名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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Design by:タイムカプセル
 

懐かしい手

――――――――――――――――――

快斗……ポーカーフェイスを忘れるな……。

(お父さん……?)


快斗――いい子だ。

……快斗は父さんの宝物だよ。お母さんと仲良くな……。
おまえは――私の――大事な―――

(待ってよ! お父さん、どこいくの? 行かないで!)

快斗……愛してる。
おまえの未来が光に溢れたものであるよう、父さんはいつも祈っている―――。


(行かないで! 行かないで!!)






お父さーん!!








・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ひさしぶりに見た親父の夢。

子供のままの自分が遠ざかる親父を追いかけてて、なのにちっとも前に進まなくて、親父の背中がどんどん小さくなって。

母さんと一緒にいる時は泣かなかったのに、一人でいる今は気持ちを抑える必要もなく、無性に涙がこぼれた。


このまえ工藤の父さんに会ったせいかな。
たぶん、そうだろう。


父さん。

俺……今ものすごく父さんに会いたいよ。
俺のマジック見てほしい。
俺のマジック見て、父さんにダメ出ししてもらって、もっと腕を磨きたい。

俺を抱き上げて膝に乗せてくれた父さんの手。頭を撫でてくれた父さんの手のひら。大きくて長い指が、ひらりと返されるたびに飴玉やオモチャが出てきたっけ。

父さん……。今なら、俺、少しは父さんに近付いて―――今なら、もっと父さんに……いろんな事を教えてもらえるのに。


会いたいよ。

父さんに俺の話聞いてほしい。



お父さん――――。













「おっはよー、快斗! あれ?どうしたの? 大きなマスクしちゃって!」

「……うっへーな。風邪だよ。昨日うたた寝ひちまって」

「バカは風邪ひかないはずなのにねぇ?! やーね、目も真っ赤じゃない! 熱は?」

「ねえよ。うっへーな」


なによぉ! 心配してやってんのに、このバカ快斗!


いつもの幼なじみの、いつもの元気な明るい声。夢から俺を連れ戻してくれる。

昨日は夜中勢いに任せて8年間分大泣きして、鼻かみまくってそのまま寝た。んで朝起きて鏡見たら目が腫れて瞼は三重になっちまい、鼻はテッシュでこすれてやっぱり真っ赤になっちまい、ヒデェ事になってた。

鼻はとりあえずマスクで隠したけど、目は学校行くのにサングラスするわけにもいかず、ヒドいツラのまま登校するはめになった。

幸い白馬はまたイギリスに戻ってていないし、工藤にも今週会う予定はないし。

今夜は親父のこと思い出すのやめよう。
また何年か経ったら、ゆっくり思い出すことにしよう……。


幼なじみにからかわれて歩きながら、俺は空を見上げて――またな、父さん――と、心の中で暫しの別れを親父に告げていた。







20120224


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