名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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欠けたクローバー(新一×快斗)
カテゴリ★闇に棲む蜘蛛

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頼まれていた毛利探偵事務所の手伝いを終え、日が暮れてから家に戻った。

玄関の鍵を開けて中に入る。微かな気配に気がついた。


シャワーの音。快斗だ……。
俺はホッと胸をなで下ろした。

快斗と連絡がとれなくなって三日目。今夜も連絡がとれないままだったら白馬に電話して様子を聞いてみようとまで思っていた。


これまでにも連絡がとれなくなることは何度もあった。三日どころか一週間、十日以上音沙汰がなかったこともある。
心配する俺を快斗はそのたび迷惑そうな顔で一蹴し、言い合いしたり、時には掴み合いの喧嘩になったりした。

それでも今回は何故だか無性に胸騒ぎがして――厭な予感に苛まれて過ごしていた。

少し前、明け方快斗が家で俺を待っていたことがあった。
こわばるように…不安げな顔をして。戻った俺の肩にしがみつくように顔を埋め、何度も深く息をした。

その時の快斗が胸に引っかかっていた。何でもないように振る舞っていたが、まるで恐ろしい目に遭った子供のように青ざめ、怯えているように見えたのだ。

〝怪盗キッド〟をあれほど怯えさせたものとは、いったい何だったのだろう……。


バスルームの脱衣所を覗いてギクリとして立ち止まる。キッドの白い衣装が乱雑に脱ぎ捨てられていた。

頭の中で鼓動が大きくなるのを感じる。
シルクハットやモノクルまでが投げ落とされたように床に転がっていた。

「……」

とてつもない違和感を覚え、目が一点に引き付けられる。
鼓動が内から耳を打つ。
落ちているモノクルを拾い上げた。


クローバーが……。


飾りのクローバーが、きれいに半分欠け落ちていた。


さっきから止まないシャワーの音。

「快斗!」

バスルームのドアを開けると、むっとする熱い湯煙が充満していた。その中に、膝を抱えて座り込み、シャワーに打たれ続ける快斗がいた。

「なにやってんだ…快斗!」

シャワーを止めようとして手を伸ばし、その熱さに驚く。見ると快斗の肩が真っ赤だった。慌てて栓を捻った。

「快斗、おいっ!」

肩を掴んで揺さぶる。うなだれ、濡れた巻き毛を額に貼り付かせた快斗がようやく反応する。

「……あ、おかえり」

「お帰りじゃねえっ、どうしたんだ!」

「ああ……ごめん。勝手に入って。シャワー、浴びたくて……」

半分朦朧としている。快斗の明らかな異変に俺も冷静さを失いそうになる。

「しっかりしろ、快斗。いつからこうしてたんだ」

またガクリと首(こうべ)を落とす。くぐもった快斗の声がバスルームに響いた。

「少し…まえ。暗くなってから。明るいと……キッドのかっこで近寄れないから」

「何があったんだよ」

「……こわく、て」

「何が…?!」

「独りに…なるのが。こわくて…ここに着た。みっともねーな……」

「ちゃんと話せ! 何があったんだよ」

「……なにも。なにもないよ」

「快斗…!」

バスルームの床の上に膝を着いて快斗を胸に抱き寄せた。

くたりと完全に力の抜けた快斗は無防備で俺に体を預けて目を閉じていた。意識を失ったかのようにぴくりとも動かなくなった裸の快斗を、どうすることもできずに俺はただ抱き締めていた。





20120504


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あとがき(いいわけ)
設定も続きもナイとか言っといてまたまた思い付きで『カテゴリ★闇に棲む蜘蛛』/『虚空』の後の場面を書いてしまいました~。
しかし肝腎のキッド様の怖れる敵である〝蜘蛛〟が私にとっても謎のままなので(←ズルい)、相変わらず書きたい場面だけ書いて、書き逃げです。スミマセンー(+_+);


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