名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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練習試合(白馬×快斗)
カテゴリ☆噂の二人

※白快両想いバージョン『噂の二人』〝成就〟直前、白馬くん視点編。
こんな時によもやの工藤くん登場です(@_@)。

――――――――――――――――――

僕が様子を見に学校を訪れると、サッカー部の練習試合はすでに始まっていた。

校庭を走る我が江古高のサッカー部員たち。そして試合の相手は…〝TEITAN〟…帝丹高校。 

帝丹、だって?

僕は慌てて門から校庭に入った。

ボールを奪い合って右へ左へと駆けまわり、交錯し、遠く蹴り出されるボールを追ってまた散る選手達。
スローインのボールがパスで回る。ドリブルで支配、またパスを繋ぐ。黒羽だ。上手い。身体を返してボールをコントロールし、奪いにかかる帝丹の選手と競り合っている。

あれは……黒羽と競っているのは、もしかしたら工藤か?
サッカー選手としても注目され始めている、あれが噂の高校生探偵、工藤新一なのか。

サッカーはさほど詳しくない僕だが、今日のこのゲームが注目を集めていることはよく分かった。土曜昼間の練習試合というのに見物人が多く、サッカー部以外の生徒たちも応援に集まっている。部員の親たちはもちろん、通りすがりかもしれないが学校とは関係なそうな大人たちの姿や、どうやら他校のサッカー部員たちと思われる一団も校庭奥から観戦していた。

ワア、と歓声が起こる。
黒羽が工藤を振りきって抜け出した。駆け出す黒羽に工藤が追いすがる。工藤もなかなか脚が速い。あの黒羽が振り切れずに手こずっている。パス。うちのチャンスだ。ゴール前でボールがはねる。ホイッスル。

フォワードのフリーキックで江古高に先制点が入った。


どうやら黒羽と工藤は互いをマークしあっているようだ。競り合う場面が続く。抜け出た方にチャンスがひろがる。見ていると自然に手に汗を握ってきた。負けるな、黒羽。そんなヤツ一気に抜き去ってやれ――!

ピンチ回避でディフェンダーから蹴り出されたボールが転がって僕の近くにきた。手前の見物人が拾って選手にボールを返している。

……黒羽がこっちを見ている。

目が合ったような気がするが、黒羽はすぐにボールを追って背を向けた。

あぶない!

また工藤だ。黒羽と二人してグラウンドに転がる。砂煙が舞った。ちゃんとした競技場ならピッチは芝で普通に転んだくらいではさほど怪我もないだろうが、学校の校庭ではそうもいかない。近くの選手や審判役のOBらしき男性が二人の様子を確認している。

二人ともすぐ起きあがれずに顔を歪めている。長いホイッスルが鳴った。





試合終了。

ゲームの余韻が残る校庭を背に、僕はその場を離れて歩き出した。

試合は2-1で帝丹の逆転勝ちだった。黒羽も工藤もフル出場したが、途中転んでからは二人ともに動きが鈍り、特に黒羽は体力を消耗したのか終盤は肩で息をしてかなり苦しそうだった。何度も汗を拭い、目を細めて立ち止まりそうになる場面もあった。

まだ陽は高い。

……果たして黒羽は本当に今夜僕の部屋を訪れるだろうか。

僕は歩きながら黒羽の横顔を思い出していた。
ゲームオーバーと同時に走り寄った工藤に肩を叩かれ、振り向いた黒羽は工藤と言葉を交わしながら握手をし、頷いていた。悔しそうだった黒羽の表情が、その瞬間ふと和らぎ、明るく笑ったのが見えた。


近付く夕刻を感じさせる風を体に受けながら、僕はひとり、歩いた。







20120519


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