moonlight 新一×快斗

名探偵に負けないように
※小咄的な「紺青の拳」妄想裏話です(..;)。
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「快斗坊ちゃま、そのようなお役目、寺井には少々荷が重くございます(..;)」

「いいや。この役は寺井ちゃんにしか出来ない。頼む、やってくれ！」

坊ちゃまにあそこまで頭を下げられてはお断りするわけにもいかず…、寺井は途方に暮れております。

風呂場にお運びした、坊ちゃまがおっしゃるところの〝名探偵〟様。

すやすやとお眠りになる幼いお姿からは、とてもとても坊ちゃまが毎度手擦る手厳しいあの〝名探偵〟様には見えません。

坊ちゃまは『コイツの姿に騙されるな。本当は俺と同じ高校二年生の工藤新一なんだ』とおっしゃって、ご自分は他の仕込みの作業があるからと隠し部屋に篭もってしまわれたし。


しかし──やらねばなりませんな。

坊ちゃまのシゴトをお助けするのが寺井の役目。何があろうと坊ちゃまをお助けすると、盗一様と千影様に誓ったのですから…。

この人体用の無害な特殊塗料は、マジックの仕込みのために盗一様と寺井が何年もかけて培った門外不出の秘薬に、坊ちゃまの天才的な閃きによるアレンジで完成したもの。含有量によって効果継続時間もある程度コントロールできる、優れものにございます。

一定の時間が過ぎれば、その後は急速に効果が消える。
自分で申し上げるのもなんですが、最高の〝マジック〟の種と言えるでしょう。

……おっと、自画自賛してる場合ではございませんな、急ぎませんと、出国まで時間が迫っておりました。

浴槽に敷いたタオルの上に横たえた〝名探偵〟様に向け、特殊塗料につなげたシャワーの栓を一気に開ける。

やるべきことを確認したら、あとは確実に、速やかに。
これは舞台袖で盗一様にお仕えしていた頃からの寺井のモットーにございます。

それでは──失礼いたしますぞ。
〝名探偵〟様。

御免！！







・ ・ ・ ・ ・ ・



あ～今頃は名探偵、素っ裸でシャワー浴びてるだろうな。

ちょっと想像しただけで、なんていうか、ムズムズする。

アイツ、いっつも容赦なくて、姿はちっさいのに目なんか超おっかなくてさ。
『ああ、本当はやっぱり高校生探偵の工藤新一なんだな』って思うんだけど。

だけどさ、ヤバイだろ。

あんな可愛い寝顔みちゃったら。

睫毛が細くて長くて。

ほっぺはスベスベで柔らかくてさ。

唇なんかすっげーちいちゃくて。

あんなんで素っ裸のとこ間近で見ちゃったら、この先どんなに厳しく突っ込まれても言い返せなくなっちまう……。

名探偵、まじ可愛いすぎんだよ。

黙ってたら、の話だけど。

眠ってたら、の話だけど、キュート過ぎてヤバいんだって。


あ～明日から一緒にシンガポール行くんだ。
なんつーか…無理矢理ではあるけど、本人行きたがってたんだし、許してくれる…かな？
目が覚めたら、名探偵なんて言うかな。
俺の頼み、聞いてくれるかな…。

ドキドキすんな。

ビッグジュエル盗むより緊張するかもしんねえ。

頑張れ、俺。

名探偵の可愛さに負けないように。






20190519
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※オチてませんが、この辺でやめときます。伝わりにくいですがコ快です。快コでもいいんですけどね(^_^;)。

●拍手御礼！
「セカンドチャンス」「囚人」「黒の鎖」「5000メートル」「ブルーサファイア」へ、拍手ありがとうございました！

[5回]