名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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Design by:タイムカプセル
 

迷惑な逢瀬(赤安&快斗)
※快斗くん視点
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おかしなところに出会(くわ)してしまった。

工藤の屋敷を訪れようと裏の抜け道をチャリで走ってたら、路駐してる赤い車の横で男二人が言い争っていたのだ。



なんでこんなトコにムスタング──。

あっ、あの二人! もしかして。

気付かない振りをしてスピードを落とさず通り過ぎよう──としたのだが、金髪の男の肩越しにニット帽の男とばっちり目が合ってしまった。

ヤバい。

なんで、と思う前に進路を塞がれていた。
道が狭い。ニット帽が一歩脚を踏み出しただけで、俺はチャリを減速せざるを得なかった。

「…すみません、通ります」

「君は」

振り向いた金髪にも〝俺〟だと認識されてしまった。
だから何でだよ。
金髪も横に動いて俺の行く手を阻んできやがった。

「あの~…コンニチハ。安室さんと、赤井さん…ですよね、確か」

「やあ。黒羽快斗くん、だったね」

赤井さんが穏やかに声をかけてきたと思ったら、それと反比例するように安室さんが眉間を寄せて俺を睨んでくる。だから、なんで。

「通って良いですか。あの、邪魔する気はないんで」

「邪魔? なんの邪魔だというんだい」

ああっ、地雷踏んだ?! ゆっくりした反駁だけど、声に熱が籠もってて安室さんが怖い!

「安室くん、黒羽くんに絡むのは良くないぞ」

そうだそうだ。

「彼を止めてこの場に引き込んだのはあなたでしょう!」

ヤメテ、俺を真ん中にしないでッ(@@)。

「少し冷静になりたまえ、零くん。第三者の前で君らしくもない」

「何が第三者だ。そういう人事みたいに話すあなたが僕は我慢できないんだ!」

俺の肩越しに安室さんが赤井さんに掴みかかる。そしたら今度は赤井さんが俺を縦にしてそれを凌ぐ。
おまえら! 痴話喧嘩の緩衝材に通りすがりの俺を使うんじゃねえ!!

間隙を縫って脱出しようとしたけど、これが出来ない。
赤井さんも安室さんもただ者じゃない。
いくら頭にきていても、人通りのない裏道と言えど、直接やり合うほどアホでもない。
だからって俺を巻き込むな~っ、ああっ、俺のチャリ!

ガチャン!と音がして俺の手から離れたチャリが路肩に横倒しになる。
大人げなさすぎだろアンタら!俺の大事なロードバイク、傷付いたら弁償させっぞ!

──と心の中で怒鳴ったが、二人とも無言で凄い速さで俺を間に挟んでジャブの応酬してる。勘弁してよ。俺に当たりそうだっての!なのにどう抜け出そうとしても二人の動きから逃れられない。

何なのこれ。なんのプレイなの?!
目が回るし!
無口になった二人の息遣いが早くなり、段々呼吸が合ってくるのが判ってますます俺はいい迷惑!!

ちょ、ホントにヤメテ!!!
二人だけでやってよ!!

「ちょっ、あんたたち…っ」

言いかけた俺の鼻先を安室さんのストレートが掠める。

「わあっ」

今度は赤井さんの左裏拳。その両方が俺の顔から数センチ、いや数ミリのところで交差して、俺は竦むしかない。
しゃがむ余裕もないのだ。マジで。
こんなことってある?



はあ、はあ、はあ。



ヘロヘロになってへたり込んだ俺の両腕を赤井さんと安室さん二人が掴んで立ち上がらせてくれた。

なんで。

さっきはあんな険悪な雰囲気だった安室さんが笑ってるし。

「零くん、それじゃまた」

「その名で呼ぶな、FBI」

赤井さんは声を出さずに横顔で笑い、赤のマスタングに乗り込んだ。
気障だけど、それがサマになってる。余裕ある大人の男って感じ。

何もしてないのに疲労困ぱいの俺は、漠然とだけど安室さんの苛立ちと赤井さんへの憧憬がなんとなく解る気がした。

「ありがとう。自転車。乗れるかい」

走り去る赤い車を最後まで目で追うことはせずに、エンジン音を聞きながら安室さんは俺に向き直った。

乗れるも何も。どうもこうもないだろ、アンタらホントにもうさあ。

文句をものすごく言いたかったが言えなかった。
安室さんがとても良い顔してたから。

好きなんだろうな、赤井さんが。
そしてそんな自分に時々苛立ちながら、それでもやっぱり大好きなんだろうな。

俺は文句を言うのを諦めた。

爽やかに手を振ってポアロの方角へ歩いていく安室さんと別れ、俺はチャリに飛び乗った。いや、飛び乗ろうとしたけどやっぱり疲労困ぱいしていてゆっくり跨ぐのがやっとだった。

工藤…。

工藤に会ったら今の二人のこと話そうか。痴話喧嘩に巻き込まれて、おかげでおまえんとこ来るのが遅れたって。

はあ~。

長いため息をついてから俺はやっとペダルを漕ぎ出した。

うまく説明できるかな。

出来そうにないな…。

働かない頭で考えながら、何でか俺は笑顔になっていた。

ものすごく迷惑だったけど。

何でかわかんないけど。

少しだけ幸せな気分になっていた。

ものすごく、疲れたけど。






20190331
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※またよく分からない話を書いてしまいました。スミマセン。脳内では本当は本当にヤバイ3ピーな話だったんですがこの時期快斗くんに無理させられないので大幅に簡略化しました。ナンチャッテ。失礼しました~(..;)!!

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「月光という名の真実」「加虐実験」「確率」「空耳」「噂の二人」「ルパン三世VS怪盗キッド」「拉致」「ハッピー・スウィート・ニュー・イヤー」「補食」「空耳」 「怪盗の落とし物《白馬編》」「拘束LOVE」「紺青の命運」「予夢」


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