ふぁざ*こん(新一×快斗)
カテゴリ ★デジャヴ
※軽め…というか、新一が壊れ気味ですスミマセン(汗)。
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目を疑う。
てか、悪夢だ。デジャヴだ。
ライトアップされた夜の公園の噴水広場で、見つめ合う見覚えある二人。
まさかよもやと思いながら推理を重ねて足跡を辿ってきたら…コレかよ!!!
「親父ぃ!! 快斗!!!」
「わ、びっくりしたぁ。工藤かよ」
「新一。やあ偶然だなぁ、こんな所で会うなんて」
偶然だぁあ?! ナニ言ってんだ、このオヤジ!
見たぞオレはっ。 快斗の両肩に手をのせて思いっ切りニヤケやがって。てめえの息子の恋人と、社会通念上まかり通る状況じゃねえだろが!!ムキーッ(>_<#)///
「よくもそんな白々しいことを…。オレを出し抜いて逢い引きなんて、親のくせして許せねーっ!!」
親父の鼻先にビシッと指を突き付け、まずは憤りを身内にぶつけた。
なのにキョトーーーンとして、二人して目をぱちぱちしながらオレを見返してやがる。チクショウ芝居がクセーんだよ!
いーから早く離れろテメエらっ!!
「新一、なにを誤解しているんだい。私はただ昔の友人のご子息である快斗くんに……」
「言い訳は聞きたくねえ! こんなとこで人目もはばからずに抱き合いやがって!」
「ばかを言いなさい、抱き合ってなんかいやしないだろう」
「へへーんだ」
「あっ!」
オレにあっかんべをした快斗が親父の腕に自分の腕を絡めてしがみつく。
「か、、快斗くん?!」
「優作さんは俺の〝心の恋人〟なんだ。おめーにとやかく言われたくないねっ」
「ぬっぬわにぃーっっ」
優作さん、だとおおお?!
オレが一歩踏み出すと同時に快斗がくるりと体を返した。
────ポン!と 音がして。
「あ…快斗くん!?」
パステルピンクの煙幕が上がり、快斗の姿だけが目の前から消えた。おおー、と遠目にオレたちの〝痴話喧嘩〟をチラ見していた他のカップルたちからどよめきが起こる。
「新一!」
「そこにいろよオヤジ! 逃げんなっ!!」
「すまないが、私はこれから最終便でロスに帰る」
くそ。敵前逃亡とはどこまでもきたねえっ! だが、もたもたしてたら快斗を本当に見失っちまう。
オレは親父にこれでもかと力一杯ガンを飛ばしつつ、快斗を追って走り出した。
「どこだ快斗、出てこいっ!」
あの場所からだったら逃げる方向はこっちしかない。過去最高と言っていいくらいの集中力でオレは怪盗を追いこんだ。
都会の死角〝人工の森〟。
姿を現せっ。
「快斗!!」
「────やれやれ。前にも言ったはずですよ、名探偵」
「か……怪盗キッド!?」
「男の嫉妬は見苦しいってね」
「て、てめ」
街灯の明かりが並ぶその高さに、キッドは立っていた。まるで空に浮くかのように、オレを見下ろして。
「どうして信じていただけないのでしょう? 私の心はとうに名探偵に捕らわれているというのに」
────ずきゅん!
シルクハットのつばを押さえた怪盗キッドの微笑みに、心臓ぐわしと掴まれる。
快斗のヤロー怪盗キッドになるなんて反則だぜっ。
「いまここで私の真の姿を現すことはできません。一足先に戻ってお待ちしていますよ、名探偵のお帰りを」
「キッド!!」
「それからもう一つ。私から名探偵にお返ししたい言葉があります」
「なんだっ」
「本当は……名探偵ご自身が〝ファザコン〟なのでは?」
「え…?」
ふわ、と浮き上がったキッドのマントがさっと翻る。
「あっ待て!!」
〝ポン! 〟 ・・・・消えた。
しーーーーーーーん。
くそっ。逃げられた。
なんだと?オレがファザコン?
ふざけんな!オメーに言われたかねえっ!!
いやいや落ち着け。その前だ。なんて言った? オレの帰りを待ってると……言ったよな、確か?!!
オレは再び走り出した。怪盗を捕まえるために。
何時間だって何十キロだって走ってやるさ。
捕まえて。逃げられないよう、これでもかと抱き締めて。抑えつけて。白状させてやる────おまえの心。
よおーしっ。
アレやってコレやって。
快斗め、泣いたって許さねえぜ。声が出せなくなるまで、おまえの弱いとこトコトン攻めてやっからな!!
・・うっ、やべ、鼻血でそ。
親父と快斗の絆。
負けるかよ。快斗は誰にも渡さねえ。たとえ相手が親父でも。親父がどんなに快斗に惹かれていても。
どんなに快斗が親父を求めていても────。
20120925
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※お粗末様です。これもひとつのいちゃラブの形とご理解ください。誰と誰がいちゃラブかって? エート、新一快斗ですイチオウ…(汗)。
入院中のベッドから隠れてup!! えいっ。
[12回]