名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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逢魔が時

(新快前提 白馬→快斗)


僕には『片思い』の経験がなかった。こんなにも1人の相手が気になって他の事がおろそかになってしまうような、そんな記憶は過去にはなかった。

たいていの相手には微笑みかければよい反応が返ってきたし、その相手が女性だろうが大人(警察関係の人間や教師達)だろうが同世代の友人達だろうが、博愛主義者の僕としてはこちらから隔たりを感じた事はない。――なかった、と思う。

ところがここに僕のペースを乱す者が現れた。
黒羽快斗。クラスメートのこの少年は『怪盗』という隠れたもう一つの顔を持っていた。僕はそれを――暴こうと、はじめの頃は懸命になっていたのだが、最近は我ながら可笑しなことに――理解者として彼に近づきたい欲求の方が大きくなっていた。

もちろん彼にとって警察関係に顔がきき、自ら探偵を名乗る僕は面倒な相手に違いなく、何度となく敵意はすでにないことを仄(ほの)めかして近寄ろうとするのだが、完全にシャットアウトされている状態だった。

さらに僕の焦りを誘うのは、同じ高校生探偵として名を馳せている『工藤新一』が、どうやら黒羽とデキてしまった……もとい、表現に品位がなかった。訂正。
『工藤新一』が、黒羽と特別な絆で結ばれたらしい気配があることだ。

なぜ僕ではなく工藤なのか。
考え出すと心拍数が上がり、平常心が失われる。
本当にいても立ってもいられないほど黒羽に触れてみたい欲求が高まって、僕は自制心を失いかけていた。



黒羽は時々酷くぐったりした様子で登校してくる。それはそうだろう、怪盗が活躍するのは大抵夜中だ。一睡もしてない事も多いのではないだろうか。
そしてそんな日には休み時間も授業中も大半が居眠りタイムとなるわけだが、不思議と大目に見られていて――類い希れなIQを擁し成績もよい事と、皆に愛されるべく生まれついた明るさのためか――概ね平穏な学校生活を送っていた。
一度、連絡も取れないまま数日にわたり学校を休んだ事があり心配したのだが、いつの間にかひょっこりと何事もなかったように自分の席に戻ってきていた。問うと、海外に滞在中の母親に急に呼ばれて行ってきたとか(詳しく渡航記録でも調べれば嘘とわかるだろうが)、そんな時には必ず余計な真似はするなと眼差しだけで僕を牽制してきた。

どこかが不安定で、目が離せない。どうにも庇護欲をそそられる。そして一度抱き締めてみたいと思わせる均整のとれた容姿。とどのつまり、今や僕は黒羽にぞっこんだったのだ。





ある日の夕刻――傾いたオレンジの陽と薄闇とが同時に重なる時間。

僕はたまたま補習の相談のために居残って(イギリスへ行っていた期間のためだ)帰りが遅くなった。皆が帰ったあとのしんと静まった廊下を歩いて戻ると、誰もいないと思った教室にぽつんと黒羽だけが一人、机に突っ伏して眠っていた。

こんなことは珍しい。
いつまでも起きないので置いていかれたのだろうか。
僕はなるべく静かに、彼を起こさないようにそっと近づいた。

顔を覗き込む。
いたって平和な寝姿だった。

…眠っている彼に手を出すつもりはもちろんない。そんなことは紳士としてあってはならない。

しかし。
――いまは正と負の境界が交じり合う『逢魔が時』だった。校舎は昼間とはその貌を変え、異世界への扉を開けようとしている。
闇がさらに濃さを増し、目の前で眠る黒羽の輪郭がぼんやりと失われてゆく。そしておそらく僕自身も。


「………ど…ぅ」

「!」

伸ばした僕の掌が黒羽の頬に触れる寸前、小さく身じろいだ黒羽がなにかを喋った。それは、その時の僕には『工藤』の名を呼んだようにしか聞こえなかった。

闇が――僕を支配する。


「……ん…? あ…」

寝ぼけている黒羽の頬を捕まえ、顔を持ち上げて唇を貰う。

悪く思わないでくれ。君があまりに無防備なせいだよ。僕がこんなに君を好きでいること知らなかったのかい――。

黒羽はまだ朦朧としている。僕は黒羽の上衣のボタンを一つ外してカラーを広げ、その胸元に口を付けきつく素肌を吸い上げた。僕を印すために。
瞬間、黒羽が体を強ばらせ、アッと驚きの悲鳴をあげて仰け反った。

ガターン! とひっくり返って床に落ちた黒羽と倒れた椅子の音が宵闇に暗く沈みつつある教室の底に派手に響きわたった。
が、もちろん誰の気配も、助けも現れることはない。再び静寂が僕等を包み込む。

「――は、白馬? な……」

もう一度唇を頂戴する。今度はもう少し深く。

「ばっ…、や…めろ…!」

黒羽の両方の手首は僕が捕らえ、体重を乗せて床に抑えつけていた。
同様に胴体も上背で勝る僕がのし掛かっているので、普段ならともかく目覚めたばかりで混乱している黒羽がどうもがこうとも身動きはとれない。

「――いくら校内でも、油断し過ぎじゃないのかい」

「どけよ…!」

黒羽の耳元に唇を寄せ、囁く。

「これは警告だよ。ホラ…こんなに無防備では、いずれまた僕でなくても誰かに寝首をかかれる」

「…テメエ以外にいるかよ」

「ふふ。まあ、否定はしませんが」

逆に、僕以外に校内で黒羽を狙う奴がいるとしたらそっちの方が問題だ。その時は僕が守らなくては。

ほとんどが闇に包まれた教室の底で、僕を見上げる黒羽の瞳だけが輝いている。
こんな風に――工藤も黒羽を捉えて抱き締めるのだろうか。考えると苦しかった。
完全に陽がおち、夜が訪れると同時に僕に憑いていた『魔』も去って行ったようだ。理性が戻った。
僕としたことが醜い嫉妬に心を操られ、平穏だったはずの黒羽の日常に影を落としてしまった。

僕は黒羽を解放した。

「すまない。僕としたことが誘惑に負けてしまった」
素直に謝ってみたが、黒羽にとってショックだったのは間違いなく、話しかけても返事すらしてくれなかった。

――まぁいい。もし次の機会があるとしたら、その時こそ精一杯黒羽を抱き締めよう。警告はしたのだから、次にもし黒羽が僕に隙を見せたなら、その時は想いを遂げてみせよう。

無言でそそくさと帰り支度をして去ろうとする黒羽の背に声をかける。

「黒羽君、今夜は間違っても『彼』の所へは行かない方がいい。鏡で胸元を見てごらん。僕が目立つキスマークを付けておいたからね」

一瞬立ち止まった黒羽は何か言うかと思ったが、結局彼はそのまま教室から走り去った。
残された僕は少々切ない後悔と、意外に大きい満足感と、微妙に締め付ける嫉妬が入り交じった中でひとり苦笑した。
あのキスマークが残っている間は工藤に会いには行けまい。意地悪をしてしまった。そのくらいはしてやらないと気が済まなかったのだから仕方がない――。

また明日になれば明るい教室で何事もなかったように黒羽に会えるだろう。早く明日になってほしい。
そう思いながら、僕もようやく立ち上がった。





20110908


―――――――


夢の快斗くん『総受け』に近づけたかな?!
白馬くん思ったよりがんばりました。正直なところ白馬くんのキャラつかみ切れてないんですが。
白馬くんリベンジがいずれあるでしょう! それまでに白馬くんのこともうちょい確認しなくては!
スミマセンテキトーに書いちゃって……反省して出直します!

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