名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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罠《1/2》(新一×キッド)

高校生の新一と怪盗キッド というパラレル設定の〝飛行船事件〟より、妄想の一部抜粋です。

―――――――――――――――


目が覚めると、隣に誰かが倒れていた。薄暗い。頭が痛い。

霞む目を凝らしてよく見ると、その〝誰か〟はモノクルを付けていた。

―― キッド。キッドじゃないか! いったいなぜ?!

なんとか起き上がってキッドの様子を伺った。仰向けに横たわり顎を傾け苦しげに眉をひそめているが、息は落ち着いている。見た目大きな怪我もなさそうだ……。
しかしシルクハット、マント、上着は身につけておらず、青いシャツ姿になっている。――モノクルと手袋はそのままだった。

同様に俺も上着と腕時計、ベルトそのほか武器になりそうなものは奪われていた。
そうか…。奴らに捕まって閉じ込められたのか。思い出してきた。

座り込んだ床から飛行船の機械的な振動が伝わってくる。薄暗く狭い、ここはサブの機械室か何かのようだ。


他の乗客を人質に捕られて、俺は黒ずくめの武装グループに追い詰められ逃げ場を失った。隙を突くしかないと手を挙げて観念した振りをしたんだ。
だが、いきなり後頭部に衝撃を受けて……後は…後は覚えていない。
首を動かすとズキリと殴打されたところが痛んだ。

しかし、キッドはその時俺と別行動で一緒ではなかった。それなのにどうして。



ガチャリ、と錠が解除される音がして小部屋の扉が開き、武装グループの連中が入ってきた。明かりが点けられ、眩しさに手をかざす。
二人……いや、三人。手にはマシンガン。リーダーと思しき髭の男はいない。最初に入ってきた男が目が合った俺に笑いかけてきた。下卑た口元。嫌な予感がした。


怪盗はまだ寝たままかい。おまえをを庇おうと邪魔するからだ。


え―――。なんだって。
じゃあ、俺が先に倒され、キッドは俺を助けようとして……?


一人が俺の背後に回り、腕を捕って後ろに回す。俺とキッドそれぞれに銃口が向けられていた。ガチャリ、と嫌な金属音がして、自分の腕に手錠が掛けられたことを知る。手首に冷たく重い金属の感触が纏わりついた。

倒れたままのキッドも体を返され、後ろ手に手錠が掛けられる。それでもまだキッドは目覚めなかった。


どっちからにする、ともう一人が言う。値踏みするような目。俺はキッドの側ににじりよった。

今度は探偵の坊やが怪盗を庇うのかい。仲がいいんだな。

おい、いっぺんにやっちまおうぜ、と手錠をかけた男がキッドに手を伸ばす。

やめろっ!

―――自分でも驚くくらい低い声が出た。


ふふ、と正面の男が哄う。
ここは狭い。それにこいつら手錠してても油断はできねぇ。やはり一人ずつだ。

俺の目の前に立った男が自分のズボンのファスナーを下ろす。嫌な予感が的中し、屈辱の汗が滲んだ。しかし俺が避ければキッドが……。

う、と呻いてキッドが身じろいだ。

瞬間、男たちの目がキッドに向かう。キッドが苦しげに喘いで口を開く。

―――よし…こっちからだ。目を覚ましてやる。

欲望に粘ついた声を出して、俺の前にいた男がキッドに近づく。


よせ!


すぐお前の番だ。少し待ってろ。


俺の目の前を銃口が遮った。

男は倒れたままのキッドのタイを引き抜き、シャツを引き裂いた。ボタンが弾け蛍光灯の下に白い肌が現れると、男たちの欲望が増幅するのがわかった。

キッドに手を出すな!

俺の叫びも男たちを興に乗せるだけだ。わかっているが、とても黙って見ていられない。

やめろ! やるなら俺を……。

俺を、なんだ?

下卑た哄いを浮かべ、キッドにのし掛かかろうとしている男が顔を上げて訊く。

…………

言えないのか、探偵さん。

やめろ。やるなら……俺を抱け。


ククク、ハハハ、と男たちが一斉に笑う。

分かってるよ。いま言ったろ。ちょっと待ってな。

そう言うと男はキッドに口付けた。
キッドの咥内を思うさまむさぼりはじめる。

思わず俺が体を動かすと背を突き飛ばされ、キッドのすぐ側に倒れ込んだ。

その時―――
ふわ……とキッドの白い手袋が舞うように動いて……己の口を犯す男の首を抱くように両手が回された。

俺も、男たちも一瞬意味が分からず息をのんだ。


手錠は。


気付いた俺は、脚で背後に立つ男の足を払い、倒れた男のアゴを思い切り蹴り飛ばした。





つづく

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