名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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インターセプト《1/2》(新一×キッド)

――――――――――――――――――


黒ずくめの男の足元に、探偵が倒れている。

帽子を目深に被った長い髪の男はシニカルで野蛮な眼をしていた。


探偵をどうする気なのか、少なくとも気を失った探偵を助け起こそうとしているのでない事だけは確かだ。


――貴様、怪盗キッドか。なぜ怪盗がこんなところにいる。

――何故と言われても。私が狙う獲物がここにあるからです。あなたこそ…その探偵をどうなさるつもりですか。

――首を突っ込むな。すぐ消えれば良し、そうでないなら――。


男はサイレンサーの銃口を真っ直ぐ俺に向けて突き出してきた。


――私は獲物を手に入れたら直ぐに立ち去ります。あなたが何者で、あなたの目的が何なのか…それは私の預かり知らぬ事。手を出すつもりはありません。

男は口元だけで笑った。

――では立ち去れ。

男がトリガーを絞るのが分かった。
俺は構わず男に向かって歩み寄った。あと数歩。

サイレンサーの湿った射出音。空気を裂いた風が頬を掠めた。

――気の短い方だ。すぐ立ち去ると申し上げているのに。


しゃがみ込んで探偵を抱き起こす。


――そいつは俺がずっと狙っていたターゲットだ。どけ!


男が言い終わる前に閃光弾を起動させた。チャンスはコンマ5秒がいいところだろう。
発射したワイヤーで腕に抱いた探偵と共に窓際に逃れる。立て続けに撃たれた。窓が派手に割れ、夜風が流れ込む。同時に照明が落ちた。やっとセットした時刻になったのだ。閃光弾で目を灼いた後の暗闇だ。男にはこちらの姿は見えてない。
探偵を抱えなおして、俺はビルから飛び出した。







――あの男に、殺される。
俺だけならまだいい。でも、俺の周りの人達を巻き込むわけにはいかない――



あ……。

ぼんやり目を開ける。

天井のライト。カーテン。本棚、机。
誰かの部屋。この部屋は……。

「気がついたかよ、名探偵」

(……黒羽!)

すぅと目が覚める。黒羽快斗。

黒羽は怪盗キッドだ。ここは、黒羽の部屋。正体を突き止めた時に一度入った事がある。入っただけじゃなくて、俺はあの時…黒羽と…。

「名探偵もずいぶん危ない奴と付き合ってんな。俺まで撃ち殺されるとこだったぜ」

「えっ…!?」

そうだ。俺はあの男を追い詰めていた。もう少しで捕まえられた。だが。

――首の付け根が痛い。

男を追ってビルの最上階のホールに出たところで、俺は……。
おそらく身を潜めていた男に後ろから襲われて気を失った。重い衝撃と、きな臭い匂いが記憶に残っている。それが、今なぜここに。どうして黒羽が。

「アイツはどうしたっ!? 」

「逃げ出すのがやっとだったよ」

上半身裸の黒羽が肩をすくめる。
ふっと血の匂いがした。

「おいっ、まさか…撃たれたのか?」

「掠っただけ。手が届かないんだ。ワリーけど見てくれる?」

黒羽が座ってるイスをくるりと回して背を向けた。

「……バカヤロー」

肩から背にかけて赤黒く裂けた皮膚。血は止まっているが、抉られた傷痕が生々しい。
黒羽が用意していた救急のキットで傷を消毒し、手当した。

「でっかい借り作っちまったな……。ありがとう、キッド」

「今は黒羽って呼べよ! それよか重かったぜ、名探偵。睡眠薬かがされてたんだな。あっちこっちぶつけても全然起きねーの」

「悪かったな。そっちも〝名探偵〟はやめて名前で呼べよ」

「んじゃ……工藤」

「ああ」





どうしてこうなったのかわからない。

気がつけば抱き合う関係になっていた。
初めて黒羽を知ったあの日から――。





インターセプト《2/2》へつづく

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