名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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unnecessary(新一×快斗)R18

―――――――――――――――

サッカーしてて足をくじいた。軽い捻挫。歩くと痛い。走るのはちょっと無理だ。

こまった。
怪盗の次の〝仕事〟が迫っているのに。

獲物は今週末に来日する〝お宝〟だ。GETを予定している日までまだしばらくあるが、下準備に支障がある。足を引き擦っていては変装しても目立つし、目立たないことが第一条件の下見を自分でできないとなると――次の獲物は諦めざるを得ない。

こればかりは他の誰にも頼めない。
仮に寺井ちゃんがやると言ってくれても、やはり自分の目、自分の感覚で確かめた情報でないと、いざという時に対応できない。

悔しいが――諦めるしかない。





「どうしたんだ、右足」

「捻った」

「捻挫かよ。医者行ったのか」

「行かない。……なんだよ、テメーはこのとこすぐそうやって」

「足が痛くちゃ逃げられないだろ」



――工藤を利用できないだろうか、と考える。工藤ならお宝に近づく事が可能かもしれない。泥棒を頼むわけにはいかないが――

「なに考えてる、快斗」

「なにも。……あっ」

「嘘はつくな」

「嘘なん、て、ああっ!」

「正直に言わねぇと」

「あ! ま、待てっ、工藤…!」

工藤の奴……やはりスルドい。わずかに芽生えた俺の下心をすぐに見抜くなんて―――

「言わねぇと眠れねーようにしてやるぜ」

「脅す気かよ…。別に何もないって言ってんだろ。…くっ」

強がっても体は工藤の〝言いなり〟だ。さっきから焦らされて、つらくてたまらない。

「言えよ。何か企んでるだろ」

「決めつけん、なっ…!」

「強情だな、相変わらず」

「テメーこそっ、このドS!」

工藤の目がだんだんマジでやばい感じになってきた。でも言うわけにいかない。探偵を利用して犯罪の片棒担がせようなんて――言ったら半殺しにされる。


「ああっ…、うあっ!」

激しく突き上げられて気が遠くなる。喉からは掠れた悲鳴しかでてこない。

さっきまで何を考えていたのか――どうでもよくなってしまった。工藤もそうだろう。
繋げた体が伝える熱に侵されて、互いを感じあう事に夢中になってのめり込む。
工藤と抱き合い真っ白に灼かれる瞬間、何もかもが消え去っていろんな過去の疵が埋められる気がする……。

工藤…。くどう――。





(あ。イテッ)

床に足をついて、捻挫していた事を思い出す。

「快斗」

「…起きてたのか」

ベッドに付いていた腕を引かれたので、かがんで工藤にキスをした。

「なんか俺にしてほしいことがあんじゃねぇのか」

「……なんで」

「顔に書いてある」

「嘘つけ」

探偵の直感には参る。
それとも本当に顔に出てるのか。

「……ちょっと思っただけで、本当に頼む気なんかないよ」

「俺が出来ることならするぜ」

「………」

一瞬迷う。
口に出してしまおうかと。
『月に翳して見るだけでいい』と――。

「…いや、いいんだ。大丈夫。何とかなるから」

まだもの問いたげな工藤の眼差しから目を逸らす。

いいんだ。いつかまたチャンスは来る。来なければ自分で作ればいい。

「明日さ、ほんとはサッカーの試合だったんだ。でも捻挫しちゃったからお役御免」

「ふーん? てことは、明日空いてんのか快斗」

「まーな」

「俺も」

それから起き上がって二人でバスを使ってこれでもかとくっついてじゃれ合って。少し遅い晩飯を一緒に作って食べて片付けて明日何するか相談しながら寝た。








数日後の深夜、工藤からメールが来た。

『何も現れなかったぜ』と一言。

まさかと思って短いメールの画面を見つめていると、すぐにまたもう一通届いた。

『今回だけだからな』

「……」

返信すると強請られそうだから返信はしないで携帯の電源を落としてゴロリと寝転んだ。



あの探偵、時々信じられないことしやがる――。

どんな手を使って……いや、主催者や警察をどんな口車に乗せてお宝を手にしたのか。想像しても分からないが、工藤なりのやり方で――どうやら月に翳してみてくれたようだ。


バカなヤツ……余計なことを。

今回だってやろうと思えばやれた。大事をとって見逃しただけのことだ。それなのに。


電源を切った携帯をもう一度手にしたが、結局また投げ出した。
なんて言えばいいのか、わからなかったから。
工藤の顔が浮かんで邪魔で仕方ない。俺は明かりを消してベッドに潜り込んで体を丸めて自分の肩を抱いた。

ばかやろう。おやすみ。…ありがとう。そう心の中で呟いて、目を閉じた。




20111119

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適当なタイトルが思いつかず、「余計な/不要の」という意味の英単語をタイトルにしてみました…。





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