名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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憤怒《1/2》(新快前提 京極×快斗)
※ダークサイドの単独パラレル。かなりねじ曲げてます…不安な方は読まないで下さい~(*_*;
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「そこで何をしている!」

突然戸が開き、厳しい声で一喝されて俺はその場に立ち竦んだ。



やっべ。油断した。
こんな遅い時間に、誰もいるはずないと思って電気を点けたのが拙かった。

「うちの生徒じゃないな。ここは鍵がかかってたはずだ。どうやって入った?」

「あの…ええっと」

ビビりながら振り向くと、戸口の向こうに立っていたのは青いラインのジャージを羽織った杯戸高の上級生だった。

「すみません、勝手に入って。昼にサッカーの試合に来て、忘れ物しちゃったみたいで…探しに来たんです」

「忘れ物? 学校はどこだ」

「江古田です」

西東京大会予選会場だった杯戸高校。そのグランド脇に建つ真新しいクラブ棟の更衣室だった。小さな窓からは真っ暗な空しか見えない。

「何を忘れた」

「腕時計です。ちょっとでかめの、黒い」

「これか」

「あっ」

上級生が手に掲げている腕時計。

「よかった、それです」

ほっとして近付きかけたら、上級生は無言で一歩中に入り、戸口を塞ぐようにして俺の前に立ちはだかった。

「あの…ありがとうござ…」

「自分の物だという証拠は」

「えっ。そんなの」

上級生は胡乱な眼差しで俺を見下ろしている。
なんだか気配がよくない。

がっしりした体格の男。眉に絆創膏を貼っている。
武道系の選手だろうか。力を抜いて立っているように見えるが、隙がない。すり抜けて表に出るというわけには、とてもいかない感じだ。

「……」

不意にここが閉ざされた空間であることを意識した。何か起きそうな、平衡感覚が判らなくなるような、ちりちりと意識を灼く黒い波動。

慣れない場所で出くわした、厳しい目をした男。いや…厳しいと言うより、男の瞳に在るのは暗く沈んだ澱のような鈍い光だった。
何かに苛立ち、何かに憤っている───ように思えた。

何者だろう。この男こそ、どうしてこんな時間に学校にいるんだろう。

「あなたは、なんでこんな時間に…」

問おうとしたとたん、上級生の気配がさらに剣呑なものに変わった。
避ける間もなく肩を突かれ、その力の強さに俺は二三歩後ろに弾き飛ばされた。ロッカールームの長椅子に引っかかり、派手にひっくり返る。

頭をしたたかに打って、俺は眩暈を起こした。

────忘れ物など、明日になってから取りにくればよいものを。

狭い空間が凶暴な気配に充たされる。

おかしい。
なぜ、こんな事に…。

いくら怪しまれているといっても、まだどこか軽い気持ちでいた俺は、予想外の男の〝憤怒〟に呆気にとられていた。
状況を理解することが出来ないまま、迫る男の影を朧に見上げていた。





憤怒《2/2》へつづく
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※毎度そうですがupしてから青ざめる…後半はハードル高い禁断のR18目標~(@_@);;

●拍手御礼
「燠火」「妄想」「悪酔い」「蹴撃」へ、拍手ありがとうございました!

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