名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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平次と快斗2(平次×快斗)
カテゴリ★(新快前提)平次→快斗
※前回2012.9.15upのフォロー編。カテゴリ分けしてませんが平快両想い設定。
◎おかげさまで本日退院しました♪ お見舞いコメント下さった皆様、本当にありがとうございました(*^^*)!
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「黒羽!! ……おまっ」

口をパクパクさせた服部が呆れ顔で立ち尽くす。


「へへっ。来ちゃった」

服部が東京に来てから一週間後の金曜日の夜。俺は大阪に来ていた。服部んちの真ん前に。

「あ、あほう! 少し時間おけぇ言うたやろが! 辛抱きかんやっちゃなァ~」

「おいたよ。それで逢いたくて来たんだから文句言うなよな」

「…………アホやなぁ、おまえ」

「アホで悪かったな!」

服部んちの門をくぐり、俺たちは向かい合った。

互いに身を寄せ、バッグを抱えたままハグをし……そして触れるだけのキスをした。





「まーその…今夜に限って家には誰もおらん。おとんもおかんもそれぞれ別の用事で外泊や」

「じゃあ泊まっていいの?」

「ああ。べつに両親おったかてかまへんし。後で幼なじみが晩飯作りに来るいうてたけど、断るわ」

「えっ」

あの、ポニーテールの元気な女の子か。

「でも、それじゃあ────」

「気にすんなや。アイツは幼なじみのGF以上でも以下でもないよって」

「……俺が来なきゃ、ノーマルな夜が過ごせてたんだ」

「だァホッ!」

片襟を掴んで服部にぐいと引き付けられる。

「ぶっ、ブレイクブレイク! 苦しいって服部っ」

「おまえがアホなことばっか言いよるからやろ! なんがノーマルや。オレの気持ちをなんや思うとるんやっ」

……だって。

「俺を置いてけぼりにしたの服部じゃん。俺……あのあと……」

────やばい。思い出したら涙腺にきてしまった。

「あのあと……」

視線を逸らしたがだめだった。

我慢しようとしても熱い液体がどんどん目に溜まり、溜めきれなくなってポロリと零れた。
服部が息を吐く。

「すまん」

そのまま呟いた服部に抱き締められた。

「うっ……」

堪えようとするほどに涙が零れる。

暗い線路を遠ざかってゆく電車の赤いテールランプ。思い出すたびに悲しくて。淋しくて。自分がこんなに弱い人間だなんて、あの時まで知らなかった。

「……?」

背を抱いて宥めてくれていた服部の気配が変わる。

「わっ?!」

足払いを掛けられて背中からひっくり返った。ドスン、と倒れ込んだのは服部のベッド。お日様の匂い。

「…ってオイ、ちょっと待てっ服部!」

「待てるかい。かわいすぎるでホンマおまえっちゅうヤツあ」

「バッバッバッバカッ! ものには順序ってもんが────」

唇を塞がれてしまう。
ああ…流される。
・・・イヤイヤイヤ、ダメだっての!

「……こらっ待て! せめて彼女にちゃんと断りの連絡してからにしろっ!!」








しぶしぶ中断した服部にポニーテールの彼女にメールを入れさせ、俺はシャワーだけ先に浴びさせてもらった。


どきどきした。

一週間前の抱擁はまだ記憶に新しく、健康な男子高校生同士としてはその生々しい感覚を思い出すだけで正直ヤバい状態になる。
もちろん今夜ノーアポで服部を訪ねるにあたり、うまく逢えない場合も考えたし、逢えたとしても二人きりになれるかどうかも分からなかった。

だけど、服部の幼なじみの彼女には申し訳ないけど、こうして首尾よく二度目の夜を迎えようとしている。

これって……つまり、運があるってことじゃないかな。
この公には出来ない逢瀬に。
俺と服部に、不器用な恋愛の神様が慈悲を下さってると思っていいんじゃないのかな。
そう思うことにした。

この前はアタマの中から消すことが出来なかった東の名探偵のことも、不思議と遠く感じた。ここが大阪だからかもしれない。そうじゃなくて…振り切れたのかもしれない。

どちらにしろ、人の心なんて簡単に括りきれるもんじゃないだろう。
素直に求めるものに今は身を任せたい。そう思った。



「あーー、……メシは後でええんか? そしたら」

「いいよ。そんな減ってない。服部は?」

「快斗が焦らすよって、こっちのが切羽詰まっとるわ。んじゃ今度こそいくでっ!」

〝快斗〟と呼んでくれた。

「待った待った、服部っ」

「今度はなんじゃい!」

「……やさしく、な。俺…やっと落ち着いたとこなんだ」

言いながら赤面した。

「お、おう、そうやったか。分かった。二度目やからな……。安心せえ、ムチャはせん。そんかわり」

「そのかわり…?」

「良すぎて泣いてもやめへんで~」

「ばぁか」

キスをして、触れ合って。

遮るもののない二人だけの夜。

服部と俺の────。










20121005


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あとがき

前回予想外に淋しい終わり方をしてしまったので、そのフォローのための続編でした(汗)。さらに続けるかどうかは未定です。(和葉ちゃんだけはゴメンナサイ!)

はい?
このブログですか…? めったやたらにパラレルっておりますが、お相手は味方だろーが敵だろーがドコの名探偵だろーがすべて、もれなく、100パーセント、快斗くん&キッド様にぞっこん惚れまくりとなっております。ご承知おきの上、ご了承くださいませ~m(__)m。

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