名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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不法侵入II(赤井×安室)
※昨日up「不法侵入」続編ですが、カテゴリ別扱いです。軽く読み流してくださいませ(..;)。
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17時から捜査会議、そのあとポアロの遅番か。

エレベーターを降り、腕時計を確認しつつ部屋のスマートキーを解除しようとすると、ガチャリと音がして中からドアが開いた。



「おかえり。零くん」

「赤井…! 不法侵入だぞ!」

「留守中に入ったことは謝る。すまない」

俯いた赤井から、バーボンと煙草の匂いがした。

「油断も隙もない…スマートキーに変えたばかりなのに、どうやって。とにかく着替えに寄っただけなんで、直ぐ出てってください」

「ああ。わかった」

飲んでいた様子のソファに戻って半分減ったグラスを持ち上げ、背を丸めたまま赤井は溜息をついた。

「どうしたんです。調子が狂うな。ぼくに何の用です」

「用がなくても君に逢いたい時はある」

振り向いた真顔の赤井に、つい苦笑してしまう。

「よく言いますよ。あなたって人は、どこまでも勝手だ」

「すまない。自己嫌悪に浸れる場所が欲しかった。君に厳しく叱って欲しかったのかもしれん」

「へえ。あなたでも落ち込むことがあるんですか」

「零くん」

「馴れ馴れしく呼ばないで下さい。ぼくは忙しいんです。言ったでしょ、着替えに寄っただけ……」


───重ねただけの、しかし熱っぽいキス。


違和感を覚えて、ぼくは赤井の喉元を押し返した。

「ふ~ん…。どこかの誰かに引っかかったってわけですか」

「え」

「あなたを手玉に取るなんて大した人物がいたものだ」

図星か。
顔色を変えた赤井にムカついて、つい声がトゲトゲしくなる。

「違う…とは言い切れない。いや、しかし引っかかったとか、そういう事ではない」

「何を言ってるんですか。あなたの説明下手というか言葉足らずなのは分かってますけど、これ以上ぼくを苛つかせるなら本当に不法侵入で逮捕しますよ!」

「ああ」

返答とも溜息とも取れる嘆息をついて赤井がうなだれる。

「ったく、仕方ないな」

ドン、と赤井の肩を突き飛ばした。

驚いた顔をして赤井が後ずさる。後ろはソファだ。赤井はソファにひっくり返った。

「それでもFBIで一目置かれるエージェントですか。隙だらけだ」

「ああ…」

「ああ、ああ、って。ぼくに説教されたくて来たんなら、さっさと何をしでかしたのか白状して下さい」

「言えば君に嫌われる」

「最低ですね。では時間がないのでいろいろまとめて一発ぶん殴らせてもらいます」

「そうしてくれ」





ありがとう。また来る。

もう来なくていいです。

毎度同じ文句を言い合い、ぼくに殴られた頬を抑えながら赤井は部屋を出ていった。

互いに打ち明けられない事が多すぎるし、あれこれ気持ちを推し量る時間も無い。

ぼくはぼくの日常に戻り、この赤井の不法侵入の件は終了事案として頭の中のファイルの隅に綴じておくことにした。






20190814
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