moonlight 新一×快斗

紺青の命運（新一×快斗）
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お宝を盗むのが俺のシゴトだ──！

「いつ行くんだ。シンガポール」

「…え？ ああ、来月…」


───ん？


あっ！！！！？？

俺はベッドから跳ね起きた。

ここは工藤んち。工藤の部屋。夕べは次のシゴトの下調べで夜中になり、ここに着た時には工藤は既に寝入っていたのだ。

「く、工藤っ、テメエ！」

朝陽がカーテンの隙間から射し込み、目の前の工藤と俺の間を分かっている。

「ふん。ポーカーフェイスの怪盗の口を割るには、油断している寝起きが一番だからな」

「き、きたねえぞ！ …ってか、なんで俺の次のシゴト知ってんだ！」

「カマ掛けただけだ」

パジャマ姿のままの工藤はあっさり言って目線をはずした。

「世界最大のブルーサファイアがシンガポールの銀行の大金庫に移されたって、こないだから随分ニュースになってたからな」

うぐぐ。カマ掛けただとおっ。

「一人で行くのか。日本での〝仕事〟とは勝手が全然違うぞ。警備には警察とは別に厄介な連中が絡んでるという情報もある」

「関係ないね」

くっそ。どこのソースか知らないが、俺が寝る間も惜しんで毎晩情報かき集めてるってのにラクして情報手に入れてやがる。

「本当に解ってるのか、快斗」

「何がだよ！」

「やめとけ。危険だ。キッドにはFBIや公安のように組織の後ろ盾もないんだ。無謀すぎる」

「いるさ。俺にだって仲間くらい」

「寺井さんはギックリ腰だって聞いたぞ」

「誰に！」

「それは…」

「いや、言わなくていい。まったくもう」

──白馬しかいない。アノヤロウ。

「とにかく俺のシゴトに口出すな！ 探偵に理解してもらおうとは思わねー」

シーツを剥いで立ち上がろうとしたら、工藤に腕を捕られた。

「…んだよ。放せ」

「放さない」

「テメーに心配なんかされたくねえんだよ！」

工藤の手を振り解こうとしたが、工藤が手を放しやがらねえから二人してベッドの上で揉み合いになった。

「しつけえ！ 放せ工藤！」

「いやだ」

頭に来て頭突きの一発もかましてやろうと思ったら、工藤は真顔で俺を見つめてこう言った。

「オレが付いていく」

「ハ？」

「おまえと一緒にシンガポールへ行く。オレがおまえのバックアップをする」

「ハア…？！ なに言ってんの？ 探偵のくせに盗みを手伝おうってのかよ」

「盗みは手伝わないが、おまえがやられないようバックアップする」

「馬鹿か。冗談じゃねえ。足手まといだ」

──？！

工藤のやつ、今度は俺の両肩を抑えつけて上に乗っかってきやがった。

「快斗」

「重い。どけ」

「オレは今、とてつもなくヤル気になってる」

「や…やるって」何を。

あまりにも工藤が真顔なので逆に混乱する。

と、次の瞬間にはキスをされていた。いきなりの深いキスだ。
苦しくて、気が遠くなる───。


「ぷはっ、はあっ、はあっ、…て、てめえ」

ようやく解放され、俺が酸素を必死に取り込んいる間にＴシャツを剥ぎ取られた。

「な、なんでシゴトの話からこうなんだよ！」

解ってる。文句を言ったところでこうなったら工藤は止まらない。
俺だって止まらない。

言いたいことは山ほどあるのに。

全部後回しにして。

柔らかな陽が射す明るい部屋で、俺たちは互いの熱さに没頭し前後不覚の波にのまれていった。






20190223
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●拍手御礼
「アブノーマルII」「《特別パラレル》ルパン三世VS怪盗キッド」「変異」

※『紺青の拳』最新予告映像の音声と映像がすごすぎて昨日から眩暈です。快斗くん、心配だよう…(T_T)。

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