名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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江古田高校二年女子・黒羽快乙《1/2》
カテゴリ◆もしもシリーズ
※「名残り」後日編。セルフパロです。
──────────────────


「快乙(かいと)~帰ろーよ!」

幼なじみの青子が廊下から私を呼んでいる。



だけど、もう少しこのままぼうっとしてたい気分だったから、私は青子に手を振って先に帰っていいよと合図をした。

放課後、しんとした教室から外の気配を感じながらぼんやり過ごす時間が好きなのだ。

目を瞑って、あの時のドキドキを思い浮かべる…。

工藤新一。イマドキ人気の高校生探偵。
あいつが…。
テレビや新聞で見てたときは、説教くさくて面倒そうなヤツだと思ってたけど──。

綺麗な顔してた。一言でいえば〝イケメン〟てやつ。
だけどそれだけじゃない。

なんていうか、初めて出逢ったのに以前から知ってたような不思議な感覚があって。
てゆーか…。

あ、この人だ───

なんでか解らないけど、そう思ったんだ。

私、この人を…好きになる…って。


「………」


顔が熱い。
やだなぁ。
相手はこの先邪魔になるに決まってる〝探偵〟なのに。

気の迷い、だよね。
急に近付いて、青い瞳が目の前で私を見つめてて。だから思わずドキッとしちゃったんだ。
それだけだよ。

「うん、そう!」

伏せてた机から頭を上げて、声を出した。自分に言い聞かせるように。

好きになんかなるわけない。探偵なんか好きになったって、ろくな事あるわけないもん。


(ザワザワ…)

(キャア~…)


「?」

外の様子がおかしい。見下ろすと校門に人だかりができてて、女子が騒いでる。

「なんだろ…? 芸能人でも来たのかな」

キョーミないけど。
私が憧れてるのは〝世界的天才マジシャン・黒羽盗一〟ただ一人。お父さんだけだもの。

「あーあ。うるさいから帰ろ」

正門の人集りはさらに増えてる。うざいから裏門から出よう。

「あっ快乙いた! たいへん!!」

「あれ、青子。どしたの?」

さっき帰った青子が慌てた様子で戻ってきた。

「早く来て、快乙。待ってるから!」

「待ってるって何が」

「お客さん! いま校門のとこで快乙を待ってんだよ」

「はあ?」

お客って。
よくわかんないままカバンを抱えたところへ、今度は背の高い男子が駆け込んできた。

「黒羽さん、早く裏から逃げて下さい!」

「なによ、急に逃げろって」

白馬だった。転校生の帰国子女。
私がファントム・レディなんじゃないかって疑ってるホームズかぶれの高校生探偵で、父親は警視総監。メンドクサイが幾つも自乗してるナルちゃんだ。まあ、確かに甘いハンサムなのは認めるけど。

わぁー、とか、きゃー、とか騒いでる女子たちの歓声が続いている。

「彼が来たんです!」

「彼って誰」

「工藤新一ですよ! 工藤くんが名指しで君に会いに来たんです!」








───そんなつもりはなかったのだが、江古田高校正門前が騒ぎになってしまった。

自分としては普通の高校生とそう変わらないつもりでいるのだが、それは周囲が〝オレ〟という存在に慣れてるからであって、通常から逸脱した場所へ来ると時々妙に騒がれてまいる事がある。
今がまさにそうだった。

なんだかスゴい視線が集まっててヤバい。これでは黒羽が校内にいても出て来ないのではないだろうか。避けられてしまうかも知れないと思うと気が気でない。

仕方ない、一度ここを離れるか……と思ったら、急にどよめくような歓声が湧いた。

背の高い奴がこっちに向かってくる。

──白馬だ。

白馬も江古田だったか。失念していた。

さらにまた歓声が起こった。

白馬の後ろから誰か歩いてくる。
オーバーではなく、そのシルエットにマジで心臓の鼓動がドクンと跳ね上がった。

黒羽快乙。

セーラー服姿に舞い上がるなんて自分で焦る。紺のソックスに細い足首、膝上のスカート。ヤバい。ガン見してしまう。

癖のある髪は軽くサイドで結っている。
可愛い。
オレを見て真っ直ぐ歩いてくる。
周囲の喧騒が遠のいて、黒羽以外もう目に入らなくなる──。



不意に目の前を遮られた。白馬が立ちはだかっている。

「突然何です、工藤くん」

「いや…ちょっと黒羽──さんに会ってみたくて」

「何故です、君を彼女に近づかせるわけにはいきません!」

白馬の剣幕に呆気にとられていると、その白馬を押し退けるように黒羽が目の前に現れた。

「ばぁか。余計な心配いらないって、白馬くん」

そう言って、ふふっと笑いオレを見る。

「有名人が私に何の用? 初対面だよね、工藤新一くん」

「あ……はい、いやっ、あの」

黒羽の人懐こい笑顔に引き込まれる。同時にワケ分からなくなってオレは完全にテンパった。

「く、黒羽…快乙さん!」

「はい。何?」

「オ、オレと───付き合って下さい!!」





つづく

──────────────────



※ああああ絵が下手で悲しい…頭の中では壮絶キュートなのに描くと歪むし可愛い女子にならない(;.;)。内容はこのブログ初期up「if」の別バージョンなんですが、当時のタイトルも『if=もし』なのが奇遇です。後編うまく締められるかなぁ??


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「ライバル」「シンデレラ・コンプレックス」「レモンパイ」「野暮」「タンデムシート」「もしもの落書き」「約束の場所」「愚痴」「名残り」

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