名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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秋憂《3/3》(白馬×快斗)R18
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おそらく黒羽は自ら抱える葛藤を越え、僕の前に現れたのだ。

そして僕も。
こんなにも黒羽を求めていたことを驚きと共に思い知る。



ずっと抑えてきた秘めた願い。それを遂げる時が訪れたのだ。

一気に爆ぜた想いがぶつかり合い、僕らは瞬く間に前後不覚に陥った。
いまがいつか、ここがどこかなどという些末な事柄は、完全にどうでもよくなった。

ただ嬉しくて。共に在ることを、真に確かめたくて。僕らは必死になった。

僕は何度も黒羽に口付けた。
黒羽の肌はどこも敏感で、天の邪鬼な普段の黒羽からは想像できないほど素直な反応が返ってきた。
薄紅に火照る黒羽の素肌の美しさに、僕は溺れるように没頭した。


やがて僕らは半裸でベッドに倒れ込んだ。重ねた肌は熱く、互いに強く高まっているのを自覚する。

黒羽と目が合う。
額が接するかというほど間近で。すでに僕はこのとき黒羽の下肢を抱えていた。

「消せ」

「……?」

「…でんき」

発した自らの言葉を恥じるように黒羽が顔を逸らせる。さらに熱を上げ、頬が染まるのが判った。

「僕は、このままでもよいです」

きっと黒羽が横目で僕を睨む。

「バカヤロー。知らねえぜ…でかい声出しても」

「脅しですか、それは」

黒羽の秘所をそっと撫でつつ微笑むと、黒羽の表情がはっきりと強張るのが判った。
唇を噛むその様子に、僕はすぐに反省した。
スイッチを操作して部屋の灯りをフットライトだけにする。
僕の部屋が、朧に浮かぶ秘めやかな空間へと変わった。

今夜何十回目かの口付けを、僕はゆっくりと黒羽に施した。



余裕はなかったが、それでも僕なりに黒羽を気遣った。自分の衝動を懸命にコントロールし、黒羽を宥めながら。

かなりの時間をかけ、僕らはようやく完全に一つに成った。それだけで陶然とし、あまつさえ僕は瞬時に果てそうになった。
懸命に堪え、黒羽の胸に額を押し当てる。

黒羽が愛しい。出来ることなら一緒に達したかった。
僕は指を伸ばし、黒羽の中芯を包むように慈しんだ。黒羽が僕の腕を掴み、何度も首を左右に打ち振る。勢いで迸りそうになり、また慌てて息を詰めた。

片腕で黒羽の頭を抱るように抱き寄せ、さらに急かすように促してゆく。黒羽は『ああ』と嘆くと大きく息を吐き出し、全身を震わせた。

僕ももう限界だった。黒羽の体が弛緩している今が一番無理がない。ゆらゆらと揺らし始めると、ぐったりしていた黒羽がハッとしたように目を開けた。

黒羽が僕を見つめている───。

不意に目が霞み、黒羽の表情が見えなくなった。
頬にそっと触れるもの。黒羽が伸ばした手のひらだった。黒羽の指が、僕の頬を伝う雫を拭っている。

あとはもう、ただただ夢中だった。
自分の吐息と、黒羽の吐息が交わり、重なり、すべてが同調し伝わり合うのを感じる。

僕は無意識に黒羽の名を呼んでいた。
ずっと呼んでみたかった〝名前〟…君の名を。

僕は、呼んだ。何度も。

〝快斗〟と……。











窓の外が白み始めている。
部屋の中でもひんやりとした秋の空気が感じられるようだ。昨日ひとりで憂うような夕焼けを見ていたときには、想像も出来なかった特別な夜になった。

スマートフォンをサイドテーブルに起いて、僕はもう一度ブランケットに潜り込んだ。
隣には黒羽が眠っている。
自然に笑みが浮かんだ。人の温もりがこれほど心地良いということを、僕は初めて知った。

「部屋がぐちゃぐちゃだな」

「…目が覚めていたのですか」

努めて平静を装ったであろう黒羽の声は、しかし熱の余韻を残して掠れていた。それが自分でも解ったのか、小さく舌打ちをして僕から顔を背ける。

「何時だよ、いま。何時に出んだよ」

「今、ばあやに迎えは不要だとメールをしたところです。出発は延期すると」

「えっ」

「両親が許してくれればですが。当日キャンセルではフライト代は戻ってきませんし…次はいつ旅立てるか」

「な、なに悠長なこと言ってんだよ。急げば間に合うんじゃねーのかよ?!」

「さあ。間に合うかもしれませんが、行きません」

「・・・・」

「とにかく、いったんすべて白紙に戻し、仕切り直します」

「なんだよ、それ。詐欺じゃねーか。おめーが行っちまうと思ったから、俺は…!」

「ちなみに、いまこの家には僕らしかいません。父は出張、母は親族の行事に招かれていて」

「・・・」

「僕の出発と重なって母は断るつもりだったようですが、僕が構わないからと言って送り出したんです」

「だ、だからテメー落ち着いてたのか! 俺はずっとビクビクしてたのに…」

「これだけ暴れてよくいいますね。まあ、うちの家族は眠りが深いですから、いても気付かなかったかもしれませんが」

「詐欺!」

「なにがです」

「家族がいると思ったから、すげー我慢したのに…」

「なにを我慢したんです」

「知るか、ふざけんな!!」

完全に僕に背を向け、背を丸めて黒羽がふてくされた声を出す。しかしその声も掠れていて、愛おしいことこのうえない。

滑らかな背中に頬を寄せ、僕は目を閉じた。


この先、君と離れなければならない日もあるだろう。
だが僕は必ず戻ってくる。

〝戻ってくるよ…快斗〟

そう、僕は呟いた。
微かに黒羽が頷いた気がした。






20151031
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※お粗末様です(汗)。すっかりupが遅くなってしまいました。快斗くん視点のままつづきを書いていたんですが、イマイチまとまらず…白馬くん視点に戻しました。さらにじっくり入り込んで書ける時間がなかなかとれなくて、って言い訳ですスミマセン(*_*;
その間に三日月も満月も過ぎてしまいましたー。トホホ~。

●拍手御礼!
「HELP」「不可侵領域」「妄想」「暴発」「倒錯」「パンドラ~プロローグ」「秋憂《1・2》」へ、さらにカテゴリ★交錯へも拍手ありがとうございました(^^)/

《拍手コメント御礼》
★チョコレート様、恐縮です(@@);;  
〝勢いでナンボ〟なのに、もたついて余計upしにくくなってしまいました。お粗末さまでした。広い心でお待ちいただき、ありがとうございました(>_<)///

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