名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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クロスステップ《2/3》(新一×快斗)

――――――――――――――――――


俺の部屋。工藤邸とは比べるまでもない、普通の一軒家の一室だ。

現状一人暮らしなので、こんな突発事態でも気遣う者は居ないのが気楽ではある。


「なんで逃げるんだ」

「そりゃあ……」

「まだ俺は〝おまえが怪盗キッドだ〟とは一言も言ってないぜ」

「………………」

そういやそうだ。やられた。
工藤に見つけられた時点で俺は勝手に観念してしまっていた。

「じゃあ、なんで来たんだよ」

工藤が親父のポスターを背に立つ。

「これは八年前に死んだマジシャンの黒羽盗一、だろ」

頬杖を付いたまま頷く。

「ああ。俺の親父だ」

「それじゃ訊く。黒羽盗一は、事故に見せかけて殺されたんじゃないのか?」

「…………」

「たかだか八年前の事なのに、調べてもたいした資料が残ってない。まるで作為的に報道が抑えられたかのようだ。それに」

「…………」

「おまえが二代目を継いで、危険を冒してまで狙っている物は何だ」

「…………」

「ビッグジュエルを盗み出しては『狙っていた獲物ではない』と言って返す。おまえはいったい何を探して、何を求めているんだ」

俺は工藤から目を逸らした。

いきなりズバズバきやがった。
しかし――答えられない。名探偵には関わりのない事だ。

「訊けって言うから訊いたのに、答えやしねぇじゃねえかよ」

「言っても信じねーよ」

〝命の石パンドラ〟なんて――。

言ってどうなる。ひとりでやると決めた事だ。
打ち明ければ工藤はもっと調べ出すに違いない。巻き込むことになってしまう。

「おまえの本当の目的は何だ。黒羽」

「…………」

「それが知りたくて会いに来たんだ。捕まえるならキッドの時にちゃんと捕まえるさ」

イスの背を抱えるようにしていた俺の髪に、工藤が手を乗せた。

急に――心臓がトクンと音をたてた。

小さかった名探偵の掌を思い出す。
掴まえて、抱きしめた時の小さな温もりを。俺の腕の中でジタバタ暴れた細い手足を。
あの時の〝名探偵〟が、本当にいまここにいる工藤なのか。

不意にいいようのない感情に囚われて苦しくなる。

「バカやろうだな、おまえは」

工藤はそう言って多い被さるようにイスごと俺の肩を抱いた。

「独りで片付けられるような相手じゃないぜ、おそらく」

……かもしれない。だからって言えるか。怪盗が探偵に助けてなんかもらえるかよ。

俺は工藤の腕から逃れてイスから立ち上がった。

ちょうど同じ背丈の工藤の顔が真正面で俺を見つめる。真っ直ぐに見詰めてきやがる。
どこまでも衒(てら)いのない瞳が近付いて――俺は動けなくなった。





――――――――――――――――――

クロスステップ《3/3》へつづく

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