リベンジ《新一×快斗》R18
カテゴリ★ファーストステージ(付録)
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切なくて蕩(とろ)けそうな “ラブラブ” ラウンドの期待に内心ドキドキ最高潮だった俺に、高校生の姿に戻った名探偵はクールに言い放った。
「忘れてねえだろうな、快斗。今からおまえを抑えつけてひん剥いて鳴かせてやる。手ぇ出せ」
「え、な……?」
工藤の言う意味をちゃんと飲み込む前に、俺は右腕をむんずと掴まれ、ガチャンと手首に手錠を嵌められた。
「なっ、なにすんだよ! イテッ!」
ぐいっと引っ張られ、今度は背中越しにその腕を捻り上げられる。
「あっ」
そのままドンと押されて、顔からベッドに倒れ込んだ。まっさらなシーツのひんやり感にゾクリと体を竦ませる。
ガチャリ。
「!!」
よくわかんないけど、ベッドヘッドの端に金属の太い輪っかがあって、手錠の片方がその輪に繋がれていた。
「ばっ…、冗談やめろよ工藤!」
焦って怒鳴ると、横向きに捻った俺の腹に跨った工藤に上から見降ろされ、フフフと微笑まれた。
「───冗談なんか言うかよ。オレがどれだけこの時を待ってたか…。さんざん焦らせやがって」
穏やかに喋ってるが天井のライトを背にした工藤の威圧感が半端ない。
「え…あの…、待って工藤。お、俺だってホントはもっと、早く逢いに来たかった…、ヒッ」
襟足にそっと指を這わせられ、俺は蛇に睨まれたカエルみたいな声を漏らしてしまった。
「ああ。わかってるさ。だからこれは予定通りなんだ。おまえが早く来てようが、ヤることは決まってた」
(そんなぁ…!)
工藤の優しい笑みと、言ってる事のギャップに涙目になる。
さっきまで和気あいあいと飯食ったり片付けたりゲームしたりイチャつきながら一緒に風呂入ったりしてたのに。
俺がコナンくん(だった時の工藤)を抑えつけたのは、無茶ばかりするコナンくんが心配で頭にきたからだ。
確かにその時コナンくんに『憶えてろよ』と、言われた。
言われたけどさ〜。
手錠まで嵌めなくてもよくないですかぁ(泣)?
眩しい。
目を開けていられない。
「ああっ…!!」
これでもかと嬲られ、さんざん焦らされ、気が遠くなるような恥ずかしい姿勢を強いられて、俺は声を抑えることも出来ずにのたうち回っていた。
(んっ、ううん──っ)
深いキスに、声さえも奪われる。
繋がってる。指も、唇も。接した肌と肌がくっついて、熱く溶けてしまいそうだ。
時間制限無しの名探偵は、貪欲に、まるで何かの実験を施すかのように俺という被験者の全てを炙り出そうとしている。
みっともないほど激しく体が跳ね、何度も何度も達してしまう。
ああ、まただ…、また、くる。
さざ波のように震えが煽り、それがどんどん大きな津波になって、恐ろしいほどの勢いで押し寄せてくる。
たまらない。
熱い。
真っ白な閃光が弾け、チカチカと瞬いて暗くなった…と感じたのは気の所為で、気付けば高く腰を掲げられ、俺は再び工藤に貫かれるところだった。
(快斗)
工藤の声が聞こえる。
すぐそばで聞こえるのに、苦しくて返事ができない。
体の芯の奥の奥まで、憑かれたように衝かれ続ける。
悲鳴しか出ない。
俺、おかしくなっちまう。
一気に高みへ引っ張り上げられ、次の瞬間には一気に谷底まで突き落とされる。
自分が今どんな状態で、どのくらいの時間工藤に抱かれているのか、わけがわからない。
掠れた悲鳴に喉を鳴らすのがやっとだ。
熱い。
苦しい。
もどかしい。
切ない…。
工藤。
俺、おかしくなっちゃうよ。
もうおかしくなってるけど。
工藤だから、おかしくなれるんだからな。
工藤でなきゃ、だめなんだからな…。
工藤。
工藤…。
わかったよ…、わかってる……。
わかってるから。
くどう………。
暗い。
いつだ?
俺、目を開けてるよな…?
「………」
ハッとして体を竦ませた。
ベッドの上だ。シーツがかけられてる。
あんなに熱かったのに、汗はすっかり引いていた。
裸のままだけど、腕は自由になっている。
…そういえば、わりとすぐ手錠は外してくれたんだよな。
手錠なんてなくたって、俺すぐに動けなくなっちゃったし…。
(うわぁ……)
とんでもない自分の痴態の記憶が蘇りそうになり、ぎゅと目をつぶってひとまずそれを封印する。
「………くどう…?」
俺はマジで覚醒し、とっさに両手を左右に広げた。
工藤、どこだ?
工藤がいない。
「くどう…っ!」
部屋のドアが開く気配があって、俺は跳ね起きた。
いや、跳ね起きようとしたが、体が重くて怠くて首が少し持ち上がっただけだった。
「快斗、目が覚めたのか。そのまま横になってろ。体拭いてやる」
「………工藤。よかった」
「そんなに良かったか。だろう。お前が来るまで時間があったからな。色々調べたんだ」
ばか。何言ってんだこのドS探偵。
「ちげーよ。もしかしてまた小さくなっちゃったんじゃないかって…」
「ハハ。オレも目が覚めるといつもドキッとしてる。元に戻ったのがまた夢だったんじゃないかってさ。コナンだった時、いつも同じ夢みてたからな」
「………」
ベッド脇に膝を付いた工藤に前髪をくしゃっとされる。
「でもまあ、今夜はよくがんばったな快斗。次までにもっと研究しとくから」
(研究しなくていい!)と心の中で叫んだが、本当に怠くてしんどかったから俺は黙ってそのまま目を閉じた。
とりあえず今夜は乗り切ったのだと一安心して。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
で、リアルタイムなう、である。
「あのさ工藤、こないだは…ちょっと凄すぎたから、今日は軽めにお願いしたいんだけど…」
「ダメ」
「そんなぁ」
「しかたねーだろ。おまえが好きなんだから」
きたねえ。
真顔で目の前5センチの距離でフッと俺に吐息を吹きかけながらイケボで囁く名探偵。
かああと顔が熱くなって俺は飛び退った。
───この数秒後に邪魔が入るわけだが、それはまた別のお話。この(付録)はここまで。
言っとくが俺だってそうそうヤられっぱなしでいる気はない。
憶えてろよ、工藤。
次は俺からの逆リベンジだ!
20210724
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※付録、お粗末様でした(^_^;)。
快斗くんの逆リベンジはあるのでしょうか? …まあ、またやり返されるのがオチなんですが。だってこのブログ、新快なんで(笑)。
拍手コメント御礼
★名無し様 最後までお読みくださり感謝です!こちらこそありがとうございました(^o^)///
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