名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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不可侵領域(白馬×快斗)
※江古田高校二年男子〝某くん〟目線の雰囲気?白快。緩いですスミマセン(*_*;
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「どした、屋上で昼メシ食うんじゃねえの? 時間なくなるぜ」

「と思ったけど、無理」



屋上の扉を開けた悪友がUターンして階段を降りてくる。

「なんで?」

「屋上すげー混んでる。定員オーバー」

「ええ?」

「見てみ」

促されて扉を押し開ける。

「わっ」

ほんとだ。
なんでこんなに屋上に人がいんだ? 確かに外の空気を吸いたくなる気持ち良い気候だけどさ。

「…って女子ばっかじゃん。あ、でも向こう側は空いてる」

「バカ。あっちに行ったら大変なことになるぞ。真ん中に線が引いてあるだろ」

「ええ? せん? どこ?!」

「女子たちが引いてる〝絶対不可侵領域〟だよ」

なんだそれ。
隙間から首を伸ばしてもう一度外を見る。
わらわらと屯(たむろ)している幾つもの女子グループ。男子も少ないが混ざっている。

で、どこが不可侵だって? 何に対しての?

そこでおれは気が付いた。悪友の言う〝不可侵〟の対象が何なのか───それが誰に対するものなのか。

「…あー、白馬と快斗かァ」

「というわけで、大人しく教室で食うべえよ。戻んぞ」

「先行ってて。すぐ行く」

「早く来いよ。次、教室移動だぜ」

「おう」

悪友が先に階段を降りていってしまうと、おれはもう一度扉を押し開け、屋上に足を踏み出した。

外に出てみると人垣は思ったほどではなく、入口周辺に固まっていて、あとは外柵に沿ってグループごとに輪を作り、お喋りしたり、弁当食ったりしている。

おれはあいつらの表情が判るところまでぶらぶら歩いて近付いた。〝不可侵境界〟のギリ手前。
そこに陣取っている三年のオネー様方四人が、どうやら今日のここでの上位グループらしい。その四人の位置を超えた先には誰もいなかった。
白馬と快斗の二人以外は。

オネー様方にチラ見され、おれは一歩下がって柵に寄りかかった。
顔を上げ、天を仰ぐ。

いい風だ~。

深く大きく胸に風を吸い込むと、風に誘われたように笑い声が聞こえてきた。
快斗だ。

周囲の空気も軽く明るくなるような気持ちのいい笑い声。あんなふうに快斗が笑ってると無性にほっとする。
聞き取れないけど、穏やかな白馬の声も風に乗って微かに聞こえる。
なんでかわかんないけど、すげー癒される。

だからみんなここにいるんだな。
解る気する。
おれも、あいつらが気になるから。
二人が一緒にいると安心して、見守っていたい気持ちになんだよな。

白馬と快斗はごくごく自然に二人並んで佇んでいた。
付かず離れずの距離で。
ああして時間を共有し、一緒に空を眺めて過ごしているんだ。時々何かを話し、時々肩を揺すって笑い合いながら。

時折り互いの耳元に唇を寄せる素振りでもしようものなら、途端に境界のこっち側が色めき立つ。
とはいえ騒いで二人を邪魔するようなやつは誰もいない。みんな一緒にいる二人を見ていたいんだ。二人が寄り添う姿に安心してるんだ。
不思議な現象だけど。
みんな二人が好きなんだ。

白馬はイギリス帰りの甘いイケメンで、もちろん英語は堪能、成績優秀。背は高いし仕草も繊細で女子が憧れるのは当然だ。男のおれから見てもカッコいい。
快斗は快斗で、入学早々イベントでマジック披露したりしてあっという間に人気者になった。いまや学校内で知らないヤツはいない有名人だ。

だけど…快斗のヤツ、白馬が来て少し変わったんだよな。
居眠りが減ったし。前はしょっちゅう机に突っ伏して、顔色悪くて大丈夫かよと思ったりしたけど。
それに、明るい元気小僧って感じはそのままだけど、たまに見せる横顔が妙に…愁いがあるっつーか。…イロッポイっつーか。
本人無自覚だろうけど、伏せた睫毛とか綺麗でさ。普段騒いでる時とギャップがありすぎて、そういうの見るとドキッとすんだよな。

あの二人、最初のうちはろくに口もきかなかったのにな。
誰に対してもフレンドリーな快斗にしちゃ珍しく白馬を無視したりしてさ。白馬が話しかけてんのに席立って行っちゃったり、目が合うとそっぽ向いたり。
二人が掴み合いになるのを見たってやつもいたっけ。

それから二人の間にどんなやり取りがあって、どう変わったのか知らないけど。
だけど今の快斗の顔を見れば、誰だって良かったなと思うだろう。

白馬の粘り勝ちかな。
普通は無視なんかされたら声かけなくなると思うけど、白馬は何度も何度も諦めずに快斗に話しかけてたもんなぁ。
そして、いつの間にか快斗は白馬から逃げなくなったんだ。少しずつ少しずつ白馬は快斗に近付いて、快斗の心の鍵を見つけたんだ。

今も快斗は時々照れて白馬を無視する。でもそれは以前みたいに拒んで無視してるわけじゃない。そのくらいはおれにも解るよ。
白馬が困ったように苦笑すると、快斗もそっぽ向いたまま笑うんだ。白馬に見えないように。

あっ、やべ。もう教室戻らなきゃ。昼休みが終わっちまう。速攻で飯食わないと。

おれが駆け出すと、背中から風に乗って笑い声が聞こえてきた。明るく笑う二人の声が。

白馬と、快斗の。






20140914
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※あれれ…導入だけ第三者目線にするつもりで書き出したんですが、なりゆき雰囲気でショート一本にしてしまいました(*_*;
※新作アニメで白馬くんの中の方交代前にもう少し白快書いておきたいので、次も白快予定です。次こそ目標メチャ甘R18~(>_<)!!

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「グッナイ・サマー・バースデー」「憤怒」「コールナンバー」そして「ひとりごと/はじめまして」に拍手?! ありがとうございました~(^^)/  

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