名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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燠火《1/2》(XX×快斗)
※タイトル「おきび」、改題・加筆、再アップしました。
※単独パラレル。お話としては短めです(*_*;
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潜入捜査が結局は徒労に終わり、それどころか想定外の〝痛手〟を被(こうむ)った俺は、特別休暇という名目で日本を訪れていた。



危険を冒し、時間をかけ、人の心まで操った挙げ句に…冷めた胸に芽生えかけた熱を、俺は失った。

思い返しても仕方がない。
取り繕いようがない現実。

俺に想いを繋ごうと懸命になっていた彼女はもういない。賭けた命は、あっさりと奪われた。俺の手の届かぬ場所で。

日本の何とかって探偵に看取られたらしいと仲間に聞かされたが、今さらそれを辿ったところで意味はない。

二度と彼女の声を聞くことも、抱き締める事も叶わない。

─────なのに、なぜ、俺は日本に来たんだろう?

自嘲の笑みが浮かぶ。
感傷に浸るなど、俺の柄じゃないはずなのに…。


薄ら寒い街角の交差点で立ち止まり、赤信号を眺めながら煙草を取り出した。
少し先でパトカーのサイレンが鳴り響いている。
火を点け、一息長く吐き出した。

ふと、何かを感じて顔を上げた。

横断歩道の向かいに誰か立って、こっちを見ている。
若い男だ…。

ざわりと胸の奥が騒ぐのを覚えて息を呑む。僅かな燠火に、不意に風が吹き込んだかのように。

何故だ…?

見知らぬ若い男は、歩行者用信号が青に変わると、軽い足取りで車道を横断してきた。
俺は動かずに────いや、動けずに、ただその男が近付いてくるのを立ち尽くして待っていた。

顔立ちが見えるくらいに近寄ると、男がまだティーンエイジャーであるのが判った。
ふわりと跳ねた柔らかそうな癖毛。しなやかな肢体。襟から覗く細い頸。

眼差しは─────

俺を見詰める〝少年〟の眼差しは、どこか暗く、どこか淋しげだった。

全く唐突に訪れた出逢い。
全く見も知らぬ、歳も違うその少年と俺は、互いに引き寄せられるように向かい合い、見つめ合った。

信号がまた変わり、車が数台行き交う。
今が深夜であることを思えば、日本での、この年頃の少年が独りで出歩いている事が不自然であるのは間違いなかった。

だが…この時の〝俺たち〟は、余りにも互いの〝孤独〟に蝕まれていたのだろう。
たとえ少年と視線を交わしたとしても、そのまますれ違ってしまえばよかったのだ。
だが────それが出来なかった。


「おじさん、ただ者じゃないね。何をやってる人…?」

意外なほど明るい声で訊かれ、思わず俺も返事をしてしまった。

「フン。夜中にフラフラしてる不良少年に〝オジサン〟呼ばわりされるほどトシは喰ってねえ。別に何もしてやいない…遊び人さ」

そう言うと、少年は嘘だあ、と言ってアハハと笑った。孤独に慣れた者の笑顔。

「おまえこそ何してる? 未成年だろう。早く家に帰れ。家族が心配してるぞ」

「あれ…なんでそんなフツーのこと言うの? 俺が〝独り〟だって、あなたには判るんでしょう」

「……………」

真っ直ぐ向けられる大きな瞳に惹き付けられる。深い孤独を秘めた、この少年に。

「…ね、髪、なんでそんなに長いの? 願掛け?  それか彼女の好み?」

逆に俺は問い返した。

「おまえ、名前は」

「カイト」

意外にあっさり答えた。偽名か。

「かいとぅ…?」

ちげーよ、アハハハッ。
また声を上げて可笑しそうに笑う。

「じゃあさ、オジサンじゃなくて、おにーさんの名前も教えてよ」

少し躊躇ったが、俺は自分の名前を告げた。彼女に呼ばれていた名を。

「俺は…〝ダイ〟さ」





燠火《2/2》R18へつづく
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※というわけで、諸星大(赤井さん)×快斗くんにチャレンジです。どうなりますか(汗)。

●拍手御礼
「真夜中の訪問者」←珍しい…間違いポチでしょうか? でも読んでいただけて嬉しいです。そして「5000メートル」へも拍手ありがとうございました!

●拍手コメント感謝!!
マナミ様。ルパコナのパラレルにコメント下さり、ありがとうございます。軽めノリで書いてみたんですが、楽しんでいただけたなら嬉しいです。 映画のオマケでコナン君はああ言ってましたが、キッド様ファンとしては夢見ちゃいますよね~(#^_^#)。また是非お立ち寄りくださいませ!!

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