名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
 

同類(新快前提 平次&快斗)

※軽めです…。
――――――――――――――――――

服部はフツーにいいヤツだった。

普通に話しやすく、普通にノリもよく、工藤や白馬よりもずっと普通にクラスの悪友たちと同じ感覚でダベったりふざけたりして付き合える相手だった。

これでコイツが探偵でなきゃな…。

なんでこのへん探偵ばっかうろうろしてんのかな。
帝丹には女子高生探偵が転校してきたっていうし、毛利探偵事務所にもなんとかいう弟子? が入ったとか何とか……。
原因はやっぱ工藤だろうな。ここら一帯がやたら謎だらけなのはアイツのせいだ。探偵どころか警察幹部からFBIやCIAにまで知り合いがいる高校生なんて、日本全国探したって他にいっこねぇ。
アイツが謎を引き寄せてんだな。そーいう星の元に生まれてんだろうな~アイツ。

ま、それはおいといて――服部の話の続きだけど。


帰ろうと思って正門出たらカーキの上衣に迷彩柄キャップを被った服部がガードレールに腰掛けてた。俺と目が合ったらにかっと笑って、白い歯がすごく眩しい。

「黒羽! 元気やったか? クドーと仲良うやっとるかいな」

「……」

あまり仲良くもない。昨日ケンカしたばっかだ。あのやろう、おかげでアチコチ痛いし眠くてシニソーだし今日は散々だった。
思い出しムカつきしながら、服部になんて返事しようか咄嗟につまり、へんな間ができてしまった。

「あ…えと、まぁ…」

「無理せんでええ! 訊いたオレがアカンかった。クドーのやつホンッマしゃあないやっちゃのう」

そう言って服部が肩を組んでくる。一緒に歩き出した。

「別に…なんでもねえよ。それよか服部なんで今頃ここにいんの?」

「おう。オヤジの出張に便乗や! 出張ゆうても元部下の結婚式なんやけど、オレも知っとる人やさかい直接おめでと言うたりたいゆうて式には出んけどねだって一緒に来てもうてん。な、黒羽、ものは相談やけど」

「?」

「今晩おまえんち泊めてくれへん? オレだけや、オヤジらは式のあるホテルにちゃんと泊まるさけ」

…そーいうモンダイじゃねえ。

「だめ」

「ええっ、なんでや?! 嘘やろ」

「嘘じゃねえよ……」

あれ…? デジャヴかな。前にもこんな会話した気が――。


マジシャンたるもの、そう簡単に他人を楽屋に案内するわけにはいかない。工藤だって俺が自らヤツを家に招き入れたことなんて…あまりない。たいていヤツが勝手に無理矢理入り込んでくるんだ。だから昨日みたいにケンカになる。
いや、いまは工藤のことはおいといてだな。

「急に言われても困るよ。散らかってるし」

散らかってるどころじゃない。そうとう乱れてる。工藤と取っ組み合いしたんで居間は台風通過後みたいになっちゃってるし。あああ。思い出しちゃった。あれ片付けなきゃなんねえんだ。ちくしょー!

「なんや、そんな怒らんでも…」

「ああーいやいや、服部に怒ってんじゃねえよ。ちょっと…まじで普段以上に散らかってるんで。足の踏み場もないくらい。だから」

「だったら一緒に片付け手伝うさけ断らんといてや。な、オレがどないしてこんな無理頼んどる思う?」

「宿泊費の節約」

「アホ!」

「だったらいつも通り工藤ん家泊まればいいじゃん。ヘタなホテルよか充実してるぜ」

「どアホッ! ちゃうわ。なんでこない頼んどるんかわからんのかいな」

「なんだよ」

「おまえと仲良うなりたいからや! 工藤はええねん。たいがいヤツの考えとることはお見通しや。いまオレが誰よりもめっちゃ知りたいのはおまえのことなんやで、黒羽」

そう言って瞳をキラキラさせて俺の顔を覗き込んでくる服部は、なんていうか……〝すごく期待したくなるキャラ〟だった。
一緒に遊んだらきっとすごく楽しいんじゃないかな。バイクの話にも興味あるし。一晩中くだらない面白いバカ話をたくさんして、ノリ突っ込みしあって笑い倒して明日は腹筋が痛くなったりして。

……いいかな、家に泊めてやっても。

こんな南国の…いや、関西の太陽みたいに温かな笑顔で見られたら、なんだか断りたくても断れない――。


♪♪♪! ♪♪♪!

電話の着メロ。服部んだ。

「おう、オレや。なんや、オレがコッチにおるんなんで知っとるんや?」

あれ? 電話の相手、まさか……。

「そらしゃーないな! 工藤には荷が重すぎるで。わっはっは! すぐ行くさけ、待っとれ!」

走り出す服部。て、おい。

「黒羽~またな! 事件や! 東のヘボ探偵からSOSや。行ってやらんとあかん」

「うちに泊まんじゃねーのかよ?」

「ああ~、工藤と合流して現場行くさけ、またにするわ! ほならさいならー!!」

「……………………」


一瞬でも気を許しそうになった俺が馬鹿だった。
服部は探偵だったんだ。三度の飯より謎解きが大好きな。工藤と同じじゃん、やっぱり!!!

少しほっとしつつ、なんだか振られたような理不尽な気持ちに挟まれて、俺は一人で歩き出した。

なんだよ、くそ。

やっぱり探偵なんてろくなヤツいねえ! と、もともとの結論に再び落ち着いて、俺はげっそりしながらとぼとぼ帰った。今から家の片付けだよ。ちぇっ!






20120510

―――――――――――――――――――――

あとがき
このところ乱暴な平次くんばかり書いていたので(ゴメンナサイ)、今回は〝まともな平次くん〟が目標の習作ショートのつもりだったんですが、書いてるうちにへんてこになっちゃいました~。(*_*;


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