名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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小さな恋の物語《そんな気分の巻》(コナン&キッド)

――――――――――――――――――

小さくても心はオトナの名探偵は、いつしか俺に懐き始めた。

例の〝飛行船事件〟で、距離が近付いたんだ。まぁ、生死を共にした仲というか。

そして〝竜馬のお宝返却事件〟の時に俺が少々身の上を打ち明けたことで、さらに秘密を分け合う仲――というような雰囲気になった。

で……何故か今、離れがたい気持ちを抑えられずにこうしている。変装を解いた黒羽快斗の姿で、ちっさな名探偵をおんぶして――歩いてる。
のどかな陽和の休日の午後、だだっ広い公園の散策路を。

「なぁ…コソドロ、オレんとこの小学校、来週父兄参観日なんだ。テキトーに変装してオレの親のふりして見に来ねー?」

「そだなー、行ってもいいけど、後々面倒なことになんねーかな?」

「うーん、だめか……」

おんぶしてると耳元に名探偵の小さな顔があって話しやすい。
並んで歩くと歩幅が違うし、名探偵は上を向いて、俺は下を向きながらの会話になってお互い疲れるので、この方が楽なのだ。スキンシップもとれるし。

「あとさぁ、そのコソドロって呼び方やめねぇ? イロケなさすぎ」

「じゃあ……名前教えろよ」

「うー、そうだな。カイト兄ちゃんでどうだ」

「カイト?」

「そ。〝怪盗〟だから」

――なんだかもう正体バラしてもいいような気分だが、とりあえず微妙に濁した感じにしておく。

「俺は名探偵をなんて呼ぼうかな。やっぱりコナンくんかな?」

「……くどう」

「えっ?」

「工藤、って呼べよ」

「…………」

俺の肩に置かれた小さな掌の、その細い指先にギュッと力が入る。

――なんか……なんだか告られてるような気分だ。
背中がぽっぽと熱い。ドキドキしてるのは俺なのか、名探偵の方なのか。

「……じゃ、工藤って呼ぶぜ?」

「いいぜ。カイト」

「カイト兄ちゃん、って言ってんだろ。工藤」

〝工藤〟と名を呼ぶと、俺の耳元の名探偵が小さく息を吐いて微笑んだ。……いや、微笑んだ様子が伝わってくる。

最初はおんぶされるのを嫌がっていたのが嘘のように、いまは俺の背中にすっかり体を預けている名探偵。その息吹を感じて、俺も相当和んでいた。

離れがたい。

―――まぁ、たまには立場を超えて、こんな暢気なデートを楽しむのもいいよな。
 次に対するときには、おそらくまた〝名探偵〟と〝怪盗〟だけど……。その前にもう一回くらいデートできるかな?

まだ陽は高い。あと小一時間は散歩デートを続けられるかな。
あの売店でアイスでも買って。並んでベンチで食おう。

プラトニックなドキドキを、もうしばらく楽しみたい。今日はそんな気分なんだ。





20120323


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