名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
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2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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ホスピタル(新一×快斗)
―――――――――――――――

『工藤くんが警察病院に入院しました。このことはごく一部の人間しか知りません』

めずらしくメールではなく電話の着信。あれと思って出ると、俺が応答する前に〝相手〟が勝手に話し始めた。

そしてそれだけ言うとブツッと切れた。白馬の声。……あのお節介。

しかし、悔しいが気になった。
工藤の携帯からかけてきた。どうして。工藤はどうしているのか。警察病院と言うからには、何か捜査に同行して巻き込まれて怪我でもしたのだろうか。入院するほどなのか。まさか……。







――右腕が上がらない。

目も見えない。包帯で覆われているから。

とっくに消灯時間は過ぎ、付き添ってくれていた佐藤刑事も帰った。

俺がここにいることは警察関係者しか知らない。余計な心配をかけたくないからと、誰にも知らせないで欲しいと俺が頼んだからだ。
大事をとっての入院で、一晩様子を見て問題なければ大丈夫と言われている。大丈夫な事は自分の体なのだからわかる。休めば回復する。大丈夫だ。

ふわ、と部屋の空気が動いた。
覚えのある気配――。

「キッド…? それとも快斗か」

「俺」

快斗だった。

「よく入ってこれたな」

「俺に入れないところはない」

「よく言うぜ。誰に聞いた」

「白馬」

白馬が快斗に。……少し複雑な気持ちになる。

「何があったんだよ」

俺は答えずに動く左手を伸ばして快斗を近くへ誘(いざな)った。
快斗がベッドに腰掛け、俺の左手を握ってくれる。

「……たまにはいいな、こういうのも」

「ばぁか。暢気なこと言いやがって。大丈夫なのかよ……目、やられたのか?」

「いや。右の瞼に破片が当たってオイワさんみたく腫れちまった。明日には普通の眼帯になると思う」

「ならいいけど……他には」

「右肩の亜脱臼。転んだ時に変に手をついたから。入院するほどじゃないんだ」

実際はちょっと違うが、細かく全部言うこともないだろう。



――工藤のヤツ…なんか嘘っぽいけど、まぁいいか。
傍らには工藤の携帯電話が置かれていた。
白馬はどこから発信したのだろう。
白馬のことを工藤に聞くのも憚られ、とりあえずその点は今は考えないことにした。

警察がこの件についてひた隠しにしてるのは、高校生探偵を引っ張り出しておいてケガ負わせて入院させたなんて世間に知れたらまずいからだ。
俺に言わせりゃ工藤も人がよすぎる。

「…あんま無茶すんなよな」

「快斗に言われたくねーよ」

「ちぇっ」

俺は立ち上がった。

「じゃあな」

「えっ? もう少しいいだろ」

「甘えんのかよ、名探偵」

工藤が毛布をめくる。まじで? と言いながら俺は隣に滑り込んだ。そしたら。
扉がスライドし、工藤さーん、大丈夫ですかー? と看護士が顔を覗かせた。

はい。おやすみなさい、と工藤が返事をしている。

扉が閉まる。

「……やっべ、焦った! 」

看護士は灯りを落とした病室内をさほど注意して見なかったらしい。おかげで助かったが、慌てて頭まで布団に潜り込んだ俺は息が止まりそうになった。
そして二人して声をひそめて笑った。

「てか、ヤバいだろ日本警察の救世主がベッドにオトコ引っ張り込んでるとこ見つかったら」

「それ以前に警察病院に無断で忍び込んでんの見つかったらソッコー逮捕だぜ」

くすくすと忍び笑いしながらお互いの温もりに安堵する。
工藤が俺の頬を片手で探るようにしてたどり…指先で俺の唇に触れる。俺はオデコを工藤の額に押し付けた。

「――もしかして痛い?」
「大丈夫……」

俺はそうっと工藤に口付けた。
なんだか切ない。いまこうしていることが。密やかにしか側にいられないことが。

「俺やっぱ帰る」

このまま動けなくなってしまいそうだから。

「もう少し。あと30分」

「ばか。5分で帰る」

「じゃあ、あと15分――」

意味もなくそんな事を囁き合って目を閉じる。

起き上がれるだろうか、本当にあと5分で。

手をつなぎ、額と額をくっつけて。
工藤の息吹を感じながら、俺はこの温もりに身を任せた。

いまだけ。あと少しだけ。何度も自分にそう言い聞かせながら。





20111126


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