名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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新月 newmoon(3/3) 新一×快斗(R18)


シャワーから飛び散る熱い雫が肩の噛み傷に当たり、ヒリヒリと痺れてとんでもなく痛んだ。

肩を押さえて呻いていると、またしても髪の毛を掴んで引っぱられた。
さすがにガマンできない。

…いてえよっ、フツーにできねーのかよ、このドS探偵ッ!

湯気に包まれた中で、目の前に工藤の瞳があった。ズキリと心臓が跳ね上がって…なんでズキリとするのか分からなくて焦る。

俺は、コイツをどう思ってんだ?

――コイツは…俺を―?


バタン!と音がして我に返った。バスルームの壁に立てかけられていたデカくて分厚いビニールマットが床のタイルにでーんと広がり存在を主張していた。ここでやられんのか…。観念してヤツに押されるまま俺はマットの上に膝と手を着いて四つん這いになった。


脚、開け。

………

四つん這いになるだけでも屈辱的なのに、さらにもの凄く屈辱感を煽る命令だ。眼を閉じて従う。ドSに逆らっても意味がない。

――!

背後から脚の付け根…内股へと指が這う。鳥肌が立った。
もったいぶるように周辺を彷まよっていた指先が不意に後ろに侵入を始め、俺は思わずヘンな声をあげてしまった。

探偵が笑った気がして、自分のみっともなさに震えが走る。一番弱い、脆い部分を執拗に指で弄ばれ、助けを請いそうになる。温められた肌と、ヤツが手にしたぬるぬるした液体のせいで侵入が容易くなっていくのが分かった。

くっ…。

体の芯を徐々に押し割られ圧迫されてゆく息苦しさに吐き出す息が短く速くなってゆく。

姿の見えない相手に背後から貫かれるのは『抱き合う』という感覚からは程遠く、腰を捕まれ打ち付けられる衝撃の波からはひたすら体を犯されているというマイナスの感覚しか湧いてこない。
しかし――やがてその果てに、思いもよらず疼くような…体の奥を弾かれるような切なさが加わって、どうする事もできない混乱が始まった。
前に着いた手が震え、繰り返される衝動に翻弄されてついに俺は――屈服した。
逃げられない歯がゆさに悶えて、上体が崩れ落ちる。自分の喘ぐ声がバスルームの壁や天井に跳ね返り響きわたって恥ずかしさに頭がおかしくなりそうだ。

ふ、と圧迫感が消え、体を返された。
薄暗く湯気に煙る天井にオーロラのように淫靡な照明が揺らめいて反射しているのが見える。

そして、工藤に見下ろされている事に気付き顔を背けた。

キッド。とヤツが呼んだ。
返事はしない。
できない。
いま俺はキッドじゃなかった。
恥ずかしさと、悔しさと、言い表せない感情に囚われて身動きできずにいる黒羽快斗だった。

開かされた脚の膝裏にヤツの両腕が差し込まれ、持ち上げられて腰が浮く。背けた唇を捕まえられ、口付けられ、そして再び奥を穿たれると、痙攣する俺の体がヤツを締め付けるのだ。
熱い。狂おしい。俺は…俺はどうかしてる――こんなに――感じてしまうなんて。



気づいたらバスルームではなく、ベッドに俯せに倒れ込んでいた。のぼせたのか、眼を閉じていても頭がくらくらする。

赤黒く変色を始めた腫れた肩にヤツが手を置いた。気遣うかのような素振りにイラつく。自分で噛みつきやがったくせに。いてぇんだよ、バカヤロー、と声に出した。
ヤツが何か言ったようだが聞きとれなかった。謝ってんじゃねーだろうな。
ふざけんなよ…すげえ痛かった。今も熱を持って疼いている。もう一度バカヤローと俺は言った。



結局最後までいいように俺はヤツに
遊ばれた。
休憩から宿泊に切り替えた探偵に、非道なヤツだがコイツがリッチな坊ちゃんでよかったと少しばかり感謝すら覚えながらヘトヘトのガクガクになった俺はやっと眠るのを許されたんだ。明け方無理やり起こされてもう一回されたけど。とにかく、これで約束は果たした。もう文句は言わせねぇ。
ああ…長かった……。



そして、うつらうつらしながら思い出した。
あの時の小さな名探偵――。


あの時…俺たちは物陰でテロリストどもの銃弾を避けながら、脱出のタイミングを図っていた。そして、連中の様子を窺おうと俺の目の前に身を乗り出した名探偵のほっぺに――俺はチュウをしたんだ。

…かっわいいなァ名探偵。喰っちまいたいくらいだ。

そう言ったら、名探偵は真っ赤になって怒り出したんだった。

――……それだけ?

何度思い返しても、それだけだった。
あの一言が名探偵にはそんなに我慢ならない侮辱に聞こえたのか――?

なんでーー?
あんなん…ただの、ふと思ったことを口に出しただけの、軽口じゃんかー。

涙がでた。てか泣いた。
ホントにかわいいと思っただけなのに…。




―――――――


俺は制服を着て昨日と同じ中身のカバンを抱えて学校に向かってトボトボ歩いていた。

いつ探偵と別れたんだか記憶が定かでない。全身のあちこちが(特に肩と腰が)疼いて何も考えられないような状態だった。

と、突然制服の内側からブブブとバイブの響きがして、俺は飛び上がった。

ポケットに入っていたのは昨日川原の土手で探偵から預かったままの携帯電話だった。がーん。何なんだろコレ。
めっちゃ嫌だったが仕方なく開いて画面を見た。
メール着信1件。

『これは俺からの連絡用だ。持っとけ。着信拒否したり捨てたり壊したりしやがったら今回くらいじゃ次は済まさねえからよく考えて行動しろ。とりあえず変な考えを起こさなければ当面は黒羽もキッドもほっといてやる。ありがたく思え』

…だと。

俺はどっかの映画のセリフのように『明日考えよう、明日になればきっといい考えが浮かぶはず』とかろうじて自分に言い聞かして、後はもう探偵の事を考えるのを一切放棄したんだ。







20110906




―――――――

うーむ。

こんな展開になるとは。

キッド(黒羽)も工藤を別に嫌っているわけではもちろんないのです。
いやよいやよもナントカですね(大汗)。




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