名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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バレンタインの逆襲(コナン&快斗)
※コナンくん視点から、単独パラレル  
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「おっす、コナンくんじゃん! なんで江古田にいんの? ひとり?」

「おまえを待ってたんだ。チョコレートやるから家に来い」



制服にマフラー姿の黒羽快斗は、嬉しそうにウキウキした足取りでオレに付いてくる。

噂で甘いモンが好きだとは聞いてたけど、ほんとにチョコで釣れるとは。

「おめー、これまで散々誘っても来なかったのに、どうして今日はあっさり付いてくんだよ」

「だってお金持ちの “工藤さんちのコナンくん” がくれるチョコだろ。外国の専門店から取り寄せた特別にゴージャスなチョコなんじゃね? すっげえ期待してんだけど。それに」

「それに?」

「俺、もう足洗ったからね。へへっ。なんか企んでても無駄だよ。怪盗を捕まえられなくて残念でした」

「なにィ」

「あっ、やだな、もしかして罠? 玄関入ったら鈴木の爺さんトコみたいに檻がガシャーンと落ちてくるとか」

「ざけんな、そんなことすっか。家が傷むだろうが。それよりおまえ、足洗ったってホントかよ」

「まあね。探しもんは見付けてぶっ壊したし、コナンくんに正体バレちゃったしね。ほとぼりが冷めるまで、当分は」

「当分…って、また怪盗になるかもしれないってことか」

「ふふふ、先の事は誰にも判りませんよ」

人差し指でチッチッチとしながらウィンクする黒羽は、ほんの少しだけ怪盗っぽく見えた。





「んで、これだ。開けてみろ」

「うひょーっ、サンキュー!」

さっき少しだけ怪盗っぽいかなと思ったけど、撤回。小学生の姿の今のオレより、絶対コイツのほうがガキッぽい。いやガキだ。

「なあ、黒羽」

「快斗でいいよ、工藤」

「急に工藤って何だよ……さっきまではコナンくんって呼んでたのに」

「ここなら二人きりだからいいかなって。まさか盗聴器とか仕掛けてないよね」

「ねーよ。オレをなんだと思ってるんだ」

「そっちの詳しい事情は知らないけどさ。手短に言うと、俺も混ぜてほしいんだ」

「混ぜる? 何に?」

「いろいろヤバいらしいじゃん。コワ〜イ組織に公安とかFBIまで集まっちゃって」

チョコの包みを器用に解くと、中の箱を大事そうに手のひらに乗せて黒羽は笑った。

「俺なら工藤の役に立てるぜ。なんなら影武者になってやってもいい」

「なに言い出すんだ。そんな危ない事させられるか!」

驚いて、つい声が大きくなった。

「元怪盗を舐めないでほしいね」

「………」

不意に放たれる黒羽の鋭い気配にヒヤリとしする。いったい何なんだ、コイツ。
黒羽の併せ持つ二つの貌に、すっかり翻弄されてる。

「だからさ、さっきも言ったけど、おかげさんでコッチのシゴトは一段落したわけ。工藤の方はこれから正念場なんだろ。手伝うよ。入れろよ、俺も。俺は使える。おまえの隠し玉になれる。味方にも内緒の、本当の切り札になってやるぜ」

応接のソファに座ってテーブルにそっと置いた箱を開け、中のチョコレートを眺めて “わぁ” と嬉しそうな声を上げて黒羽快斗は満面の笑みを浮かべ『食べていい?』とオレに訊いた。

突然のヤバい申し出とチョコレートとの話に境がない。普通のお喋りの続きのように、とんでも無いことを言っている。

「黒羽…、おまえ、自分が何言ってんのか解ってんのか」

「もちろん。それに、前に成り行きで俺を巻き込んだのはそっちだろ。だから全く突然ってわけでもない。うん、美味しい! 」

「おまえな、だからってオレが『じゃあ頼む』とでも言うと思ってんのか!」

「OKしてくんなくても勝手に混ざるからいいよ。公安やFBIのお兄様方と仲良くしたいわけじゃないし。ただ名探偵には伝えといた方がいざって時にいいかと思って。…ん、んまあ〜♫」

