名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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蹴撃《3/3》(新快前提 京極&快斗)
※新一視点に切替えます(*_*;
─────────────────────────────

立ち止まり、何かを目で追うように振り返った快斗が次の瞬間一直線に駆け出した。
肩に掛けていた荷物を放り出して。


「快斗!」

道場に向かってる…? にしても、様子が尋常じゃない。
投げ捨てられた快斗のデイパックを拾い、オレも後を追って走った。






道場内には異様なざわめきが広がっていた。

〝警察を呼べ!〟

〝救急車も…〟

〝今の撮れたっ?!〟

〝だめッス、切ったとこだったんで───〟


怒号。混乱。
アナウンサーの女性がカメラに向き直り、指で髪を整えてマイクを口に運ぶ。その上衣の肩の部分が変色していた。

片隅に集(たか)っているテレビスタッフや記者、選手たちの塊に分け入ったオレは息を呑んだ。壁際に倒れているのは快斗だった。ぴくりとも動かない。

「快斗!!」

走り寄ると、独特の臭気が鼻をついた。
揮発性のガスだ。引火性の高い───。

「工藤くん…」

「京極さん!」

呆然と快斗のそばに立つ京極さんの道着にも薬品の臭いが強く染み付いている。

「どうしたんですか?! なんで快斗が」

快斗は完全に気を失っていたが、ちゃんと息をしていた。
少しホッとして周囲を見渡すと、競技スペースのマット上で黒縁メガネの男が外人選手に取り押さえられているのが見えた。
カメラマンたちがその様子をしきりに撮影している。

「快斗、おいっ、しっかりしろ!」

「すまない。おれが蹴ったんだ」

「えっ」

京極さんは屈み込んでオレに快斗の手を指し示した。
快斗は何かをしっかりと握り締めていた。
快斗が駆けた理由が、解った気がした。






ー・・・ー・・・ー・・・ー・・・ー



「インタビューが終わったところで、いきなりペットボトルを投げつけられたんです」

「中身は薬品…液化ガスだったんですね」

快斗がかつぎ込まれた病院で、再び京極さんと落ち会えたのは騒ぎから四時間近くも経ってからだった。

「警察もそう言ってました。とにかく突然だったので、男が続けてこっちに何かを投げようとしてるのを見て、咄嗟に蹴りで弾き飛ばそうとしたんです」

ペットボトル入りの薬品をぶちまけたあと、犯人の男が投げた物。それは手のひらに握り込める程度の大きさの、歪(いびつ)なプラスチックボールだった。おそらくは軽い衝撃でも蓋が外れ、中身が飛び散るように細工された…。

「そうしたら君の友人が飛び出してきて、男の投げた物をおれの目の前でキャッチしたんです。加減する余裕もなかった。目標が小さかったので全力ではなかったですが、それでも右の足刀がそのまま彼の脇腹に入ってしまって。申し訳ない」

「………」

もしも快斗が飛び込んでケースを掴んでいなかったら。
仕込まれていただろう発火化合物が気化した薬品に引火して、たいへんな事になっていたに違いない。

「警察は犯人がどんなやつだか言ってましたか」

京極さんは逞しい肩を竦めて溜息をついた。

「いわゆる通り魔だろうと。大学とも空手協会とも接点はないようだし、駅の方向へ移動しながらターゲットを物色してるうちにオープンキャンパス中の大学に入り込んで、たまたまテレビ局や新聞社の車が集まってるのを見付けて、道場へ」

「それでインタビュー中の京極さんたちに狙いを」

「の、ようです」

まったく。とんでもない物騒な話だ。
それにしても快斗はどこで気付いたのか。
アイツのことだ。仕掛けは本職だし、知識と記憶力も半端がない。キャンパスですれ違った男から、危険な薬品類の臭いでも嗅ぎ取ったのだろう。

「あ、高校生探偵の工藤さんですよね?」

「そうですが…」

通りかかった看護士がニコリと微笑む。

「ご友人から伝言です。怪我はたいした事ないから先に帰ってるって」

「えっ、それ、いつの話ですか」

「三十分くらい前かしら。後で工藤さんが来ると思うけど、待ってられないから、見付けたらそう伝えてくれって」

快斗め。警察の対応をオレに押し付けたうえ、京極さんにもう一度会うのを避けやがったな。

「ったく、アノヤロー」

「彼はいったいどういう人なんです」

「快…黒羽、ですか」

「そうです」

頷いた京極さんの目は真剣だった。快斗の判断と行動に、何か感じ取っているのか。もしや数日前に鈴木邸で〝遭遇した相手〟を重ねて────。

「今度、黒羽くんにきちんとお詫びとお礼をさせてください」

「…伝えておきます。でも、その前に京極さんは成し遂げなきゃならないことがあるでしょう」

「わかっています」

ふっと京極さんが笑った。

大丈夫だ。とんだ事件に巻き込まれたが、京極さんの集中力は途切れていない。


病院を出て京極さんと別れた。昨夜から空手協会が用意したホテルに移動し、他国の選手たちと同様大会当日まで過ごすという。

さて、オレも戻ろう。肋骨にヒビが入った快斗が、痛み止めが切れて唸りだす前に。

空手世界大会には快斗と観戦に行くつもりでいたが、快斗のやつ、この様子じゃ誘っても来ないだろう。
とにかく身を持って京極さんの〝蹴撃〟を知ったのは、ためになったに違いない。
怪盗として空手の達人に挑むなんてこと、今後一切考えないよう、念のため忠告しておこう。
オレの、バカな、大切な、〝友人〟に。





20140727
─────────────────────────────

※最後の〝友人〟は意味としてイコール〝恋人〟です!


《オワビ的イイワケなあとがき+ひとりごと》
アッレレレレ(@@)?? おかしいな、快斗くん不在のまま終了してまいました(大汗)。試行錯誤の挙げ句、当初考えていた場面を飛ばし、話を縮めてしまいました。最後入れるつもりだった新快二人の会話シーンもカットです。しかし何よりタイトルに(京極&快斗)と銘打って始めた話なのに、ぜんぜんそうなってない! タイトル変えた方がいんじゃねーですよねスミマセン(>_<)!
 だから…というわけではありませんが、いや開き直って、だからこそ『夏の京極祭り』もう少し続けちゃおうかと思います。
(★インターセプトもスピードアップして進めたい気持ちはあるんですが(~。~;))

そんなわけで純朴な好青年京極さんとはかけ離れた〝ブラック京極さん〟パラレルの一つも書かなきゃ『夏祭り』が終わらない~!と思うので、ヒンシュクなのは承知でヤバイお話に次こそ挑戦したいです。そこは妄想ですから…ほんとに書けるか自信は全く無いですが~(@@)。

●拍手御礼
「蹴撃1・2」「想定外」へ拍手いただきました。ありがとうございますー!(^^)!

アニメまじ快、楽しみだよぉ。Free! ES のあとの楽しみが出来て超嬉しい~(*^_^*)♪
ついでにさけんじゃえー SMAP最高!

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