名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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風の音(白馬×快斗)
カテゴリ★放課後(白快)

〝白快〟突入記念、今週は白快週間です。一週間もつかな…?

※昨日アップ『放課後』のつづきですが、あまり進展ナシ…。(*_*;

――――――――――――――――――


僕は黒羽を手に入れた。

この腕に抱き、彼の秘密を僕だけのものにしたのだ。

しかしそれが単なる僕の思い込み、思い上がりであったと、翌日には身に染みて思い知る事になった。


早朝、彼は僕が部屋を覗く前に姿を消していた。きちんとベッドを整え、ここに居たはずの気配すら残さず。……いや、彼に着せていたパジャマがたたんで置いてあったので、ここで眠っていたことは間違いない。彼の衣類は深夜には乾かして上がっていたはずだから、部屋に届けられた自分の服に着替えて去ったのだろう。

僕は簡単には手に入りそうにない彼の心に、余計に惹かれる自分を意識した。


登校して顔を合わせると、黒羽は他のクラスメートや幼なじみのGFの前で平然と『昨日は迷惑かけたな、サンキュ』と僕に言って笑った。
まったく憎らしいぐらいのポーカーフェイスだ。

このまま何もなかった振りをするつもりか。僕は――僕には無理だ。
知ってしまった黒羽の秘めた顔。熱した肌。こんなにもはっきり覚えている。

僕は引き返せないところまで黒羽快斗に囚われてしまった。彼の弱さを突き、彼に己を埋め込んで、彼に自分の存在を認めさせようとした浅はかな行為が、逆に僕自身を縛り付ける結果になったのだ。

黒羽は自由だった。

僕の腕からいとも簡単に抜け出し、僕を見下ろして心の中で嘲っているのだろうか。


昼休みになると、黒羽がふいと教室を出て行った。たいていは仲のよい連中とだべっているか、机に突っ伏して寝るかどちらかなのに。
僕は思わず彼の後を追った。


屋上に出ると、何組かの生徒達がてんでにたむろしているその向こうに黒羽が一人佇んでいた。

黒羽が振り向く。

僕は黒羽にゆっくり近付いた。

「……」

黒羽は無言だった。
僕を屋上へ誘い出しておきながら。

並んでただ校庭を見下ろしていると、やがてチャイムが鳴り、屋上にいた他の生徒達の姿が消えて、二人だけになった。

沈黙に堪えられなくなったのは僕の方だった。

「黒羽君、僕に言いたい事があるのではないですか」

黒羽が僕を首を傾けて見上げる。
胸が痛い。この状況でも、僕は黒羽に間違いなく惹き付けられていた。

「なぜ何も言わないのです」

「白馬が俺になんか言いたいんじゃねえの?」

「……」

「何か言いたそうにしてっから、ここにきたんだけど」

僕としたことが。顔が赤らむのを感じて狼狽える。
黒羽がニッと笑う。

「昨日は世話になったけど、俺は白馬が思ってるほどヤワじゃない」

「……」

「言うことないならもう行くぜ、先生来ちまう」

タタッと黒羽が走り去る――。

「黒羽君!」

振り向いた黒羽は柔らかな髪をふわりと浮かせ、微かに僕を見て笑い、しかし立ち止まることなく階下へとそのまま消えた。

手も足も出ない。まさに今の僕がそうだった。



――言えばよかったのだろうか。


君が好きなのだと……好きだからこそあんな事をしてしまったのだと。

君を陥れるつもりなんかない。そんなつもりで抱いたのではない。
そうではないんだ。

吹き抜ける風の音だけが、僕の呟きをさらっていった。




20120131


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