混乱しながらオレも頭の中で考える。
確かに──怪盗が味方についてくれると考えたら、作戦のレパートリーは格段に増える。
コイツなら一人でも動ける、機転が利く、脱出するための翼を持っている、オレにも他の人間にも変装できる。安室さんや赤井さん達とは全く違う手段、違う場面でオレだけじゃなく灰原のことも助けてくれるだろう。だが。

「…ちょっ、ちょっと待ってろ。紅茶淹れてきてやる」

「わーい、あんがと! 名探偵大好き!」

落ち着けオレ。いったん頭を冷やせ。
なんでこーなった??
黒羽のことをもっと探ろうと思って誘ったのに。これじゃまるでミイラ取りがなんとかだ。



黒羽はトリュフチョコやカラフルで繊細なミルフィールを堪能すると、カップに注いだアールグレイの香りを嗅ぎ、コクンと飲んで『ふぅーー!』と嘆息した。

「いやー、まじで美味かった! 最高! ご馳走さま、名探偵!」

「あのな、黒羽」

「いいよ。何も言うなよ、工藤」

「えっ…」

「探偵と怪盗としてずっと敵対してきたんだ。そう簡単に信頼が得られるとは思ってない。だけど、お前の助けになりたいと思ってるのは本当だ」

「なぜなんだ。危険なんだぞ。何が起こるかわからない 」

「分かってる。ダメだと言われても俺はやる。絶対にコナンくんを、工藤を助けてみせる」

「どうして…そこまで」

「言ったろ。俺はコナンくんのことが、工藤新一のことが大好きなんだよ!」

ボフン!

反応する前に淡いピンクの煙幕が張られて、あ…イチゴの香りだ、とか思いながらケホケホしている間に黒羽は消えた。
テーブルに残されたカードには『✕✕✕-✕✕✕✕-1412』と電話番号らしき数字と、脇に小さく暗記したらすぐ燃やせと記されていた。

「あんのヤロウ………」

なんでこうなった。面倒なことに。
だけど、なぜか心が浮き立っている。
助けると言われたからか、大好きと言われたからかは自分でも判らない。

黒羽快斗め…オレはもっとおまえを知らなきゃいけない。
おまえが何を考えているのか、推理するにはまだ材料が少なすぎる!
よお〜し、明日また江古田に行ってやる!
しばらくくっついて、黒羽の秘密を暴いてやるぞ!








・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・





うっわ〜〜〜〜〜。。。

言っちゃった! 直電も教えちゃった! 電話かかってきたらどうしよう! 心臓バクバクで、俺ぶっ倒れるかも!!

ヤッベーー、コナンくん可愛い、カッコいい!
コナンくんが実は工藤新一だなんて、そんなのすごすぎんだろ!!

あ〜〜〜マジで顔が熱い!火ぃ吹きそう!
通学路で待ち伏せとかしてくれちゃって、ほんっとヤバかった!コナンくんだって気がついた時、飛び上がりそうになったもん!
ポーカーフェイスでいんの、マジ大変だった!

コナンくん解ってくれたかな。俺の精一杯の “告白”。
…たぶん解ってないだろうなぁ。トホホ。事件の謎にはめっちゃ鋭いくせに、事件以外だとほんと鈍いんだよな。そこがまたカワイイんだけど。
とにかくコナンくんの、工藤の助けになりたいのは本心だ。それは信じてほしい。

よ〜し、バレンタインデーは明日だ。
きっと明日もコナンくんは江古田に現れる。今度は俺が手作りチョコで逆待ち伏せしてやろう!!
そしてもう一回、ちゃんと言うんだ。
コナンくんが大好きなんだ。力になりたいんだって。






20230213
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※勢いのみで唐突に終わりましてスミマセン。最初はバレンタインをテーマに軽めノリのショートを書くつもりだったんですが、途中から快斗くんが変なこと言い出してわけがわからなくなってしまいました。
4月公開の新作映画『黒鉄の魚影-サブマリン-』予告映像ご覧になりました? 哀ちゃん&コナンくんメインに黒の組織、FBI、公安も?入り乱れての大作に、いまからワクワクしてるんですが一つ残念なのはキッド様の出番がないこと(仕方ないとはわかっていても…)。そんな欲求不満がついつい出てきてしまった結果、こんな展開になりました。 コ快というより快コというか新快気味?だったかもしれません…(*_*;


●拍手御礼
「約束の場所」



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