名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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ronin
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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
 

★拍手御礼
鋳月さま、同士宣言、ありがとうございます! 嬉しいです~っ(*^^*)!!

らぶいんどりーむ・ランデブー (コナン&キッド)
※息抜き的?毎度シチュのショートです…(汗)。

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「おめー、いったいいつからオレが工藤新一だって知ってたんだよ」

そう問うと、怪盗キッドは摩天楼の屋上に並んで立つオレを見下ろし、にっこり微笑んだ。

「さあ……。名探偵が俺の正体暴くより前?」

「ふん。オレは、まだおめーのこと…」

〝ちっちっ〟と怪盗はステージ上の演出のように分かりやすく立てた人差し指を左右に揺り、オレの言葉を遮った。

「なに言いやがる。とっくに掴んでんだろ。俺のこと」

「……どうかな。当たりはつけてるけど、未検証だし」

「なんで確かめに来ない? 俺は名探偵が捕まえに来てくれるのを、毎日毎夜待ちわびているってのに」

「……………」


振り仰ぐ夜空には月が出ていた。
コイツにはやはり月がよく似合う。
けど、今夜の月は少し欠けている。今のオレの心のように。

「……おめーが、まだ怪盗でいたいだろうと思って」

「へえ? 俺のことを思って?」

「オレは早く元の姿に戻りたいけどさ。おめーは……」

言葉を途切らせたオレの側に、怪盗が一歩近づいた。

「じゃあさ、俺の正体を白日の下に曝すとか、監獄に送るだとか言ってた物騒な宣言、取り消してくれんの」

「ばか。それとこれとは違う」

「なんで。どーしてそこで意地張るんだよ。待っててくれるってんだろ、俺が」

「……………」

「目的を果たすまで」

「べつにそんな気はない。おめーの目的が何なのか、そこまで解ってねえもん」

「ふふん」

怪盗はさらにまた一歩近付いて、オレの側まで寄ってきた。

「俺さ、目的果たしたら、消えるから」

「…………」

「だから、永遠に名探偵には捕まんない」

「……………」

「名探偵が、本当に……真実の俺を」

ふわりと体を包まれる。怪盗の白いマントに。
温かい怪盗の温もりが伝わってきて────怪盗が決してファントムなんかじゃない、生身の人間だと……一人の少年だという事が解る。

囁かれた怪盗の言葉は小さすぎて聞き取れなかった。〝真実の俺を………〟。

「聞こえないよ」

マントにくるまれるように抱き抱えられたまま、怪盗の耳元に囁き返した。


─────だから捕まえて。真実の俺に戻ったら。
俺は待ってる。それが名探偵コナンくんでも、高校生探偵の工藤新一でも。俺は待ってる…、素顔でおまえと出会うその瞬間を─────。




フワンと浮き上がる感覚があって、オレはハッとなった。

「わ、わあぁ!」

空を飛んでた。
怪盗の腕に抱かれて。

「キッド!」

「目が覚めたかよっ、名探偵! これだからお子ちゃまはよ~」

「なにがだよ!」

「暖かくしてやったら、あっという間にスースー寝ちまいやんの。とっくにオネンネの時間過ぎてっから、しゃあねえけどな!」


ええ? うそ。
コイツの告白、聞いたのに。どっから寝てたオレ? どっから?!!

「キッド! オレ、ちゃんと聞いたぞ!」

「なにを?」

「てめ……ごまかすな! オレは寝る前に聞いたぞ絶対!」

「あはは」

怪盗は否定も肯定もせず、オレをぎゅっと抱えて旋回した。
何度目かの月夜のランテブー。
怪盗の腕の中でくるりと体を回転させると、わあっ、と怪盗が慌てた声を出した。

「あっぶね!動くんじゃねーよっ、落ちたらどうする! 」

「また、オレに追い付いて助けてくれるだろ?」

「……………」

怪盗が少しはにかんだ顔をした。今度はオレがあははと笑った。

「んじゃ、毛利探偵事務所までお願いします!」

「タクシーじゃねえっての! 工藤邸なら一緒にお泊まりできるけど?」

「えっ、(*@@*) まじっ?!」

「やっぱ毛利探偵事務所にしとこ」

「テメー、からかうなっ」


離れたくない想いは、互いに紙一重で胸の奥。
オレは怪盗の胸にぎゅうっとしがみついた。怪盗もオレをぎゅうっと抱き返してくれた。

限られた逢瀬の時間がもうすぐ終わる。それまで────。






20121115

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