名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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噂の二人《翌日編》(白馬×快斗)

※2月2日アップ/白快カテゴリ『噂の二人』の続きです。

――――――――――――――――――


ああー学校行きたくねえ。

もーゼッタイ行きたくねぇ。


絶対冷やかされる。絶対からかわれる。絶対みんなから後ろ指さされてヒソヒソしながら笑われる~っ。
全部白馬のせいだーーっ!!!



……と思ってから、この状況は白馬のせいだけではなく自分にも原因があるのだと反省し、俺は重い足を引きずって仕方なく登校した。

行かないと千影さんに怒られるし、小遣いもらえなくなる。それに怪盗の『隠れみの』に現役学生であるという事実はかなり有効だ。
なにより……俺は学校好きなんだ。学校に行って過ごすと本来の――元々の自分に戻れる。
怪盗として二重生活をおくるようになってなおさら。
自分を見失いそうになる事があっても、学校に行けば普通の高校生に……自分が自分に戻れる気がするから。
だから学校には行きたい。

行きたいけど――教室で、みんなの目の前で白馬にキスされて……昨日の今日だぜ。
やっぱ今日はやだっ。
マジで行くのやだよ~~っ。


登校ピーク時間を避けて、すげぇ俯いて正門を通り抜け、遅刻ギリギリで教室に入った。

ざわざわ。先生が来る前のいつもの教室。

おはよ、快斗! おせーぞ。

黒羽くんオハヨー!

なぁにやってんのよ快斗! 遅いから寝坊したんじゃないかと思ったわよ!!

あ………、ああ…。


ダチやクラスメートの女子たち、それに隣の席の幼なじみに声をかけられる。

―― ? あれ?

なんか………ヘン。

なんか……いつもと同じ朝。

別に誰もこっち見て笑ったりしないし、ダチどももなんも言ってこない。

………………?

あれ? 俺って……自意識過剰?

あんな騒ぎだったのに……。


席について、離れた席の白馬に目をやる。

いたっていつも通りに座ってる。
本を持つ白馬の手。長い指先。――俺って指先フェチかな。白馬の指はスッと長くて爪もちょうどいい長さにそろえられてて、滑らかで本当に綺麗だ。
あの指に惚れちゃったんだよなァ……、性格はともかく。
白馬が振り向きそうになったので慌てて視線を逸らした。

先生が来て短いHRが終わり、すぐ授業が始まった。





放課後。

誰もいない屋上で俺は頭を冷やしてた。

一日問題なく過ごせた。誰からも何もからかわれたり笑われたりする事なく、平和だった。ちょっと居眠りして先生に本で叩かれたくらい。

俺、なにあんなにびびってたんだろ。アホだな。


「!」

目隠しされた。白馬。でも声に出せない。てか、後ろから近付かれる気配に気付かないなんて、こんな調子じゃ〝仕事〟に影響する。


「冷たいですね、黒羽くん。今日はとうとう一度も声をかけてくれないばかりか、目も合わせてくれませんでした」

「…離れろって!」

「ふふ。顔が赤いですよ。そんなだから噂されるんです」

赤いと言われてますます顔が熱くなる。やべぇ。俺どーかしてる。ドキドキ具合が昨日までの比じゃねぇ。

にこにこと俺を見つめる白馬の視線を真横に感じて汗までかいてしまう。
落ち着け俺。こんな野郎に心臓バクバクして何やってんだ。

「……今日は学校来ないのかと思いましたよ。朝遅かったから」

「誰のせいだよ。てめーがあんな事すっから、すんげぇ来んのやだったんだ」

「だから皆にはちゃんとお願いしましたよ、昨日」

「え?」

「黒羽くんはとてもシャイなので――どうかそっとして……温かく僕らを見守っていてほしいと」

「ハァ?」

相変わらず俺を見て穏やかに微笑んでいる白馬。
やめとこう。コイツに何言っても無駄だ。俺は短く『アッソウ』とだけ返事した。はあ。


「週末、家に来て下さい。両親は朝から二人ともいないので」

「しばらく白馬ん家には行かない」

「えっ、なぜです」

なぜって。言わせんのかよ。

「……言えない」

「どうしてですか? なにか用事でもあるのですか」

「べつに……そーじゃねぇけど」

「なら来て下さい。取り寄せの期間限定ショコラと、知人のパティシエの新作スイーツを用意しておきますよ」

「え……」ごくん。
イヤイヤ、釣られてどうする。食いたいけど。

「それは……食べたいけど、まだ行けない」

「どういう意味ですか」

だって、行ったら。また二人きりになったら。

「…………から」

「聞き取れませんよ、なんですか? もう一度」

白馬が屈んで耳を寄せてくる。まったくもう。

「だからっ、つぎに白馬ん家行く時は……覚悟……できてから」

白馬が無言で俺を見つめる。

至近距離だ。俺はすぐさま言ったことを後悔した。熱出て死にそう。


本当ですか、と白馬が囁いた。そっぽ向いた俺を背中から抱き締めて。

それはいつですか。今週末ではないのですか、と立て続けに訊いてくる。

わかんねーよっ! と俺は大声で叫んだ。背中に白馬の息吹を感じながら。
空に向かって叫んだ。






20120222



――――――――――――――――――


あとがき+
意外と学園モンぽくて白快楽しいです、書いてて。えへ。

拍手からコメントくださった方、ありがとうございました~!
私も同じ気持ちです! なので基本は『自分で読みたい』お話はどんなかな~と思い浮かべるところからスタートしてます……書き出す時に。よろしければ今後ともお付き合い下さいませ。(*^^*) m(_ _)m


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