名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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言伝─ことづて─《1/2》(新快前提 白馬×快斗)
カテゴリ★インターセプト2
※このカテゴリ初登場の白馬くん視点です。
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昼休みに外の空気を吸おうと屋上に出たら、黒羽がぽつんと手摺りに寄りかかっていた。

顔を上げた黒羽は、僕を見ると〝あーちょうどいいや〟と言いながら、珍しく近付いてきた。

珍しく、というのはかなり控え目な表現かもしれない。正直に言うなら、記憶にある限り初めてだった。

「なんでしょう? 君から話しかけてくれるなんて光栄ですね」

「イヤミやめろ」

「本心ですよ」

あのさ…と話しかけて、黒羽が周囲に目を配っていることに気付いた。それとなく移動し、他の生徒達から離れる。
黒羽は黙ってついてきた。

「俺さ…もしかしたらしばらく学校休むかも」

「もしかしたら、しばらく、休む、とはどういう事です」

「一つずつ訊き返すなよ。別に。そのまんまの意味」

「どこか遠出でも?」

「そんなとこ」

「決まってはいないのですね」

「んー、でもたぶんそうなる」

「……何故それを僕に?」

「青子とか紅子に話すのメンドくせえ。うるせーしシツケーし、余計な予言とかしやがるし」

「僕だってしつこいですよ」

「とにかくある程度予定の行動だからさ。俺が戻ってこなくても、白馬から青子に心配すんなって言っといてくれよ」

「断ります。自分で言ってください。中森さんは君の隣の席で、幼なじみのGFでしょう」

「頼んだぜ」

「黒羽くん、僕は引き受けていませんよ!」

行ってしまった。一方的に言うだけ言って。
チャイムが鳴る。
屋上から階段を降りながら僕は考えた。

今の黒羽の言動は何だろう。
頭の中で彼の言葉を反芻する。

────もしかしたら。

────しばらく。

────学校を休むかも。

それから、こうも言った。

────戻ってこなくても。

────心配すんなって。


「……………」

どうにも不穏な言伝だ。
普段と変わりない表情で、いつもの口調だったので、つい素通りしてしまったが。

あんな事をわざわざ僕に伝えたのは、どういう意味があるのだろう。

……なにか、起きているのだろうか。
もしかしたら〝怪盗〟としての彼に。

真の理由は公にできない、ということだろうか。
だから彼はあえて僕に……彼が怪盗だと見破っているこの僕に伝言を託したのだろうか。

これはもう一度黒羽を捕まえて、突っ込んで訊かなくてはならない。
なるべく早く。
彼が消えてしまわないうちに。

しかし、黒羽は捕まらなかった。
その日の帰りも、翌日も、翌々日も、近付いて話しかけようとするのだが、僕を見ると彼はさっと走って姿を眩ます。

焦ってきていた。彼がいつ姿を消すかと思うと、気が気ではない。

僕はいよいよ本気で彼を捕まえることにした。そうでもしないと黒羽と話が出来ないのだから。




言伝─ことづて─《2/2》へつづく


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