名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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噂の二人 partII《1/2》
カテゴリ☆白馬×快斗

※白快両想いバージョン『噂の二人』前二回の続編です。今度は白馬くん視点での甘イチャが目標なんですが、上手くいくかどうか…(^_^;)?

――――――――――――――――――

気長に待つしかないのだろうか、と思い始めていたら、『次に白馬ん家に行く時は決心して行く』と本人が言い出した。


本人――僕の大切な恋人。クラスメートであり、宿敵〝怪盗キッド〟でもある――黒羽快斗が。

そう言われたら僕も毎日が気が気ではなくなった。彼が…黒羽がいつどのタイミングで僕を受け入れる決意をしてくれるのか。

僕としたことがぼんやり黒羽の素顔を思い浮かべて歩いていて階段でコケたり、化学の実験中にビーカーを落として割ってしまったり、他にもいろいろと――周囲から挙動不審に見られることしきりになってしまった。

原因である〝本人〟の黒羽が誰よりも一番ケケケと皆の先頭で僕を笑っているのだから始末に負えない。未必の故意という言葉がこの場合に当てはまるか分からないが、わざとではないにしろ、黒羽は自分がどれだけ僕に対して罪深い態度をとっているか解っていない。
とにかくあまりこの状態が続くのは好ましくない。定期テストも迫っていることだし、学生としての本分が疎かになってしまっている。

というわけで、僕は僕なりに理由を付け、黒羽の決心を促すよう働きかけることにした。



「黒羽くん、い……」

一緒に帰りましょう、と言葉にする前に、黒羽はチラッと僕を見て逃げ出した。くそう。これで三日連続だ。走って逃げられたら追い付けない。かわいさ余ってナントカとはこの事だ。しかし今日は逃がしませんよ!

「お、快斗、なに急いでんだ」

「わっ…なんだよ、おまえら!」

黒羽がクラスの悪友たちに取り囲まれて廊下で立ち止まっている。
ふふふ。今日は僕の勝ちです。

「皆さん、ご協力ありがとう」

「礼には及ばないぜ、白馬」

「うちのクラス自慢のベストカップルだかんな。いつでも協力するって!」

「末永くシアワセにな! 快斗」

黒羽が顔を赤くして怒鳴る。

「チキショッ、てめえら俺を売ったなっ!!」

人聞きワルイなぁ~快斗くん。ボランティアに決まってるだろ!
困ってる人見たら助けなさいってセンセにいつも言われてんじゃん。
そうそう。そんじゃお二人さん、仲良く帰れよ。また明日~! ――と、手を振りながら僕に協力してくれた悪友たちが去ってゆく。

後には僕と、僕に捕獲された黒羽の二人が残された。

「さぁて…どうしますか黒羽くん。まだ逃げるつもりならこの手は」

しっかりと指を絡めて黒羽の手を握り締める。観念するよう目で言い聞かせて。
ぷーと少し頬を膨らませた黒羽だったが、ふうと息を吐くと『わかったよ』と言って僕の手を振りほどいた。





「君がいけないのですよ。思わせぶりなことを言って僕を焦らせて」

「べつに、焦らせてなんか……」

校門を出て僕の自宅でも黒羽の自宅でもない方向へ並んで歩きながら、つい黒羽を責める言葉が出てしまった。すると黒羽の声が急に小さくなった。多少は本人も自覚があるのだろう。
しかし僕としてはこのところ続いた鬱憤のせいで、さらにもう少し黒羽を困らせたい気分になる。

「僕は君と恋人同士だと思っているのですが、違ったんでしょうか」

「…………」

「君はこのところ僕と二人になるのをずっと避けていたでしょう」

「…………」

「黒羽くん」

「……ごめん」

俯いたまま睫毛を伏せ呟くように謝罪の言葉を発した〝恋人〟を、僕は我ながら甘いと思いつつもすぐさま赦す気持ちになってしまう。あまりに愛おしくて。

「黒羽くん、いつ僕の家に来てくれますか」

「え……」

「僕は――君を待つ努力をするつもりでいましたが、しかし情け無いがたいしてもちそうにありません」

「……」

「このままでは遠からず僕は自分を抑えられなくなるでしょう。僕は、君を」

この腕に捕らえ、抱き締めたい。
頬を寄せ、その唇を… 温もりをゆっくりと味わい、慈しみたい……。
もう何度、夢に見たことか。

「こないだ…言ったろ」

「その決心は、いったいいつつく予定なのですか」

「だから…わかんねぇって……」

「黒羽くん。君が好きです」

「…………」

黒羽が立ち止まる。
その横顔が逡巡しているのが分かる。もう一押し。

「黒羽くん、僕は君を誰にも渡したくない。誰よりも君を」

「わかったよ!」

「…分かった、とは?」

「行くよ。俺だって……白馬を」

「僕を、何です?」

横顔の黒羽の頬が紅潮する。

「今夜、行くから。そしたら……ちゃんと言う!」

それだけ言い、黒羽はダッシュで駆け出した。立ち尽くす僕を残して。
だが。

――確かに…いま、『今夜行く』と言った。


本当ですか、黒羽くん。
この場を逃れるためだけに嘘をつくような君ではないですよね。

待っていますよ、今夜。

君が僕の部屋を訪れてくれるのを。
僕は、待っています……。






噂の二人 partII《2/2》へつづく

――――――――――――――――――


う…(*_*; 原作ファンの方スミマセン。青子ちゃん可愛くて私も好きなんですが、このブログの性質上、今回に限らず女の子は極力出さない方向で書いております(汗)。
ご了承ください~m(_ _)m。

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