名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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光の矢《2/2》(白馬×快斗)
カテゴリ☆噂の二人《3》
※快斗くん視点つづきからスタートです。
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呆然とする俺の耳に、集まった生徒たちの大歓声が飛び込んできた。

俺は……後ずさったんだと思う。よろけたのかな。そしたら背中にどん、と何かが当たって俺は振り向いた。


「は、白馬…!」

振り仰いだ白馬は工藤を見つめ、俺の肩に手を置いた。

「工藤くん、突然来て突然そんなことを言い出すなんて失礼でしょう。さっきも言いましたが、君は黒羽くんをどれだけ知っているんですか。それに…君も分かっているはずです。黒羽くんは僕と」

「ばっ…、ばか、よせ白馬!」

白馬が怒ってる。前を見ると、工藤は工藤で赤い顔をして白馬を見つめていた。

ナニ……? ナニこれ。
これって……もしかして……〝修羅場〟ってやつ? ええええーーっ(@@)///

「あ、黒羽くん?」


────俺は怪盗だ。常に臨機応変、たとえ計画通りに事が運ばなくても、どんな状況に陥ろうとも、探偵が現れようが警察に追われようが自分の力で切り抜けてきた。
だけど今のこの状況は無理だ。アタマの回線がショートして、シナプスが働かない。
白馬が呼び止める声が聞こえたけど、俺はダッシュした。自分が原因の〝修羅場〟から、一目散に逃げ出した。



わああと背後の生徒たちから声があがる。
黒羽はこの場にいたたまれなくなったのだろう、走って行ってしまった。彼に走られたら僕では追い付けない。

「工藤くん、待ちたまえ!」

黒羽を追おうとする工藤を制止した。とにかく、この〝高校生探偵〟をこれ以上黒羽に近付けるわけにはいかない。

「今日のところは、このまま引き取ってくれませんか」

「…………」

工藤はまだ黒羽が走り去った方向を目で追っていた。

「工藤くん」

「白馬……」

僕を振り返った工藤の瞳に、ずきりとくる。恋する瞳。表現するならそうだ。膨らむ想いにいてもたってもいられず、こんな直情的な行動を起こすとは。僕が伝え聞く〝高校生探偵・工藤新一〟像からは想像もつかなかった。しかも、その相手が寄りによって黒羽とは────。
だが、考えてみればそれも理解できなくはなかった。 僕がそうだったように、工藤も黒羽が秘める危うさに惹き付けられているのだろう。
工藤が黒羽と〝怪盗〟をはっきり結び付けるのは時間の問題かもしれない……。

工藤は去っていった。 僕に小さく会釈をし、『黒羽くんに驚かせてごめんって伝えてほしい』とだけ言い残して。〝ライバル〟とはいえ、いささか気の毒な後ろ姿だった。




「ぐずぐずしてていいのかしら? 光の矢は射たれたわ。急いで抜かないと翼がもがれるわよ」

野次馬が散り散りになったところで、いつの間にか小泉紅子が僕のそばに立っていた。

「どういう意味です。黒羽くんの心が工藤くんに奪われるとでも?」

「そうとは限らないけど」

微笑んだ魔女は腕を組んで僕を見上げた。

「でも、動揺した黒羽くんが自分自身を〝すべて〟から遠ざけようとする可能性は否定出来ないでしょう?」







「白馬くん、快斗を捕まえられるかなぁ?」

「どうかしら。中森さんこそ黒羽くんの事よく分かってるでしょ。彼、子供みたいなところがあるものね。殻に閉じこもって出てこなくなるかも」

「紅子ちゃんは…どっち?」

「どっちって?」

「〝光の魔神〟を待ってるって言ってたから、もしかして工藤くん推しなのかなって……」

「まさか。だったら『白雪姫』で魔女役に立候補なんてしてなくてよ」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「黒羽くん!」

川原の堤防近くでベンチに座り込んでいる黒羽を見つけて、僕は胸をなで下ろした。降りてゆく僕をチラッと見て、黒羽が再び俯く。

「……工藤は?」

「引き取ってもらいました。驚かせてごめん、というのが君への伝言です」

「…………」

鬱いだ様子の黒羽に、小泉紅子の言葉が重なった。

「黒羽くん」

「俺……帰る」

「待って」

立ち上がった黒羽の手を掴むと、黒羽が降り解こうとする。

「黒羽くん」

「白馬……ごめん、俺、今日はもう」

抱き寄せようとすると、黒羽が腕を突っ張った。土手の壁に押し付けるような格好になる。

「放せって…白馬」

俯く顎を持ち上げると、黒羽が顔を左右に降った。

「やめろってば、こんなとこで」

「やめません」

「白馬……!」

キスしようとすると、黒羽ははっきり僕を拒絶した。
僕は……僕はどうすればよかったのだろう。無理にでも抱き締めて、無理矢理にでもキスをすればよかったのだろうか。
だが、僕には出来なかった。

黒羽は僕の手の中から走り去った。

一昨日は夜通し睦み合い、砂浜を手をつなぎ歩いた僕の恋人は、僕を振り返ることなく僕の前から消え去った。









20121130

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※内容的にめっさ途中でスミマセン。つづきは別タイトルにて…(*_*;


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