名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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頭痛(新一×快斗)R18

※いわゆる甘イチャです……。
――――――――――――――――――

背中から抱き締めると、快斗が大きく頭(かぶり)を振った。


「や…だ、くど…っ……!」

「――だいじょうぶ」

後背位のまま抱き起こし、ベッドに座り込む。

「アアッ!」

「快斗……」

熱を持って震える肩に口付けた。


快斗が特に後ろから抱かれることに抵抗を覚えるらしいと気付いたのは最近だ。
繋がっているのは紛うこと無くオレであると――わかっている筈なのに。
それでも。

「ア……やっ、あ!」

「快斗」

耳元で名を呼ぶ。何度も。それでも、体がどんどん竦んでゆく。

「あ………た……たす、け」

「え…?」

大きく震えたかと思うと、快斗はガクリと前のめりにうなだれた。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・



―――アタマが痛い。首筋も。

がんがんと痛んで、堪えられなくて目が覚めた。
酷く――痛む。横になっていても。

「気が付いたかよ。無理させて悪かった」

「……工藤」

トレーを持ったバスローブ姿の工藤が部屋に入ってきた。

そうだ、俺……さっきまで…工藤と抱き合ってたんだ。
もしかして――その最中に気を失ったのか?

カッと熱くなると、さらにズキズキと頭が痛んだ。額を手で押さえて呻く。

「いてえ……」

「やっぱり頭痛? 薬と水持ってきた。飲めよ」

「俺……なんか、言った?」

「いや。痛い痛いって頭押さえてたから」



――気を失う前に、快斗は〝たすけて〟と言った。おそらく無意識だったのだろう。言わないでおいた。

「ううー、マジ痛てえ。こんなヒデエ頭痛ひさしぶりだ」

「風邪か?」

「うーん、いや。アタマ痛いだけ。首もいてえ」

「偏頭痛かよ」

そうなのかなぁ?と快斗は首を傾げた。差し出した錠剤を素直に飲んでふうと息を吐く。

「……シャワー浴びたの?」

「まだ」

「浴びていい?」

「一緒に浴びようぜ」

「えーっ」

「なんだよ、えーって」

快斗が普段の快斗に戻ったので、安心してオレも軽口で応えた。







シャワーに打たれながらキスして、それから一緒にバスタブに浸かって快斗の首筋を揉んでやった。

「……サンキュ。いくらか治まってきたかも」

「体調わるいならそう言えよな」

「言ったって聞く耳もたねーくせに」

「そんなことねーよ」

快斗の胸に腕を回して抱き締める。
……今は、なんともないようだ。

「快斗」

「ん?」

「好きだぜ」

「…………」

「なんとか言えよ」

「ハズカシいヤツ」

「違うだろ。返事しろよ、ちゃんと」

「ばぁーか。言えっかよ」

「言えよ、おまえはどうなんだよ」

「ばか。ゼッタイ言わねー」

「なんでだよ。ちゃんと聞きたい」

「前に言っただろ」

「聞いてねぇ」

「口ばっかのヤローとちげーんだよ。次は10年後に言ってやる」

「本当かよ? 10年後まじで待ってるからな」

やった。こんなセリフを引き出せるなんて、収穫だ。
オレは本気で嬉しくなって快斗をぎゅうぎゅう抱き締めながら体を左右に振った。バスタブから湯がバチャバチャと音をたててこぼれ落ちる。

はしゃいでんじゃねーよ、ばぁーか、と言ってる快斗は、多分真っ赤になっている。

少しずつ。少しずつ。

こんな時を重ねて、いずれ快斗の記憶を俺だけで埋め尽くしたい。そう願いながら。

何度もキスして、二人してただそうしてくっついていた。
温かな湯気に包まれて――。







20120325


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