名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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トラベル/サイクル《2/2》(新一×快斗)

※引き続き快斗くん視点です。
――――――――――――――――――――――――

いきなりこんな高級ロードバイク買いやがって……と思ったけど、工藤のヤツさすがに飲み込みが早い。


ギクシャク踏み込んでたのは最初だけで、すぐに要領つかんで走り出した。ギアチェンジに多少もたつくけど、走ってるうちに馴れてくるだろう。

運動神経もいいし。やっぱただの知識オタクじゃない。
こいつ…なんでこんなに何でも出来ちゃうんだろ。
頭は切れるし洞察力はあるしイケメンだしカッコいいし、なんか悔しい。ステキすぎて。今日のスタイルもイケてる。工藤にしては珍しいカジュアルな七分丈のカーゴパンツだけど、似合ってる。

前をゆく工藤が振り向く。どきりとしながら、頷いて合図した。

コンビニの駐車場で何度目かの小休憩。
朝のスタート時は涼しいくらいだったけど、陽が高くなると暑い。こまめな水分補給と無理しないペース配分が大切だ。初めてのツーリングなんだし。ま、わざわざ言わなくても雑学全般物知りな名探偵に初歩的なことまで指南する必要ねーけど。

「快斗、目的地まであとどんくらい?」

「いま四分の一ってとこじゃねえか」

「ってことは、まだ九時間走んなきゃなんねーの?」

「混んでるとこ抜ければペースあげられるし、走りたいだけ走ったらそこが目的地ってことでいいさ。無理に設定したとこまで行かなくても」

おまえと一緒なら、目的地なんてどこでも───という言葉は胸にしまっておいた。つけあがるといけないし。

「なぁ快斗…」

「ん?」

「ケツいてえ」

「あ、もう?」

「一度降りて乗る時にイタい」

「あんま気になるようならパッド付きのサイクリングパンツ貸してやるよ。予備あるから」

「うん。まだいいけど…先長そうだからな。後で貸して」

「おう」



しばらく走ると信号の少ない開けた道に出た。ペースを少し上げる。
行きは高低差のある山道を避けてなるべく最短経路でとにかく海沿いに出るのが目標だ。後は適当。陽が落ちる前に立ち寄り湯でも見つけて入れればいいな。夕陽見ながら…風呂入れねえかな。そこが24時間営業なら、だらだらそこに泊まるんでもいいや。次の休憩でそういうとこないか調べよう。予約してるとこまで行こうと思えば行けるけど……。



「疲れた?」

「まだまだ」

「無理すんなよ」


お互い口数が少なくなってきた。
昼飯食って長めに休憩した後、さらにペースが上がってる。いい調子。意外と早く海沿いに出られそうだ。


工藤が片手を上げて合図する。

海だ。やった!


公園の木陰に停めて工藤と並んでゴロンと寝転んだ。青い海、最高。少し雲はあるけど晴れて良かった……。
やべ。目を閉じたら寝ちゃいそうだ。工藤も目を閉じてる。少しだけいいか。


ピピッ、ピピッ、と腕時計のアラーム音に気付いて目を開けた。16時ちょうど。

工藤がすぐ脇で目を閉じて寝てる。

いつになくカワイイ。ちょっと近づいて寝顔を覗き込んだ。

「………」

工藤の前髪を指でそっとかきあげた。

すうすう眠る静かな瞼にドキドキする。

…うーん、ちょっとチューしたいシチュエーションだけど。いま。ちょうど人目ないし。
うーん…工藤起きちゃうかな?

───そうっと、オデコにキスした。


「……………」

工藤が目を開けてる。げ。

「あっ、ごめ」

恥ずい。慌てて離れようとしたら、ガバッと抱き締められた。

「ば、ばかよせっ、人が通ったらどうすんだよ!」

「自分はチューしといてずるい」

「オデコにちょっとしただけだろっ」

「どーせならちゃんと唇にしてくれよ」

……もしかして、コイツ起きてた? 俺がチューすんの分かってた?
かああと顔が熱くなった。今日明日は普通にツーリングするだけのつもりだったのに、この展開はヤバい。マズい。

「夜さ」

「はっ?」

「ホテル泊まろうぜ。あるだろ、そーゆーとこ」

「な…なんだよ、そーゆーとこって」

「そーゆーとこだよ」

フ、と今日一番の不敵な笑みを浮かべて工藤が起き上がる。

「星空を見ながらってのも、悪くないけどな。そうする?」

「な…なにがだよ。知らねーよ! 行くぞ!」

「ああー、オレもうやりたくなっちゃった」

「アホ! 明日も今日と同じだけ走るんだぞ。体力温存しとけってんだ」

「ぜんっぜん大丈夫だよ、そんなの。試す?」

「バーロッよせっ」

「なんだよ、快斗が振ったんだろ」

立ち上がって逃げ出した。工藤が追ってくるけど、二人してふらつく。脚にきてるし。一緒に笑い出した。


帰りたくない。

そんな気持ちになって、少しだけ切なくなる。


夕焼けまで走ろう。海風を感じてのんびりと。なるようになる。
工藤と二人のツーリング。たっぷり楽しみたい。
きっと後で宝物になるから。
俺たちの、二人の旅だから───。








20120703


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※毎度な感じのオチにして切り上げちゃいましたスミマセン。ホントはチャリでの追跡劇とか夢想していたんですが、夢で終わってしまいました。いつかまた気力があればそんなのも書きたいです。・・・・ひー(@_@);




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