名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

ブログ内検索
カレンダー
06 2017/07 08
S M T W T F S
1
3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
カウンター
プロフィール
HN:
ronin
性別:
女性
自己紹介:
2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
 

十八夜月(新一×キッド)R18
─────────────────────────────


十八夜の月が、ようやくビル街の高さを超え、街を見下ろし始めている。

その朧な月光を浴びた工藤の姿は、夢で見た光景のように淡く浮かんで見えた。



ライトの落ちた深夜の空中(屋上)庭園。
約束はしていなくとも、ここで工藤が俺を待ち受けている事は解っていた。

一週間前、俺たちはここで偶発的に、初めて互いに触れ合った。
探偵と怪盗としての一対一の対決の果てに、俺たちは互いに互いを分かちがたい唯一無二の存在だと───自身の分身と認識したのだ。


「キッド」

淀みなく歩み寄る工藤に対し、それでも俺は往生際悪く二三歩後ずさった。
自分から駆け寄りたいほどの想いと、それを自分に許せないプライドの狭間で躊躇っていたのだ。
だが何をどう繕ろったところで、ここでこうして再び出逢った事実がすべてを告げてしまっていた。

(あっ)

かろうじて怪盗の体面を守ろうと貌を隠していたシルクハットを、いとも簡単に工藤に取り去られる。
髪が風に晒され、工藤と目が合った。

「…名探偵」

「逢いたかった。キッド」

僅かな言い訳すら発することも出来なくなる。
真っ直ぐな瞳。真っ直ぐな言葉。工藤の意志は強固で、どこまでも衒(てら)いがない。
手首を掴んで引き寄せられ、モノクルが振り子のように揺れた。

かたく抱き締め合い、互いの鼓動が伝わるのを感じると、あとはもう共に在ることの歓びがすべてを超越した。




タイを抜かれ、開かれた襟に工藤が顔を埋める。崩折れるように庭園の芝生に倒れ込んだ。

(──!)

肩口をキツく吸われ、痛みに思わず体を傾けると、工藤はすかさず俺の乱れたシャツの隙間から指先を滑り込ませてきた。
工藤の愛撫に肌が粟立ち、震えが止まらない。
夜空に浮かぶ朧な十八夜月。美しく幻想的な世界の下で、俺と工藤は今度こそ一つになろうとしていた。

〝キッド…〟

工藤の声が耳朶に響く。ふと、目を開けた。
散らばった衣服の上で、俺と工藤はほとんど裸身になっていた。
探偵でもなく、怪盗でもなくなった俺たちは、どちらともなく一週間前と同じ体勢で重なり合い、見つめ合った。
今度ははっきり目的を持った工藤が、熱く膨れた自身を俺に押し当ててくる。

求めていても、夢中でも、畏れはある。
襲い来る衝撃に、戦慄が駆け抜けた。

「ア…、アア──…ッ」

「キッド…!!」

俺の肩を掴むようにして工藤が体を揺らし始める。湧き起こる疼きと痺れに、全身が侵されてゆく。
注がれる工藤の眼差しに羞恥を覚え、俺は懸命に声を飲み込んだ。

(ああ……)

工藤の吐息が頬にかかる。僅かに顔を持ち上げ、そっと目を開けた。

温かく、唇を覆われる。

──柔らかく押し包まれ、忍び込み、溶け合うように交わす甘い口付け。
窮屈に強ばっていた体の力が抜け、最深まで含んだ工藤をはっきり感じることが出来た。

「あ…、く、どう…!」

「好きだ、キッド。もう絶対に離さない」

押し寄せる細波(さざなみ)がうねるように大きくなってゆく。切なさが苦痛を上回り、体がびくびくと跳ねる。もう声を抑えることは出来ない。
大きく深い衝撃を覚えると同時に、俺は工藤の背を精一杯抱き寄せた。

月が、美しかった。

夜空に浮かぶ朧な十八夜月。
滲むように光る月明かりだけが、俺たちの秘め事を照らしていた。






以後──俺たちは〝探偵〟と〝怪盗〟のまま、互いに干渉せず、妥協せず、時に好敵手として、また時に秘密の逢瀬に身を委ねる〝恋人同士〟として生きることになった。


今夜も俺は月を背にして工藤を見下ろす。

工藤が俺を捕らえようと走り出す。
〝怪盗〟が〝探偵〟に捕まるわけにはいかない。
俺は軽く身をかわし、微笑んで夜空に飛び立った。

一時間後にはきっと強く抱き締め合う。

逸る心をモノクルに隠し、俺は翼を翻した。






20150609
────────────────────────────



※お粗末様です……初心に戻ってというか、20110909up『共犯者~秘密の恋人』の別バージョン的なお話でした (*_*;


●拍手御礼
「ゲーム仲間」「ウルトラキッス」「ラブ※コメ」「噂の二人」「放課後」「月光という名の真実」「迷想」「ハザードランプ」「こういうこと」「元サヤ」「黒の鎖」「憂鬱」「テストケース2」「業火妄想《新快編》」へ、拍手ありがとうございます。「憂鬱」ほか、up当初以来の拍手があったり ウレシーです~(^^)/

★劇場版『業火の向日葵』観客動員数新記録めでたい! な、ひとりごと。
すごいですね、嬉しいですね! コナンくんで描かれる謎めいたキッド様、やっぱり素敵です!! 不敵な快斗くん、おかわり欲しー(^^)/

拍手[16回]