名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
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蒼い霧(新一×キッド)R18

※新一視点、ダーク系R18ショートです。
『カテゴリ★こういうこと』の裏ストーリー的な…。

――――――――――――――――――

蒼い霧の向こう側に、朧(おぼろ)に月が霞む夜。

飼い慣らしてるはずの狂気が胸の扉を開けて貌を現す。

満月に照らされた狼男が人から狼に変わるかのごとく、こんな夜は抑えられぬ衝動に憑かれて――俺は目の前の獲物を苛むことに悦びを見い出そうと思い立つ。

腕を掴むと俺の瞳の奥にちらつく金色の焔に気付いたキッドが小さく首を振って後退さった。
しかし、逃げ出すことはない。
この屋敷が、この部屋が、このベッドのシーツの上が自らを繋ぐ檻だと解っているから。キッドもまた狂おしく灼かれ炙り出されるまま全てを見失い〝無〟になる快楽を覚えているから。
だから逃れられない。逃れようと思っても、体が動かない。相反する想いに――恐怖と欲望に体を左右に引っ張られ、身動きできなくなる。
立ち竦み、青ざめて俺を見つめ返すだけ。震えて。俺の手に喉を掴まれ、掠れた吐息を漏らすのがやっとだ。ああ、と。

キッドは喉を掴む俺の手首を掴んで精一杯の抵抗を表す。一言。愚かな悪足掻きだ。


やめろ、工藤。と――


俺は哄った。望んでいるのだろう、おまえも。
嘘ばかりつく怪盗の唇を塞ぐ。両手でその細い首に指をくい込ませながら。

声にならない息を漏らし、キッドが崩折れるようにシーツの海に背を沈める。シルクハットを奪い、モノクルの飾り紐を指に絡めてひき剥がす。

キッドが顔を背けて唇を噛む。
その横顔の頑なさに。
――ゾクッとする。苦しめたくなる。

俺の前に素顔を晒しても、たとえ身を覆うすべての仮そめの衣装を剥ぎ取りその体を深く犯しても――瞑った目をキッドは開こうとしない。

心の奥底までは決して俺に覗かせることのないよう。

凌辱の堪えられぬ快楽に身を捩り俺の背に爪を立てても、キッドの心は今なお俺を許していない。
俺は今夜こそ、その瞳を俺に向けさせようと企む。

どうやってその瞼を開かせ俺の存在を認めさせようか。どうやってこの美しく頑なな獲物の心の芯まで侵そうか――。

頬を打ち、髪を掴んだ。朱く血が滲む唇をこじ開け、息ごと奪うように咥内を貪る。

胴に手を伸ばし、力任せにひくつく肌へ指をくい込ませた。


愉しい夜が始まる。


俺とキッドの…狂おしく霧に咽ぶ、二人の夜が。







20120604


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