moonlight 新一×快斗

戸惑い（白馬×快斗）
カテゴリ☆噂の二人《3》
※昨日up「迷いのアプローチ」の続きです。快斗くん視点のあと、白馬くん視点へ。
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どうして昨夜…、俺はあのまま逃げてしまわなかったんだろう。

倒れ込んだ工藤に、思わず駆け寄ってしまった。

思い切り引いたドアに、まさか工藤が手を突っ込んでくるなんて。もし挟んだのが指や手だったら間違いなく複雑骨折の重傷だ。 あの馬鹿。服の上からで、腕だったからまだ良かったが…それでも。

────チクショウ。気が付けば、また工藤のことを考えてる。

あんな目をして……俺を見やがって。
キッパリ振った相手だぞ。なのに、何を動揺してんだ。キッドに…キスされたからって。
工藤がキッドと俺を重ねていながら暴けずにいる事に、逆に負い目を感じているのか？
なんでだよ…。
なんでこんなにモヤモヤすんだよ。こんな気持ちのままじゃあ────。

「おはよう、黒羽くん」

「……あ、白馬」

入ろうとした正門前に、白馬が立っていた。思わず視線を逸らしそうになったのを悟られないよう、懸命にポーカーフェイスで誤魔化した。

「ばあやサンに送ってもらわなかったのかよ」

「自分で登校ですよ、これからは」

「へえ。ばあやサン具合でもわるいの？」

「ピンピンしてます。僕が送迎は当分不要と言ったんです。その方が君といられる時間が長くとれますし」

「…………」

「今日も一緒に帰りましょう」

「いい」

「照れてるんですか？」

「ちげー。俺、今日は用があっから」

俺は白馬に突っ込まれるのを避けて、先に下駄箱へ駆け出した。


今夜、怪盗キッドは予告状を出す。そして明後日金曜の深夜、ベルヒルズタワー特別展望室から、ビッグジュエル・赤眼の人魚を、キッドはいただくんだ！
パンドラを見つけて粉々にするまで────白馬にも、工藤にも、警察にも、誰にも絶対怪盗キッドの邪魔はさせねえ！






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夕べの嵐の名残の風が、まだ強く校庭を舞っていた。他の生徒たちに紛れて髪を跳ねさせ校舎に走る黒羽の後ろ姿を見ながら、僕も下駄箱へと向かった。

頑なな黒羽の態度。
僕に打ち明けられない〝何か〟がある時、彼はあんな壁を作る。ポーカーフェイスという名の。

ここ数日ニュースにもなっているレッド・ダイヤモンド《赤眼の人魚》が次の怪盗キッドの獲物だろう。今夜か明日、おそらく予告状が出されるに違いない。
鈴木財閥絡みなら、間違いなく会長から直々に工藤新一へキッド対策の依頼がいくはず。
……僕はまた傍観者として過ごすのか。
それとも────。


工藤と黒羽。
そして工藤と怪盗キッド。

棘のように僕の心を刺しているものは、いったい何だろう。 黒羽との絆を信じていても、消え去る事のないこの漠然とした不安。

黒羽くん……。
君は、本当に工藤から逃げ切れるのか？
僕のこの腕の中に、戻ってきてくれるのか？

不安な時が訪れる。
これまでになく、僕にとって本当に不安な数日間が……。







20130118
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※こんだけ振っといてなんですが…続きはいずれまた、書きたいとこだけ書く予定です。毎度スミマセン…(*_*;

★拍手御礼
昨日、コナン＆キッドカテゴリの「エピソードＸ」に初の拍手ポチをいただきました！ 間違いでなければ(汗)本当に嬉しいです。どなた様か、ありがとうございましたー(*^^*)！

[7回]