名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

ブログ内検索
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 13
15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
カウンター
プロフィール
HN:
ronin
性別:
女性
自己紹介:
2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
 

光の矢《1/2》(白快前提 新一→快斗)
カテゴリ☆噂の二人《3》
※2011.10.13に新快カテゴリでupの『If《2》』と、内容が少々パラレルってます…参考までに~(*_*;
────────────────────────────────

「紅子ちゃん、なに窓の外見てるの?」

「あら中森さん。ふふ…、もうすぐ〝光の魔神〟が現れるわ。それを待っているの」


「ひかりの…?? 何それ」

「〝黒翼の天馬〟を矢で射ち、その身を裂くことが出来る唯一の存在よ」

「てんま?」

「翼を持つ馬、ペガサスの事。……まあ、手っ取り早く〝噂の二人〟って言ってしまえば分かり易いかしら」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なんだか外がうるさい。ワーワーキャーキャー聞こえてくる。

ちぇっ。いい感じで寝てたのに……目が覚めちまった。仕方ねー、もう帰ろ。
ふわぁと、自分の席で伸びをして、オレは立ち上がった。

白馬の席をチラッと見る。いない。もう帰ったのかな? アゲイン(※再テストのこと)大丈夫だったかな。あんだけ言っといたんだし……ま、いっか。俺ももう帰ろっと。

鞄を持ったところに、ドタドタと廊下を走ってくる慌ただしい足音が聞こえた。

「快斗ぉーー!!」

「なんでぇ、青子かよ」

「たいへんよ!正門のところに帝丹高校の工藤新一が来てるの!ホラあの高校生探偵の!!」

「えっ」

ぎくりとする。工藤が?

七里ヶ浜でバッタリ工藤と出くわしたのは一昨日のことだ。

「そんじゃーこの騒ぎ……」

「工藤くんステキーなんて女子が集まっちゃって大騒ぎ!正門が今すごいことになってるのよー♪」

そういう青子も興奮気味だ。なんかちょっと面白くない。

「高校生探偵が江古高になんの用だよ」

「それがさ、快斗に会いたいって言ってるんだって! 白雪姫を観たらしいよ!すごいじゃん快斗! 魔性のオンナだね! 」

フザケンナ。誰が魔性で、誰がオンナだよ!!

「快斗、どこ行くの?!」

「帰る」

「まさか裏門からフケる気?!」

「人聞き悪りぃな。だいたいちょっと有名人だからって騒ぎすぎなんだよ。こっちは別に用ねえし」

「ねえ快斗……」

「なんだよ」

「快斗は、もし工藤くんに交際申し込まれたらどうする?」

「・・・ハア!?☆☆;;」

青子がキャハッと笑う。

「紅子ちゃんの占いでね、〝噂の二人〟の仲を裂く者が現れるって出たんだって!」

「な……」

「そしたら工藤くんが快斗を尋ねて来たでしょ! だからもう正門前が大騒ぎ!」

「な、なん…」

「あ、私はもちろん快斗と白馬くん派だよ! だけど工藤くんファンの子たちが盛り上がっちゃって、もしかして略奪愛かー? なんてさぁ♪♪」

くらり。気が遠くなる。なんで?!

「ねえ早く正門行こうよ! さっき白馬くんが出て行ったから、急がないとイイトコ見逃しちゃう~(*^^*)//」





『快斗がきたぞー!』『おおっ、待ってましたぁ姫ー!』

くっそう。いつまで姫姫言われんだ俺。
青子に引っ張られて正門に出てったら、文化祭の時よりも盛大な拍手が沸き起こった。下校中の生徒だけじゃなく、部活の連中まで集まってやがる。てめえら、なにオモシロがってんだっつーの!
ふと見ると、頭一つ背の高い白馬が人垣の向こうでこっちを見たのがわかった。
白馬が俺の方に来る。
さっと人垣が二つに分かれて道が出来た。
すげ。白馬、モーゼみたい。
開けた向こうに、ブレザー姿で一人立っている帝丹の工藤もいた。

なんか、急に不安になる。

工藤はいったいどういうつもりで来たんだろう。『白雪姫』の時に、ついマジで女声を演(だ)したのがまずかったか。それとも。
あの時────翼を広げて飛び立つキッドの背に工藤が叫んだ言葉。

〝おまえは・・・なのか?〟

よく聞き取れなかったけど、もしかして…もしかして……あの時〝黒羽快斗〟ってったんじゃねえだろうな。 だとしたら、まさか……この大勢の前で、俺が怪盗キッドだとか言い出す気じゃ……。

ごくりと息をのむ。
いや、そんなはずはない。まだそこまでの確証はないはずだ。キッドと俺を結び付ける証拠は、まだ何も────。


「白馬」

「黒羽くん、君は何故ここに来たんですか!」

「オメーこそ。工藤は俺に用だって言ってるらしいじゃん」

「いま僕が工藤くんと話をしていたところですよ。工藤くんは、君に……ああもう」

白馬が混乱してる。状況はともかく、こんなに焦っている白馬は珍しいので、俺はついハハハと声を出して笑ってしまった。そしたら、何だか少し落ち着いた。

どーってことねーや。
鉄壁のポーカーフェイス見せてやるぜ、工藤。テメーがなに突っ込んできたとこで、俺はバックレ通す自信がある。

「黒羽くん」

「じゃな白馬。俺、帰えっからさ。おまえ、ぜってー口出すんじゃねえぞ」

「待ちたまえ!」

「アホ、来んなっつの!」


ざわざわ・きゃあきゃあ、何が起こるかと集まった生徒たちの視線が集中する。
俺はわざとドカドカ勢いを付けて工藤に向かっていった。

「よー工藤。俺に用だって? なんだよ急に」

「黒羽…くん」

校門を出てすぐのところで俺を待っていた工藤が、ぎこちなく微笑んだ。

「みんなびっくりして大騒ぎだぜ」

「ご、こめん。そんなつもりなかったんだけど」

「用件は? サッカーのこと? こないだの文化祭のこと? それとも…」

なんでか工藤が視線を落として直立不動になる。

「黒羽…くん、急にすまない。だけどオレ、ホントにもう何も手につかなくて、気になって眠れなくなって」

「なにがだよ」

ガバッと工藤が俺の目の前でお辞儀をする。片手を握手するように差し出して。


「黒羽くん! オレと…オレと、付き合って下さい!!」



ツキアッテクダサイ……


ツキアッテ・クダサイ……?



俺は……後ずさったんだと思う。よろけたのかな。

呆然としてる俺のアタマに、次の瞬間どわっという大歓声が響いていた。







光の矢《2/2》へつづく

拍手[10回]