名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
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連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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☆2012-2013冬の白快SP☆
陰夢《1/2》(白馬×キッド)
※TVアニメ版スパイダー登場回『華麗なるライバル達』のダーク系妄想パラレル白Kです…。
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〝おまえに特別な獲物を与えてやろう、白馬探よ〟


E美術館の屋上に走り出た僕の視界に、三つの赤い光が飛び込んできた。
赤い光は蠢くように不気味に瞬いた。

見てはいけない────!

だが遅かった。 顔を背けた時、すでに僕の世界は一変していた。
低く弄ぶような哄い声が僕の脳髄を震わせる。


〝獲物はすぐそこに捕らえてある。きっとおまえの気に入るだろう…。思うまま貪るがよい〟


心を犯す夢魔の囁き。
ふらりと踏み出した僕の足に、深い草の感覚までがリアルに纏わりついていた。









──── こんなもの。
惑されるな。これは現実ではない。スバイダーが操る〝悪夢〟だ。

巨大な巣に捕らわれてもがく俺に、耳障りな哄い声が響く。


〝怪盗キッド、ようこそ…私の悪夢へ〟


「おまえが…スパイダーか!」

果てなく広がる魔界の草原。
暗い空にふわりと浮いたスパイダーは、三つの赤い目で俺を見下ろしていた。酷薄な唇を歪め、愉しげに哄いながら。

焦りと屈辱に意識が灼かれる。 奴の罠だと判っていても、捕らわれた体は絲に絡んで動かせない。


〝この毒針でおまえの心臓をじわりじわりと刺し貫くのも一興だが、今宵は特別に趣向を凝らしてやろう〟


スパイダーが指を鳴らす。

何かが迫っている。早く…、早く呪縛を解かなければ…!


〝無粋な邪魔は入らぬようにしてある。私の隷(しもべ)と共に、命尽きる前の最後の愉悦を心ゆくまで堪能するがよい────〟


〝アデュー〟という囁きと哄笑が耳にこだまし、スパイダーの姿はグニャリと歪んで空に消えていった。


(くそっ…! )

なんだ? ヤツは何を言っていたんだ。
スパイダーの隷って……。

ハッとして息を飲む。

背後に誰かが────
俺の背に、触れる者がいる。
スパイダーの〝隷〟の出現に、ゾッとして肌が粟立つ。

何者かまるで判らない曖昧な気配…。

恐る恐る振り向いた。




「……は…白馬…?」


そこにいたのは、表情を無くし瞳だけを硬く輝かせて、俺を喰らおうと見詰めている白馬探だった。






陰夢《2/2》へつづく

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※ダーク系ですが、そんな極端な展開にはならない予定(汗)。

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