一〟と呼ばれて顔を上げ、絶句した。
目の前に立つ〝見覚えのある男〟。それは帝丹高校の制服を着て、ピンと跳ねた襟足をした〝オレ〟自身だった。

「──って、オマエっ、か…快斗か…!?」

ようやくリアクションをとると、オレの姿をしたオレじゃないヤツはニッと笑ってこう言った。

「オレは工藤新一。探偵さ」

な、なぬうっ。

「ば、ばか快斗、なんでオレに変装してんだよ!」

〝偽工藤新一〟は、前髪をサラリとかきあげ、もったいぶったようにポケットに手を入れてオレに背を向けた。そして徐(おもむろ)に半身だけ振り向き、横顔でふっと笑う。

くそ、ムカツク。オレの真似してるつもりか?!そんな芝居がかったカッコなんてしねえし!

「制服が掛かっていましたのでね…、少々試してみようと思いまして。ご本人をどこまで欺くことが出来るかと。アハハ」

「アハハじゃねえっ。オレに変装してオレを騙せるわけねえだろっ!」

「そうでしょうか。ふふ、このあたりであのセリフを」

あのセリフ?

「真実は、いつも一つ!!」

大きく腕を振り上げた偽工藤新一に、人差し指をビシッと突き付けられる。

「な、な、バカ、指差すんじゃねえっ」

「いつもやっているくせに」

「うるせえ!」

探偵の決めセリフを馬鹿にすんな。ちゃんと使いどころがあるから決まるんだっ。

「それにしても、この姿だと口調も自然に気障になるなァ」

「このやろっ、いいかげんにしやがれ!」

ガバッと飛びかかった。するとポン!と音がして偽工藤新一は一瞬で煙に包まれた。オレも一緒に煙に包まれる。…と思ったら、煙の中で服を引っ張られ、髪をぐしゃぐしゃ荒らされた。

「や、やめろ、バカ!」

「バカバカ言ってんじゃねーよ。ほら、イッチョアガリ!」

え…?

肩を掴んでぐるりと向きを変えられる。
エントランス脇にある姿見の正面だった。鏡に映ってるのはオレたち二人。

「な、な・・・っ」

「快斗、今夜は思い切りヤロウぜ」

「はぁあっ(@@)??」

ニヤついて快斗の肩を抱いているのは〝オレ〟。だけどその〝オレ〟はオレじゃない。快斗の変装だ。
そして快斗の姿で学ランを着て口をあんぐり開けてるのは───このオレ??!

「や…、ややこしいことすんな!!」

「ハハハ。やってみたかったんだ」

訳が分からなくなる。もともと顔立ちは不思議なほど似ているオレたちだ。髪型を真似、服を交換すれば、それで変装は完了と言っていい。

「快斗のアホっ、なんで…」

「〝快斗〟はおまえだろ。来いよ」

ぐいっとオレの腕を掴んで二階へ向かう偽のオレ。

そーかそーか、そっちがその気ならいいだろう。ヤッテヤローじゃねえか!
ここらでオレは開き直り、逆襲することに決めた。

「急げ、〝工藤〟」

「お、やる気満々だな〝快斗〟」

言ってろ。
部屋になだれ込むなり、オレはオレの姿をした快斗をベッドに押し倒した。

「わっ。落ち着けよ〝快斗〟。ゆっくりしてやるから…」

「そーはいくかっ! やるのはオレだ!」

偽工藤のネクタイを引っ張った。

「こ、こら、よせ! ずりぃぞ、今夜は俺がしてやるって言ってんのにっ」

「うるせー、やるのはあくまでオレだ!」

「えええ~っ、ずりーよーーっ!」

形勢逆転。偽オレの思うとおりになってたまるか。

ふと顔を上げると、窓ガラスに映るオレたちが目に入った。
本当に訳が分からない。
快斗の姿をしたオレ。
オレの姿をした快斗。
抱き合ってる姿は、意識とは逆だ。

オレが抱いてるのはオレ…?
快斗に抱かれてるのは快斗…?
いや、快斗が、オレを…??

ものすごくおかしな気分だ。そしてものすごく興奮している。
倒錯の極みだ。
背徳という陶酔に巻き込まれて、止まらない。
異様な熱情にオレたち二人は完全に侵されていた。






「くどーのバカぁ…。今日は俺がする予定だったのにぃ…」

掠れ声で快斗が文句を言う。

「変装したからってそー簡単にさせるかよ」

応えるオレの声も掠れてる。
裸だし、髪型も元に戻っているから倒錯した気分はいつの間にか霧散していた。

「ノってくれてもいいのに…、クドーのケチ。あっ」

「んじゃノーマルパターンでもう一回」

「ヤメロ、ちょっと休ませ───」

唇を塞いで黙らせた。
そっくりなオレの分身を抱き寄せ、耳元に囁く。
〝重なってしまえば同じだよ〟と。





20150619
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※直接描写はほぼ無いのでR表記しませんでした…(*_*;

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「掠れた記憶」「囚人」「HELP」「陰夢」「カルマ」「特別な響き」「ミスター・ローズ」「袋小路の〝名探偵〟」「ルパン三世vs怪盗キッド」「羨望」「蹴撃」「リハビリ」「ホワイト・ラブ」「窮地」「閃光(改)」「逢いたくて」、さらにカテゴリ☆呪縛の各話、「ひとりごと」へも拍手いただきました。

★なな様、拍手ありがとうございます。コメントは再度同じ拍手ボタンを押すと追記できるようになってますー(^^)/

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