名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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約束(新一×快斗)

――――――――――――――――――

寝苦しくて目が覚めた。

殴打された頬の傷が痛んだせいかもしれない。


「…………」


床に映る動く影に気付いて窓の外を見た。

不思議なことに、こんな真夜中に誰かがベランダに――ベランダの手摺の上に立っていた。

緩やかに舞うマントと、シルクハットのシルエット。

俺はベッドから起き上がり、ゆっくりと窓際に近づいて――窓を開けた。




高い位置から見下ろすように〝怪盗〟が俺を振り返る。


「いつからそこにいる? 俺の血を吸いに来た――ドラキュラかと思ったぜ」

そう声をかけると、フ、と口元だけで笑った怪盗は俺の目の前に飛び降りた。膝を着き、今度はかしずくように俺を見上げる。

「いいえ。私はただの〝魔法使い〟ですよ…名探偵。こちらにお訪ねしたものの家主がすでにおやすみでしたので、お声をかけず立ち去るべきか思案していたところです」

「なら――起きたぜ。わざわざ来たわけを言えよ。いや…その前に」

俺は怪盗を手招いた。

「中に入れ」

「……遠慮しましょう。今夜はゆっくりお休みください。私はやはり出直すことにいたします」

「キッド」

立ち上がり背を向けようとするキッドの腕を掴んで引き寄せた。

「用があって来たんだろ。言えよ」

僅かに眉をひそめた怪盗が躊躇いがちに息を付く。

「――では」

ポン!と音がして〝魔法使い〟の手元からキラキラと細かな星が散る。
いつの間にか真っ赤な薔薇の花束が俺の前に差し出されていた。

「何だ……コレ」

「お詫びと――お見舞いです。私が至らず名探偵に無用なお怪我をさせてしまいましたので」

「…………気障だな」

「どうも。それから――お願いが一つ」

「なんだ」

「もし……この先、私に何かあっても決して私を探したり」

「快斗」

「違います」

「違わねえ!」

「聞いて下さい、名探偵。私は真剣にお願いしているのです」

「きけない」

「私を」

「フザケんなっ。つまんねー事言うなら許さねえ」

振り上げた俺の手がシルクハットのつばを弾き、キッドの頭からこぼれ落ちた。

快斗の髪が、ふわ、と揺れてモノクル越しにその瞳が瞬く。

「……名探偵。私のために危険を冒すような真似はしないで下さい。二度と。どうか今ここで約束を」

「約束する。文句ないだろ」

「…………」

「キッドのためじゃない。快斗。俺は俺の意志で動く。おまえと同じさ。わかるだろ」

「………工藤」

「二度と離さない。だから二度と離れんな。わかったかクソッタレ。いいか。二度と――」


花束が足元に落ちる。

薔薇の香りが匂いたった。




二度と、おまえを失ってたまるか。




俺は自分自身にそう呟いて――キッドを、快斗を――逃がさぬよう抱き締め腕に閉じ込めた。







20120221


――――――――――――――――――


※2月14~16日アップ『街角の錯覚』の続きの内容になっています。そして過去もろもろアップしたいくつかのお話の流れに沿っております。説明不足でスミマセン。
自己満足的に続いている話と、単発の話etc. 入り乱れてアップしてますので毎度わかりにくくて申し訳ないです…。(*_*;

※窓の外に立つキッド様のイメージは、いわずもがな『世紀末の魔術師』オープニングの歩美ちゃん&キッド様の名Loveシーンから引用しております♪ ご理解ご容赦下さい~(^^;)。


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