名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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喧嘩(新一×快斗)

――――――――――――――――――

向き合うなり工藤に肩をど突かれた。

身に覚えがあるので、若干下手に出る。



「なんだよ工藤、痛えだろ」

「そりゃ痛てーだろーよ! 快斗っ、おまえなんでオレの前に飛び出したっ」


――くそ。やれやれ。

深夜に人ん家まで押し掛けてきて、シカトしてっとドンドン玄関のドア叩き始めてピンポンピンポンうるせーし、ご近所さんに迷惑だし、万一誰かが警察に通報でもしたら堪んないので仕方なく家に上げたらやっぱコレかよ。もう、溜め息しか出ねえ。


「…知らねーよ。何のことだよ」

俺を睨む工藤の頬に血の色が差す。

うう、やばい。ついいつものクセでしらばっくれてしまう。だがこれは工藤が一番嫌うパターンだ。マズい状況だってことはわかってる。わかってんだけど。

バン!

(い…ってえ)

チカチカ星が散った。頬を張られてさすがにカッとなる。こっちも怪我してない方の手で工藤をど突き返した。

「てめえっ、何様だよっ」

「おまえが馬鹿だからだろうがっ! 肩見せろっ」

「やめろっ、出てけよ!! 帰れ!」

「いいから傷見せろって言ってんだ!!」

工藤邸のようにただっ広くない、普通の一軒家のリビング。高校生男子二人が取っ組み合いを始めたら、すぐに部屋中が滅茶苦茶になる。

チクショウ、だから家に上げたくなかったんだよ。誰が片付けんだよ。
なんだってこんな目に。

来るかも知れないとは思ったけど、予想以上に早く現れた工藤。俺を心配してんのと、庇われてアタマに来てんのと両方なんだろう。

しかし、俺はちょいと怪我したくらいじゃ医者の世話になるわけにいかない。自分で手当するとなると自分のテリトリー内しかない。
ほんの少しだけ――来るかも知れない工藤を避けるために――白馬の事が頭を掠めたが、こんな時だけ白馬を頼るのはそれこそ虫がよすぎてそれもできなかった。
朝まで時間もない。明日も平日だし。
結局、自分の家に戻るしかなかったんだ。

で、この現状。

傷が痛くてもそんな素振りは見せられねーし、無理やり服引っ張られてビリとか音するし、まじ散々。疲れてんだっちゅうに、このアホ探偵が。

「くっ」

ドタバタやってるうちにケガしたところをぶつけ、つい声を漏らしてしまった。

工藤の動きが止まる。
俺も。
もう、動きたくない。

「……わかったよ。わかったから」

体力に大きな差がなければ、こーいうのってやっぱりよりアタマにきてる方が勝つもんだ。観念してそう言うと、工藤は顔を背けている俺をしばらくじっと見詰め、それからやっと手を離した。

今だ。

「あっ!?」

驚いて声を上げたのはまたしても俺の方だった。
工藤を油断させ、こうなる事を予測して家具の隙間に仕込んどいた睡眠ガス弾を使い、とりあえずこの場を凌ごうと思ったが甘かった。
工藤には手の内を知られてる。あっさり見抜かれ、振り上げかけた手を掴まれてしまっていた。

「イテッ!」

腕を捻られてポロリと仕込みを落とす。
くっそ。

「ギブです……。ごめんなさい」

俺は本当~~に観念し、しつこい名探偵に敬意を表してそう言った。







工藤は何も言わなかった。
もしかして求められるかと思ったが、そうもならなかった。

ふたり、狭い俺のシングルベッドに並んでくっついて横になった。
疲れてた。工藤もだろう。もう3時近い。横になったら、工藤はあっという間に眠ってしまった。

俺も……すごく眠い。だけど、なぜだかすぐに寝付けなくて。工藤の寝息をすぐ後ろに感じながらウトウト目を閉じた。


おやすみ…名探偵。

ごめん。

ありがと……。







20120426


――――――――――――――――――

あとがき

ケンカさせてみたい♪ というのが目標だったので……どうしてどのように工藤くんを庇って快斗くんが怪我をしたかの細かい経緯は省略しちゃいました(*_*;
ご想像におまかせします…ごめんなさいー (+_+)(+_+)。


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