名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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業火妄想《新一×快斗編》
カテゴリ★業火の向日葵パラレル
※劇場版『業火の向日葵』より、新快パラレル(汗)。
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「く、工藤くん??」

「何故、うぬがここに!?」

園子の声に振り返った鈴木財閥相談役が、オレに気付いて目を見開く。



「怪盗キッドが『向日葵』を狙っていると聞いたものですから。いま飛び出したのは十中八九ダミーでしょう。念のため追跡はすべきですが、それよりビル内から不審者を逃さないよう、一刻も早く出入り口を固めた方がいい」
   
「相談役、この少年は?」

ホルスターに拳銃を収めたチャーリー警部が、訝しげな目でオレを睨む。

「はっはっ、こやつは工藤新一、日本を代表する探偵じゃ。わしは〝キッド・キラー〟と呼んでおる!」

───あのう、どういたしますか。

通路の隅にいたビルの職員らしき男が控えめに指示を仰ぐと、チャーリー警部は部下たちを率い、無言で駆け去っていった。

───この区域は立ち入り禁止だ、表示板を持って来い!

警備員たちもそれぞれに散ってゆき、鈴木相談役も園子に促され会見場へ戻っていった。

あとには、さっきの職員とオレだけが残った。

スーツ姿のその男は、オレと目が合うと困惑した様子で半歩後ずさった。

「どういうおつもりでしょう」

「何のことだ」

「───しらばっくれんなっ」

オレが歩み寄ろうとすると、大人しそうに見えた男の気配が一変した。

ボワン!  

煙幕の中からトランプ銃が突き出され、照準がオレの眉間に向けられる。
斜に構えて立っているのは黒衣姿の少年。

「快斗…!」

「このアホ探偵。ニューヨークまで来て邪魔する気か」

「むしろ逃げやすくなったと思うが」

「どこがだよ。付いてくんな!」

会話しながら油断なく視線を巡らせていた快斗は、突然くるりと向きを変えると足音もたてず駆け出した。

「待て、快斗」

「呼ぶなバカ! 誰が待つかっ」

「いいから、こっちだ」

え?と怪訝な顔で脚を緩めた快斗の腕を捕り、オレは予め調べておいた非常口前のスタッフルームへ快斗を引っ張り込んだ。

「な、なんだよ、ここ」

オレの手を振り解こうとする快斗を引き寄せて口付けた。
うむむと抗議してもがく快斗を放さず、ぶつかるように壁に背を押し付ける。

「な…ばか、くど──…」

柔らかな唇の隙間を縫う。互いの熱が溶け合うのを覚え、陶然とする。


今夜、目の前であんなシーンが見られるとは思っていなかった。
黒衣姿で会見場に歩み出た快斗は、チャーリー警部の威嚇に動ずることなく軽い笑みさえ浮かべていた。
そして悠然と向き直るとワイヤーを射出し、あっという間に吹き抜けの天井へと舞い上がったのだ。

現れた白い怪盗が縦横無尽に会場を舞う。
辺りに響く怪盗の不敵な笑い声───。

ゾクゾクした。

あの怪盗を、オレは追い続けているのだ。これまでも。これからも。


ガツッ!

「痛てぇっ」

快斗の頭突き。久々に目に星が飛んだ。

「調子にのんな、バカ工藤っ」

落ちたキャップを快斗が拾い上げる間に、オレは扉の前に立ちふさがった。
快斗が再びトランプ銃を構える。

「それで俺を逃がさないようにしてるつもりかよ、工藤」

「一つだけ教えろ」

「やだね」

「まだ訊いてねえ。今夜落札された幻のゴッホの向日葵、本当は誰が狙ってるのか知っているのか」

「……テメーはどこまで知ってんだ」

「怪盗キッドに妙な依頼が舞い込んだらしい、ってのが、ある筋からオレに入った情報だ」

〝ある筋〟と聞いた快斗が小さく舌打ちする。

「どの筋だか知らねえが、これ以上余計な首突っ込むと周囲(まわり)を巻き込むことになるぞ」

「だから自分一人で守る気なのか、快斗」

「勝手に推理してろ。探偵の力は借りねえ」

「勘違いするな。オレは怪盗キッドを追ってるんだ。キッドが何かする気なら、おれはそれを阻止してやる」

「おもしれー。やってみろよ。できるもんならな」



〝コン、コン〟

ノックの音。
オレはハッと背にした扉を振り向いた。

〝おい、誰か中にいるのか───?!〟


快斗から目を離したオレの負けだった。
それが快斗のフェイク(腹話術)だと気付いた時は、もう遅かった。


白閃。

ホワイトアウトに包まれる。


「くそっ、行くな、快斗───!!」


〝あばよ、名探偵。次は頭突きくらいじゃすまねーぜ〟




「……快斗」

痛む目を擦ってようやく視界を取り戻した時には、すでに快斗の気配は完全に消えていた。


快斗…、逃がさない。絶対におまえを捕まえてやる。おまえだけ危険に晒して、あとから出て行くだけなんて御免なんだ。

探偵(オレ)がただの批評家だなんて、二度と言わせない。
だから、無茶はするな。
自分一人だと思うな。
快斗…。
怪盗キッド。






20150528
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※うう、お粗末さまです。伝わりにくい描写があったかと思いますが…当ブログにおいての快斗くんは〝頭突き〟が必殺技?なのです~(汗)。ちなみに〝ある筋〟とは千影さん~優作さんラインを想定してます(汗汗)。当初R18へ持っていこうと思ってたのですが、無理あるかー?と修正してこんなんなりました。スミマセン…_| ̄|○
『業火妄想』、とりあえず一段落としますが、いずれまた別パラレルを書くかもです。その時は『カテゴリ★業火妄想』を増設してまとめようかと思います。いつになるか不明ですが…(^^;)


●拍手御礼
「確率」「フェアリーナイト」「桜舞う宵」「明けの明星」「迷い鳥」「真贋」「囚人」「黒の鎖」「未明の道」「憤怒」「身代わり」「成功報酬」「寄り道」「誤解」、そしてカテゴリ★闇に棲む蜘蛛、カテゴリ★交錯、さらに「業火妄想」各編へ、拍手ありがとうございました!!

★今宵は匿名にて 様
同意ありがとうございます! そうなんです…予告編で思い切りキッド様フューチャーへの期待膨らんでいたので、見終わって物足りな感がどうしても拭えず(泣)。贅沢な不満なんですけどね(^-^;

★ザッキー様
拍手コメありがとうございました!!  新Kもがんばりますね~(^^;)
キッド様はあまり砕けない口調の方が私は好みなんですが、ザッキー様はいかがですか。よろしければ是非またお訪ねください~(^^)/(^^)/

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